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14話 一気飲み

「にゃ?」

「うあっ!?」



 呆気にとられた俺は衝突を防ぐ策を講じないままにモンスターへ一直線。


 モフモフ、だけどゴムくらいの反発力のあるそれは、一瞬俺とインドラの身体をめり込ませたがすぐさま大きく弾き返す。



「いってぇ……。でも、攻撃はしてこなかったか」

「我らに気付いている……様子はなかったな。触手……いや、その尻尾は本体の意思とは別で、自立しているということか」

「はは……なるほどな。おデブちゃんの本体の変わりに栄養を集めてくれると……。楽して飯が手に入るなんて……こんな天国はないな」



 インドラと俺、二人で尻に地面をつけてこいつを見つめていると、その身体はゆっくりと動き出してようやく俺たちにその顔を見せてくれた。



 ――『10階層:大大大食漢ネコマタ、250レベル』


 ――『部位;白尾っぽ①、150レベル』


 ――『部位;白尾っぽ②、170レベル』



 Fランク探索者、尚且つちょっと前までレベル一桁だった奴が敵にしていい奴らじゃねえよ。



「ま、でもこれが当たれば価値はあるんじゃないかって……。都合よく的は大きいし、よっ!!」



 ファイアボールを作って適当に投げる。

 白尾っぽは細すぎて当たんねえから、狙いはもちろん本体。


 しょっぱなからストラックアウトど真ん中、100点狙いだ。



 ――パッ、シぃぃぃぃいいぃぃぃいい!!



「ふーん、そっかそういうギミック付きってことか」



 ストライクゾーンから外れることなく飛んで行ったファイアボールを白尾っぽが弾いた。


 目で捉えているって感じじゃなく、気配を察知して当たりにいってるって風に見える。



 こんなのどうやって本体に当てりゃあいいんだよ! って言いたいところだけど……弾いた代償は大きい。



 白尾っぽは球威に負けた上、ファイアボールの炎によって焼き切れてしまったのだ。



 状況は優勢。攻めて攻めて攻めまくるのみ!!



「2、球目ぇぇえぇぇぇええ!!」



 ――パッシぃぃいいい!!



『白尾っぽ2本を打ち取ったあああああああああああああああ!! ボーナスで本体にダメージッッッッッッッッッッッッ!!』



「――ぎにゃっ!」



 ストラックアウトモードのアナウンスが流れると、ネコマタの身体がぼこんと音を立てて、少しだけ小さくなった。


 どうやら今回の戦闘におけるストラックアウトの効果は敵にとって脅威になってくれるらしい。


 だって、俺はただファイアボールを制球気にせず投げ込んでるだけで勝てるんだから!

 てか、もう本体丸出し状態だから次で終わるんじゃね?


 楽勝なの? 本当にこいつ250レベルが――



「にゃ、う……。んぐんぐ……」

「なんだよ、それ」



 価値を確信していると、ネコマタはどこからともなくバカでかいジョッキーを取り出してその中身……やけに赤い飲み物を一息で飲み干した。


 そんでもって……その体をさらに太くでっかくして、明らかな強化をして見せたのだった。

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