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狩りの終わり




「う…。

 は!?」


グレアは、再びシャディザールで目覚める。

不意に眠ってしまっていたことに気付く。


「死ね、死ねぇッ!!

 どいつもこいつも人でなしがぁ!!」


状況を理解する前に、そんな声がグレアの耳に届いた。

咄嗟に起き上がり、物陰まで走る。


この時、次第に気が付いていった。

あの猥雑とした街で途切れない人の姿がないことを。

娼婦たちの声や酒場の賑わい、音楽が聞こえなくなっていることを。


「…あ、あれは…!?」


身を隠しながらグレアは、信じられないものを見る。


”早撃ち”のガラヴァジオだ。

小銃ライフルを振り回している。


「あはははははは!

 ふはははははは!!」


何を狙って撃っているのだろう。

ガラヴァジオは、馬鹿笑いしながら夜の通りに消えていった。


だがすぐに別の物音にグレアは、驚かさせる。


「イヤッハー!!」


向こうでは、別の狩人が仕掛け武器を振り回している。

どうやら誰かを襲っているようだ。


「死ね死ね死ねぇっ!!」

「薄汚い獣共がーっ!!」


一人は、”隙っ歯”ウイルソンだった。

彼と戦っているのは、”赤帽レッドキャップ”ベロニカ。

理由は分からないが狩人同士で殺し合っている。


血狂たぶれたクソ狩人共ッ!!

 さっさと地獄に落ち腐れーッッ!!」


醜く争う二人。


一体何が起こった。

彼らは、仲間だったじゃないか。

そもそも三人とも死んだはず…。


そこへ


「■■■■■■■■■■■■!!!」


グレアが狩ったはずの巨獣の咆哮が轟いた。

音響攻撃でウイルソンもベロニカも血を吹いて倒れた。

苦しむ二人に巨獣が走り寄り、蹄でとどめを刺す。


「■■■■■■■■■ァァァ■!!

 ■■■■■■■■■■■■■■■!!!」


巨獣の蹄に千切り飛ばされる死体。

頭が石畳の街路を転がり、潰れた内臓と血が広がる。


「うううえッ。」


グレアは、吐き気が込み上げてくる。


しかし巨獣が離れると二人は、何事もなかったかのように生き返った。

そしてまた武器を振り回して暴れ始める。


「死ね、死ね、死ね!」


「うひゃひゃ!

 ひゃっひゃー!!」


グレアは、何が起こったのか分からず酷く混乱した。


なんだこれは?

悪夢なのか?


嫌な汗が出る。

重い頭を両手で抱え、グレアは、吐き気を堪えていた。


「うう…。

 うう…ああ…。」


なんだ?

声がする。


グレアが横を見ると物陰に大男が隠れていた。

巨漢の狩人、”雄牛ブル”ウェルターだ。


「うっうっ…。

 うぐう…。

 うーっ、うーっ…。」


彼は、見っとも無く泣きべそをかいている。

グレアは、見なかったことにして無視した。


”惨殺魔”ロッシーニもいる。

彼は、巨獣を相手に戦っている。


「俺が相手であッ!?」


しかし瞬く間に内臓を撒いて石畳の上に倒れる。

だが、やはり彼もすぐに生き返っている。

瞬く間に傷が塞がり、何もなかったように暴れ始めた。


「なんだ、ここ。

 なんだ、ここ…。」


様々な考えがグレアの頭を去来する。

しかし答えは出なかった。

ただ理解を超えた目の前の光景に震えている。


「ぐえッ!?」


巨獣がグレアを見つけ、巨大な蹄にかける。

突き飛ばされたグレアの腕は、滅茶滅茶になっていた。

彼は、激痛を訴えてうずくまる。


「ああ…!

 があああッ!?」


そんなグレアを容赦なく巨獣は、踏み潰していった。

しかしグレアは、何事もなかったかのように蘇生する。


「は!?」


グレアは、捻じれた腕を引き寄せる。

確かに巨獣にねられた時、自分の腕は、負傷したハズ。

だが今は、何もなかったように戻っている。


他の狩人たちも同じだ。

何度、殺されても生き返っている。


「ここは、いったい…。

 悪夢なのか?

 僕は、どこにいるんだ…!?」




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