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第十二話

 ローザンカ様から手紙が返ってきました。それも思った以上早くに。

 ラインフォルスト王国で政変ありの連絡を受けてから、おおよそ一五日。考えうるほぼ最速で手紙が帰ってきましたわ。


 前回と同じくラァラが慌てて持ってきた手紙を、今回は私が受け取り、開封致しました。

 

「なんか、分厚いね」

「ローザンカ様は律儀かつ、まめな方なのです。相当な情報を送ってくださったのかもしれませんわね」


 言いながら、素早く目を通します。横からのぞき込んでくるルオンさまも、じっと文面に目を走らせます。


「これは……」

「スィリカ家と友好的な関係で幸運でしたわね」


 内容に目を通すうちに、政変の概要がわかってきました。 

 事の発端は、私が嫁ぐことになったあの事件です。あの時、我が家を始めに悪徳貴族がいくつか捕まったことを切っ掛けに、王国内で清浄化の動きができたとのことでした。

 中心となったのは国王陛下とスィリカ家を始めとしたいくつかの割とまっとうな大貴族。この機会に行きすぎた汚職を掃除して、ついでに財産没収で国庫を潤してしまえという流れのようです。美辞麗句で飾ってはいますが、そう読めました。


 当然、悪徳貴族側も抵抗します。表に裏に、政治の世界は大荒れ。中央から離れた場所では武装蜂起の気配すらある、きな臭い気配。内乱にならないよう、工作しつつ、じっくりと念入りかつ順番に悪徳貴族を潰しているとのことでした。


 手紙の半分がそのような昨今の事情。その他に、ルフォア国に来た私の生活への心配や、最近の王国の流行など、色々と書かれていました。


「どうやら、ローザンカ様は思いついたことを全て書いてしまうたちのようですわね」

「うん。趣味の話をすると長そうだ」


 ルオン様の感想は正しいですわ。あの方、興が乗ると話が止まらないところがありました。今回も途中から筆が乗って仕方なかったのでしょう。

 とはいえ、後半含めて私達にとっては貴重な情報です。大切に活用させて頂きましょう。


「スィリカ家は王家とともに主流派、その上でルフォア国を害する意志はない。私に対してこれだけ教えてくれるくらいには、こちらへ警戒はないようですわ」


 これらの情報が正しいかの精査は必要でしょうけれど、信用はできると思いました。意味も無く人を陥れるような方ではありませんし。今の私をどうこうするよりも、目の前の政変に集中したいでしょう。


「……妻殿、急いで族長にところに向かいたいのだけれど、良いかな?」


 ちょっと遠慮が見える態度で、ルオン様が聞いてきました。突然の外出を申し出ることに引け目があるのでしょうか。

 

「いつでも出かける準備はできておりますわ。私で良ければ、お供させてくださいませ」


 そう応えると、ルオン様は実に嬉しそうに笑ってくださいました。

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