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美少女に転生。

真っ暗な夢から目覚めると、そこには豪華なシャンデリアが見えた。

目を動かすと沢山の本棚。図書室?にしては豪華だ。

それに何故だかズキズキと痛い後頭部。

あ、あの梯子から落ちたのか?


「いてて〜。ここどこだよ。」


俺、ここで何してたんだっけ?

あそこから落ちて、記憶が飛んでるのかな?


「とりあえず、ここから出るか。」


よろよろと立ち上がったか、なんかおかしい。

少し歩くと、遠くに女の子が居た。

黒髪に濃い紫の瞳の女の子。すこぶるかわいい子だ。

外国の子?めっちゃ可愛い子初めて見たわぁ〜。

ドレスなんか着て、七五三かなんか??

可愛い〜なぁ。


その子が恥ずかしそうに笑っていた。


「ねぇ、君、ここってどこ....」


そこまで言って、俺は話すのをやめた。

だって、その子は.....


「俺じゃねーか‼︎‼︎」


それは大きな鏡で、あたふたしている女の子から

俺のセリフが聞こえる。

あー、ちょっと待て待て

こういう時こそ、深呼吸だよな!


「ふぅ〜ふぅ〜。えっと、大丈夫大丈夫!ほら、ちょっと頭打って、ちょっとなんかおかしくなっただけだよ〜。夢、そうか!夢だよなぁ! 」


夢!そう、これは夢!

俺は高1だし、男だし、日本人だし、こんな女の子なわけ無いし!


頭打ってちょーっとなんか、おかしくなった的な?



その時、扉の開く音がした。


「お嬢様、リリーマリア様!こんなところにまたおられて。旦那様に怒られてしまいますよ。」


白髪の執事の服を着たおじさんが、心配そうな顔をしてこちらに走ってきた。


「あ、セバスチャン。」

「はい。」


ふと、口をついた。俺は知らないけど知ってる人。



「また書庫に入られて。勉強熱心なのはわかりますが、あれほどここにはお入りになるなと、旦那様に言われたではありませんか。もう、私もお嬢様を庇いきれませんよ。」


やれやれと言った感じで、白いハンカチで汗を拭いている。

走り回って探してくれたんだろうなぁ。


「あーなんか、ごめんなさい。」


その時、セバスチャンはギョッとした顔で俺をみた。


「今、なんと....」


「え??あーっと、心配かけてごめんなさい。」


「な、なんと〜あの、わがままで謝ったことなど一度も無かったお嬢様が!どう、どうなされたのですかぁ〜。」


どうしたってお前だよ。急にそんな大声だして!

びっくりしたじゃねぇか。


その後セバスチャンは、はっと思い出したように


「取り乱して申し訳ありません!

お嬢様は、今日からお姉様になられるのですから、

お心の変化がおわりなのですね!

ううっ...急に立派になられて!!セバスチャンは感動しております!!!

はっ、私としたことが!!ささ、旦那様がお待ちです。参りましょう。」


すごい一人芝居だなぁと、俺は眺めていた。



セバスチャンの後をついていく。

大豪邸だなぁ、すげ〜。

ベルサイユ宮殿とか?まぁ、宮殿ってそれくらいしかテレビとで見た事ないんだけどね笑笑


絵とか飾ってあるんだぁ。


キョロキョロしながら歩く。


「あっ。」


大きな絵。

黒髪に濃い紫の瞳。すこぶる美人が描いてある。

この世にこんな美しい人がいるんだな。



「お母様…。」


気がついたら声に出ていた。


ローズマリア・ディア・エドワーズ。


リリーマリアを産んで、すぐに亡くなった人。



こんな美人から生まれたら、きっとこの子も美人になるわな。


性格はイマイチだけれども。

俺は、またセバスチャンの後をついて行った。

相変わらず、後頭部が痛い。

あとで冷やさないとなぁ。

あ、夢なのに冷やす必要ないか。


大きな扉の前に着いた。


沢山のメイドと、大きなテーブル。

一番奥には、金髪の怖い顔したおじさん(父親)が、こちらを見ている。

リリーマリアには似ていないが、イケメン中年だ。

メイドもなかなか美人が多いな。


この世界はいい顔の人ばかりなのかな?


わからない事ばかりで頭から混乱中だけど、条件反射

なのか、貴族がとるであろうドレスを少し持ち上げる挨拶をした。


「リリーマリア。席につきなさい。」


「はい...」


イケメン中年は声までもイケボ!


メイドが椅子を引いてくれる。


「この子が今日からお前の妹になる、マーガレットだ。

お前と同じ7歳だ。仲良くしなさい。」


目の前には、金髪で緑色の目をした女の子が座っていた。

この子も可愛い。ま、俺には負けるか?なんちゃって。

てか7歳なんだ、俺。


「よろしくな。」


にこりと微笑めば、周りのメイドや、さっきまで怖い顔していたおじさんも驚いた顔をしていた。


「セバスチャン!」 


いい声が響き渡る。


「はい、旦那様!」


二人はコソコソ話をしていた。

目の前の女の子も、俺を驚いた顔で見ていた。

なんだこの空気。

どう言う事だ??


挨拶?も終わり、そのまま部屋へ連れて行かれた。

あ、ここは俺の、リリーマリアの部屋だ。

机の上には日記のようなものがあった。


○月○日

今日は、自分で破ったドレスをメイドのアリサのせいにして謝らせてやった。

あのメイドったら、いつも私の気に入らないドレスばかり持って来る

センスの悪いメイドなんて、すぐ辞めさせてやるんだから。

今度はどんな事しようかな。



○月○日

コックの作りお料理が美味しくないわ。

野菜って大嫌い。

コックもキライ。いなくなればいいのに。



○月○日

お父様が急に妹ができると言い出した。

遠縁の身寄りがなくなった子みたい。

うちは公爵家だからお金はあるけど、こんか可愛い娘がいるのに信じられない。

お父様馬鹿なのかしら?

冗談はあの怖い顔だけにしてほしいわ!

とにかく、来たらすぐに追い出してやるわ。



なんだこれ。

7歳の子がこんな時考えるなんて

女って怖ぇ〜な。


あ〜、なるほど、通りで。

素直に謝った時の反応がああなるのか。

根性がダメなんだろうな。可愛い顔してんのに残念だな。

こんだけ美少女が大人になったら、アレだな。

隣のねぇちゃんが言ってた、逆ハーでも作れそうだな笑笑。

まぁ、やっぱ中身よくなきゃ俺としては無理だな!

夢だからどうでもいい話だけどな!




なんか眠たくなったし、起きたら夢でしたってやつかな。


俺はベッドにダイブして、そのまま深い眠りについた。





鳥のさえずり、眩しい光、豪華なシャンデリア....豪華なシャンデリア??


ガバッと起き上がると、いつの間にかひらひらした白いドレスを着ている。

白く小さい手、すべすべの顔。サラサラの長い髪。

鏡の前に立つと、黒髪に濃い紫の瞳の美少女!


「夢じゃねぇ......」


夢じゃなきゃなんだ?


思い出せ俺!!思い出せ!!



俺は....そう、夏休みにチャリで高橋んちに行こうとしたんだ!借りてた漫画と、最新のゲームしようと出かけて。

それで?それから?えと....途中で....

途中でトラックとぶつかって....


「べた〜!べたな異世界トリップなのか!?

せめて、せめて王道のチートになって、魔法使い放題とか?魔王倒して世界平和とかさぁー。

こんな美少女で何ができるってんだよ!!?

意味わかんねぇし。」


鏡の前の美少女は、憂いても美少女だった。


「ははは。アレか?隣のネェちゃんが言ってた系の?逆ハーがなんとかとか?まさかな。とりあえず、どうする俺。....世界1の美女でも目指す?なんちゃって。あはは。」


俺は涙目になりながら鏡に向かって笑った。



しばらくすると、ドアをノックする音が聞こえた。


「お嬢様!おはようございます。し、失礼します。

今日のお召し物をお持ちしました。」


深々と頭を下げて部屋に入るメイド。


「アリサ。」


「はい!ア、アリサでございます。」


めっちゃビクビクしてる。子供相手なのに。

日記のアリサか。


「なんか、今までごめんね。これからは、迷惑かけないようにするから。」


「え??あ、はい、あ、いえ。」


慌てながらテキパキと着替えさせ、髪を整えてくれた。


鏡の前の美少女はやっぱり美少女で。

これからどうすんだよ。俺。







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