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バルたん

霧人「ジャンケンポン、ジャンケンポン、勝ったぁああああっー!!」


優斗「次は俺だ、ジャンケンポン、ジャンケンポン、よっしゃああああーっ!!


琉星「ハサミしかない相手にジャンケンで勝つな……」


愁也「相手はロブスターだぞ……」


この日、店の客から指名のスタッフにロブスター(✱大きいエビ)のプレゼントという異色の贈り物が渡された。


ブランドの財布やアクセサリーなどありふれた物は多々あるが、よりによってロブスター(✱大きいエビ)という、ちょっと変わった差し入れに困惑したスタッフは、暇そうな霧人に押し付けたのだ。


なぜならロブスターは。


活きていたからだ。


(★ちなみに本当は「ザリガニ」を書く予定だったんだけど、日本固有種のニホンザリガニはいいけどそれ以外の特定外来生物の持ち運びや飼育は規制されてらしく違反すると罰金や懲役刑が科される事があるとかで外来種問題はまず国内に持ち込ませない事が重要だと思ってて外来種のザリガニ書いたらこの店に環境省から


狐は捕食として沢蟹を食す事もある。


ただし、川にはいないビチビチ活きのいいロブスターは獣の本能を恐怖させた。


某ホスト「怖いからいらない」


もらった本人はこう言い残している。


捨て猫、捨て犬ならぬ、不憫な捨てロブスターとなったロブスター(✱大きいエビ)は霧人に「バルたん」と名付けられ、事務所の片隅に発泡スチロールの中で飼育されていた。


琉星「引き受けたんならちゃんとかわいがれよ」


霧人「かわいがってるだろ、こうやってジャンケンしてるし……」


愁也「どこがだよ、ハサミ上げてるしメチャクチャ威嚇してるだろ」


優斗「怒ってんのか、このエビ?」


バルたん「………」


そう。


バルたんは怒っていた。


言葉が通じないロブスター(✱大きいエビ)だとバカにして、愚かな狐達がジャンケンポンをしてからかってくる事に。


ハサミしか出せない事をいい事に、生物界の頂点にでも立ったような顔をする狐たちに憤慨し、抵抗していたのだ。


琉星「狐乃さんが日頃言ってるけど、俺達は生物に対してだけは人間と同じ価値観でいたらダメだって言われてるだろ。見下したり、種族が違うからってバカにしたり敬意を怠るなって」


愁也「人間は生き物を捕食するが俺達はその捕食される側。知恵のある動物としてどんな生き物でも共存と共生を考えて生きろって」


狐乃「……その通りだ」


いつの間にか狐乃が事務所に来ていた。


霧人「狐乃さんっ!!」


狐乃「生物ってのは生きる為に無数の命で支えられてる。知恵のある獣としてお前らにも学んで欲しいからな」


どうやら外で会話を聞いていたらしい。


優斗「狐乃さん、すみません。俺、調子に乗ってました……」


狐乃をリスペクトしている優斗はばつが悪そうに俯いた。


狐乃「わかればいい、俺達は元は狐だ。生物の支配者と勘違いする事は人間と同じに成り下がる。生物には生物なりの誇りを持って生きねぇとな……」


そう言うと、狐乃はバルたんにそっと手を差し出した。


狐乃「すまなかったな、仲間の態度を許してくれ……」


霧人「……狐乃さん」


清々しいまでの狐乃の男ぶりに四人は胸が熱くなる。


例え相手が海洋生物だろうと、平等に仲間として扱う漢気に四人はしびれた。


この人について来て良かった。


俺達は間違っていなかった。


優斗「狐乃さん……」


そう確信した。


だが。


バルたん「………」


バルたんは握手を求めた狐乃の手にハサミを振りかざした。


パーに対してチョキを出したのだ。


霧人「バルたんーーーーっ!!」


この瞬間。


生物の共存、共生とは上辺だけで片づけられない事実だと皆は学ぶ。


そして。


「ロブスターを飼育するなら、適応できる環境下でちゃんと飼うこと」


狐乃にコンコンと(狐なだけに)お説教をされた霧人は。


翌日。


三人と共にバルたんを水族館に引き取ってもらった。



●後日、客から今度は特大のタカアシガニをプレゼントされ「リヴァイァたん」と命名されたが、これも後に水族館へと送られた。










本編の内容を忘れそう(;´Д`)

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