13話 全速前進だぁああ!!
「ひっ! きもきもきもきも、気持ち悪っ……くはないですな。……。めちゃくちゃ気持ちいいぞ、これ。シルク? とにかくすべすべでずっと触っていたくな……りゅるるぅぅうぅああああああああああっ!!」
白い触手に触れられた部分が急に痩けて話しにくくなった。
痛くはないけどこの急に寒気が襲って……そんでジェットコースターの急降下みたいな感覚がずっと続く。
大人でもこんなの食らった日には大声で叫んじまうよ。
「旦那様!? くっ、私の旦那様から離れろ!! この泥棒猫が!!」
――バチッ!
インドラが触手に触れると、火花が散って焦げの臭いが瞬く間に俺の鼻の奥にこびり付く。
さらにその焦げた触手からぽわぽわっと光が漏れると、呼吸と同時に俺の身体の中へ……。
あー、温かい。
それにやっと元に戻った。
「ぷはぁ! なるほどね、この触手は相手から力を奪うと……って、だったらヤバイじゃん! 大丈夫かインドラ」
「当然平気だ!! そのための雷光気なのだからな!! ただ……」
インドラは焦げた触手のその先を見ながら顎に手を当てる。
豪快なイメージが強いからこうして考え込む姿ってなんだか違和感。
「多分、このままだと我らの身体はバラバラになってもおかしくないかもしれん」
「それってもしかして……」
――パッ。
真っ暗だったはずの穴の先、一部だけが急に明るく照らされた。
それで俺は、もうすぐ側まで地面が迫っていたことに気づいてしまった。
骨折……だけじゃすまないか、こりゃ。
「電磁――」
「ならこれで……どうだ!!」
急いでファイアボールを生成して全力で地面に投げ放つ。
普段、スキルを使ってボールを投げる時はどんな仕組みなのか、大した反動はない。
だけどぶつかったものとの間から衝撃波は広がっている。
だったらこの距離で、しかも全力の投球であれば落下する俺たちを浮かすことだってできるはず。
――パン!!
弾ける地面、襲う衝撃波、若干浮く身体……そして、空中に舞う土石を掻い潜ってくる白い触手。
で、その数はさっきの倍。
こいつ俺が何かするのに合わせて……狙って来やがったか。
「ナイスだ旦那様! ……『電磁浮遊:高反発』」
触手に触れそうになった時、さっき言いかけていたスキルの名前をインドラは声高々に響かせた。
それだけで身体はハイスピードで前進。
絡んでこようとする触手は追いつけそうにもない。
「こんなのがあるなら早めに頼むよぉ」
「残念だが、そんなに自由が利くものじゃない上、連続での使用も難しい。だから最後の最後まで様子を見ていたわけだが……やはり、流石旦那様だな!! あんな方法を思いつくとは! あっはははは!!」
褒められちゃった。
お世辞でも嬉しっ。
それに実は……俺、機転利くじゃん! って正直自画自賛してました。
だーかーらー……。
「インドラのこのスキルも最高だぜ!! あははははは! 全速前進全速前進全速前進だぁぁぁああああああ!!」
俺も調子に乗っちゃうぜ!
というか、この勢いならぶつかっただけでボスも楽勝なんじゃ?
「――あははははは!! って……壁? ……いや、あれ触手が繋がってて……ま、まさかこのデカイのが……」
正面に見えた黒くてデカくて丸いやつ。
それを見え上げると、てっぺんの辺りに250という数字とモンスターの名前が浮かび上がっていた。
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