やおよろずクリスマス 上⤴
※ご注意
楽しい話題を書きたかったのですが、意思とは反対に空気が全く読めてない不穏な内容となっております。
R指定、お子様の閲覧にはご注意ください。
琉星「狐乃さんって、店のイベントに乗っかった事ってないですよね?」
狐乃「俺はオーナーだ、参加はお前らに任せてる」
BlueFireでは、スタッフの間で季節ごとの催しの提案が義務付けられている。
客に飽きられない工夫をするのはどの業界でも同じだからだ。
年も暮れ、年末のイベントであるクリスマス。
今回はそれについて意見を交わしていたが。
愁也「……にしてもひどいな」
ホワイトボードにスタッフそれぞれ浮かんだアイデアを書くよう指示されていたが。
「神輿をかつぐ」
「餅をまく」
「ササミが好き」
「金がないと猫缶食ってる」
「俺はホネッ子かじって凌いでる」
など、クリスマスとは無関係でカスな知恵しか集まっていない。
よって、今回も例の四人が居残りでテーマを出すよう課せられていた。
一応、狐乃の意見を伺った上で。
優斗「いっそ狐乃さんに出てもらうのが一番盛り上がるんじゃないんすか?」
狐乃は店のルールとして太客にしか会わない条件になっている。
投資家や大手株主など、酒の接待というよりもビジネスアドバイザーとしての裏の顔があるらしい。
一方で一般客からも会いたいとの声は多く、その反響は大きくなっていた。
狐乃「酒の席には入れねぇぞ、俺の客から文句言われるだろうしな」
霧人「じゃあサンタのコスプレして出たらいいんすよ、それなら良くないすかっ!」
愁也「それならありじゃないですか、ノベルティ配って挨拶だけして回るとか」
狐乃「前から思ってたが、サタンってなんだ?」
琉星「……サンタです、サンタクロース」
狐乃は西欧のイベントには興味がないらしく、正月や盆など、日本の四季折々の行事以外には反応しない。
そこが現代とのギャップを感じさせつつ、俗世とは違う世界を生きているのだなとスタッフも納得していた。
優斗「確か一回使ったままのサンタのコスプレセットあったよな、ヒゲから覆面まで全部揃った」
琉星「あったな、しまったままのヤツ」
そうこうしていると、愁也がロッカーから衣装一式が入った袋を見つけて持ってきた。
プレゼントを詰める白い袋まで付いている。
愁也「どうですか、狐乃さん?」
狐乃「……俺がか、うーん。何していいかよく知らねぇしな」
ガラじゃないだろと本人が渋っている。
うーん、うーんと唸り、5分が過ぎて。
霧人「つべこべ言ってないで着てくださいよ!」
狐乃「おい、やめろっ!」
しびれを切らした霧人が衣装の袋を掴み、嫌がる狐乃を側のキッチンへと引きずり込んだ。
弱冠、コスプレした狐乃見たさに面白がっている。
琉星「待て、霧……」
バンッとキッチンの扉が閉ざされた。
残った三人は顔を見合わせたが。
愁也「……まあ、狐乃さんに参加してもらった方が店の宣伝も兼ねるし。俺らにも悪い話しじゃない」
琉星「プライドが譲らなくても、客受けがよかったら乗り気になるかもしれないしな」
優斗「ウケるだろ、店の売り上げ3ケタいくぞ」
臨時ボーナス出るかもな。
出たらうまいもんでも食おうぜ。
などと楽しげに話していると。
ドンッ、と。
何かがぶつかるような音がふいにキッチンから響いた。
※お詫び
どこかの回でアニキの店の営業時間が風営法に引っかかった気がしています。
見直す時間がなく、申し訳ありません。
2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科される恐れがある為、時間がある時に見直しをさせて頂きます。
犯罪、ダメ、絶対