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SCENE 8『いらない思い出は、くずかご行き』

 本当の意味で初めて人を殺してから、気が付けば数週間が経っていた。

 私――チーサの逃亡生活はまだ続いている。

 少しずつ膨らみ始めたお腹を気にしながら、出来るだけ人を避けて、今日も終着点のない旅を続けている。

 安住の地を求めて。


「――腹立つくらいに、見つかんないけどね」


 他の客と一緒に馬車に揺られながら、ポツリと呟く。

 今の私は、かつて住んでいた村とも、忌まわしき王都からも離れるような方角を進んでいた。とりあえず目指すは海である。


 私は、海の向こうにある国に移住しようと考えていた。もうこの国には、愛想が尽きてしまったのだから。

 この馬車に乗るまでの数週間に色々なことがあった。性的な意味で身体を売ること以外に色々なことをした。


 ――人の形をした虫けらを殺したことも。


 そうやって食べるものや寝る場所を確保して、自分の存在がバレないようにと生きて、この国のどこかにある安住の地を探しているうちに――もう疲れてしまったのだ。


 この国には、まともなじゃない人が多すぎる。

 焼けた村を去ってから、様々な人と出会った。善人も悪人も、子供も大人も、赤ん坊も老人も。


 そして、まともな人と狂ってるような人も。


 私は、何度か狂ってるような人と出会った。言語が同じで言葉が通じて、会話が成立しているのに、理解できないような存在。価値観の違う何か。

 倫理観がズレている人たちが、自分たちよりも弱い立場の人間に何をしてきたのか。


 そして、彼らを通じてわかったのだ。もうこの国はおしまいで、私みたいな人間の居場所は減ってしまった。救いの手はどこにもない。あるのは、弱者を食い物にする何者かだけなのだと。


 思い出す。


 少し前に目撃した加害者と被害者の顔を。言葉通りに食い散らかされ、食べかすのようになった弱者たちの、虚ろになって、死体のような瞳を――。


 ――今でも夢に見るくらいに。


 とにかく、もう私は見たくないものを見すぎてしまった。ま

だ残っていた国への愛着が潰れるくらいに。

 今はもう、別の何かを見ていたい。

 そのために、海を渡るのを決めたのだった。


「――っと」


 ガコン、と馬車が揺れる。車輪が段差に引っかかったのか、小石でも噛んだのか。ちょっとだけビックリした。


 ビックリしたら、腹が減ってきた。


 今更ながら、自分が空腹だったことに気付く。嫌なことばかり思い出してしまうのは、きっと胃の中が空っぽで、腹の虫が内側から噛みついてくるほど飢えていたからに違いない。


 荷物の中から準備しておいた昼食を取り出して、周囲の目を気にしながら、頬張る。


 何も混ぜ込んでないプレーンなパンだ。味は可も無ければ不可も無く。ようするに、普通の味がした。


 強いて言えば血の臭いがする。


 そういえば、このパンはクズ村人たちを殺した後に、適当な民家から盗んだ代物だったような。道理で血の臭いがするはずだ。あの人殺しどもの手に、血の臭いが沁み込んでいないはずがない。そう考えてみると、普通の味だったはずのパンが、死ぬほど不味いもののように思えてきた。


 まぁ、それでも食うけど。

 もう私だけの命ではないのだから、と下腹部を優しく撫でながら思う。


「なぁ、聞いたか?」


 ふと、誰かの囀りが耳に入ってきた。

 囁くような噂話。馬車の同席者たちが、知り合いたちと数々の噂を時間潰しに消費していく。


「たしか、北の方だったか……山奥の村が、突然燃えたって話知ってるか?」

「ああ、聞いたぜ。村人も皆殺しだったとかよ」

「ありゃ、とんでもない力を持つ魔法使いでないと不可能だぜ。証拠隠滅とばかりに、そこら辺一帯丸焼きだったんだから」

「村人の死体、潰されて、バラバラになってたらしいぜ」

「そういや、聞いたか。その村から少し離れた先で、お尋ね者の奴隷商人、死体で発見されたんだとよ」

「たしか、子供を売りさばいていたってヤツか。最近、指名手配が解除されたって聞いたが」

「そいつよ、そいつ。他の商品と一緒にぶっ殺されてたんだとよ」

「股間のナニが潰れてたらしい」

「ナニって、何さ?」

「×××だよ、恥ずかしいこと言わせんな」

「焼けた村の近くってことは、同一犯か?」

「ああ、きっとそうに違いねぇ」

「男も女も関係なく、赤ん坊も老人も関係なく、みんなぶっ殺されてたって点も共通してるそうだ」

「色々と調べたところ、単独犯だそうだ」

「単独でそれだけの殺人を?」

「そりゃ、とんでもねぇ狂人の犯行だぜ」

「王都の殺人鬼みてぇだな」

「なんだよ、王都のって」

「知らねぇのか? ここ最近の話だけどよ、なんでも、あっちでは貴族を狙った連続殺人鬼が出たってもっぱらの噂だぜ」

「最近は市民にも被害が出たらしいぞ」

「お、俺、被害者の死体見たことある……あれはおっかねぇよ……老人も子供も関係なく、拷問にかけて殺されてた……それにあの死に顔……人間がするものじゃねぇ」

「まったく、最近は物騒になってきたモンだぜ」


 色々と好き勝手しゃべりまくる人々。

 私は、噂話に熱中している人たちを横目に見ながら、目蓋を閉じて狸寝入りする。ある程度腹も満たせたので、本当に眠ってしまいそうだけれど、フリはフリだ。


 起きていて、噂話の渦に巻き込まれ、ボロが出ては元も子もない。眠ったフリで知らんぷりするのである。


 それはそれとして、馬車の同乗者に対して、軽い挨拶はしたけれども自己紹介はしたことなかったな。とりあえず、声には出さないけど、心の声で自己紹介しておこう。

 今、狂人の犯行がどうのと言ってた人に対して。


 どうも、私が、ここ最近たくさん人を殺しまくった狂人でございます。


 ――なんちゃって。






 気が付く頃には、私は夢に見るほど人を殺していた。

 厳密に言えば、人間という形をした生き物を殺したといった方が正しいかもしれない。差別と暴力に馴染みきった、言葉を使う虫けらたち。そういったものを殺した。


 罪悪感は、あると言えばある。


 私が人を殺したと罪悪感を抱くのは、人間のような害虫を殺すまでの過程で、本当の意味での人間を何人か死に追いやったことにある。


 救えなかった。助けられなかった。死なせてしまった。


 百人ほどの害虫を殺すことが出来ても、たった数人の人間を救えなかった事実が、胸に痛みを幻想させる。人を殺した罪の重さ、を感じるような気がする。気がするだけ。


 なのに、今でも夢に見る。

 ――現在進行形で、今観測している記憶のように。


「やぁ、旅人さんかい?」


 逃亡生活の数日目。

 ちょうど良い切り株を見つけたので腰掛けて、軽く昼食と水分補給を済ませたばかりのところで、通りすがりの誰かが話しかけてきた。


 若い男だった。


 先日殺した優男に似ているかもしれない。ああ、そうか、そうだったのか。あれは優男だったのか。あの時は暗くてよく見えなかったらしい。


 ともかく、目の前にいる男も優男と言っても良い雰囲気を滲ませていた。柔らかい声をしている。優しい目をしている。善人のように微笑んでいる。


 男は、旅人らしい装いをしていた。大きめの鞄を担ぎ、深めの帽子を被り、頑丈そうな靴を履いている。靴には乾いた土がこびり付いていた。どうやらここまで徒歩で来たらしい。


「やぁ、まいっちゃったよ。本当は、人里で馬車を借りようと思ってたんだけど、騎手が全員使い物にならなくなってね。自力で馬に乗ることも出来ないし、ここまで歩く羽目になってしまったよ。いやぁ、困った話だねぇ。ははは」


 男は、ほとんど一方的に話しかける。まるで独り言を呟いているみたいだ。独り言と違う点があるとすれば、誰かに聞いて欲しがっているような雰囲気だけ。


 ますます、先日殺した優男に似ているような気がする。なんでだろう。わからないや。


 なんとなく、私は彼の言葉に耳を傾ける。

 本当なら、すぐにこの場を立ち去ってしまった方が良いとわかってるけど、ほら、今のところ無害だし。

 ――ところで、気のせいかな。彼の上着から、ほんの少しだけ血の臭いが漂ってくるのは。


「――本当に困った話だよ、まったく」


 男が、深い息を吐いた。

 その瞬間だけ、彼の顔面が形作っていた笑みが、皮膚を凍らせて無理矢理作っていたもののように感じさせられた。取り繕うような、自分自身を押さえ込もうとするような、演技のような微笑み。


 そこでふと気が付く。

 先ほど感じた血の臭いが、やっぱり気のせいじゃないと言うことに。男の着ている服――胸ポケットの膨らみから、塩と鉄の混じった錆のような臭いがする。

 私と同じ、人殺しの臭いがする。


「ところで、旅人さんはひょっとして……いや、詮索はしないでおくよ。されたくないだろうって思うからね。ははは。安心して良いよ。僕が探しているのは、君のような人じゃない」


 しかも、私の素性がバレていたようだ。

 殺しておくべきか、と逡巡するが、男の方が何か言いたそうなので聞き手に回る。


 野蛮極まりないけど思考だけど、いざとなったら殺せば良いだけの話だったし、どうとにでもなると思っていたから。


 ――結局のところ、男の話を聞いているうちに、最後には見逃してしまったのだけれども。


「殺気を納めてくれてありがとう。助かったよ。ここで死んだら、僕の復讐がここでおしまいになってしまうところだった」

「うん、復讐。僕は復讐するために旅をしているんだ」

「昔の話だけれど、僕には愛していた女の子がいてね。片思いだったけれど、彼女には幸せになってほしいと思うくらいに好きだったんだ」

「でも、彼女は幸せになれなかった」

「旅人さんならわかるんじゃないかな? 男が女の子を食い物にして、快楽の奴隷にするか、はたまたぼろ切れになるまで食い尽くして、しゃぶり尽くして、生ゴミになってしまうまで磨り潰してしまう。そんなよくある話」

「彼女の場合は、後者だった」

「僕が最後に見た彼女は、バラバラにされて犬の餌にされているところだったよ」

「酷いものだったさ。犬に噛まれながら死体を回収した時も、彼女の両親が泣き叫んでいた時も、事件性があるのに碌に調べてくれなかった役人たちも、彼女の死に様を映像として、売り飛ばしやがった貴族たちも」

「さて、そんな理不尽を経験した男の子が、しばらく時間を得て、人生を再スタートさせようと思った矢先にだよ? 彼女を殺した人間が、私は一度も悪いことをしたことがありませんって顔で、僕の前に姿を現したとする。そんな瞬間が訪れたら、どうすると思う?」

「僕は殺してしまったよ」

「本当に殺してしまったんだ。正直な話、今でも自分が信じられないよ。それまで復讐で人を殺すだなんて駄目だ、って抵抗感があったのにね。簡単に殺せちゃったんだ」

「だって悪びれてなかったんだもの。彼女を死に追いやったことを、すっかり忘れててさ。次の犯行はどうしようかなんてことを知り合いらしき連中と話してたんだ。そんなの見せられたら、ね。殺した方が良いって思うだろう?」

「そんなこんなで一人殺したところで、僕は知ってしまったんだ。彼女を死に追いやった連中は、他にももっといっぱいいるんだってことに。単独犯じゃなくて、組織的な犯罪なんだと。拷問中に吐いたんだよ」

「だから僕は復讐の旅をしている」

「彼女を殺した連中を、全員殺すためにね」


 そこで区切るように、男が沈黙する。

 やがてこれまでの自分の言動を自覚したのか。


「ああ、すまないね。こんな独り言みたいなことを一方的に語ってしまって」


 と恥ずかしそうに謝罪してきた。

 私の方はといえば、「いえいえ」と曖昧な笑みを浮かべて、とりあえず空気を濁すばかり。

 一方的に話をさせられて、どうしろと思う気持ちもあったり無かったり。


 でも、なんとなく、男が私に話しかけて、独り言みたいに語りかけてきた理由がわかったような気がした。

 男は、自分と似たような経験をした人――今回の場合はたまたま出会った私だった――に、話をしたかったのだ。


 同情して欲しかったのかもしれない。

 なんとなくではあるけれども。


「これはお礼ですよ。お腹が空いたらと思って買ってきたのは良いんですけど、最近はあまり食欲がなくてね。なので、差し上げます。湿気らせたり腐らせるのも勿体ないですからね。食べ物は粗末にしちゃいけませんし」


 最後に男は、私に焼き菓子の入った袋を差し出してきた。とりあえず受け取る。念のために鑑定魔法で毒の有無を確認。大丈夫のようだ。お詫びの品として素直に受け取っておく。

 それから男は、王都に向かうんです、と話した。そこには復讐相手がいっぱいいるらしい。

 大変ですね、と半分本気で同情する。


「でも、やりたいんですよね」


 同情する私に対して、男はにっこり笑うことで答えた。それはどう見ても、正気を保っているような微笑みだった。


 それから男は私に別れの言葉を投げかけると、背中を向けて、王都の方角に向けて歩き出していった。しっかりと前を向いて、未来へと進むように。


 本当なら、その背中に刃物を突き立てた方が良かったのかもしれない。私の素性に気が付いたのだから。殺した方がリスクが減るんじゃないかと思う。

 でも、そういったリスクを踏まえた上で見逃そうという気になったのは、私が見たかったからかもしれない。


 ――この男が復讐を完璧に成し遂げる、なんて物語のようなことが実現することを。


「ではこれにて。あなたも復讐するなら、早いうちに、徹底的にやった方が良いですよ。死んだ人は帰ってきませんが、少しは気持ちが楽になりますからね。ははは。それではさようなら。お元気で。どうか、あなたたちの人生に幸あれ! さようなら、さようならぁ!」


 男は、去り際にそんな言葉を残していった。

 気が付くと、男の姿は遠くへと消えていて、私の手の中に焼き菓子の袋だけが残された。


 封を開けて、一枚取り出して囓る。

 胸のどこかが沁みるくらいに甘くて、口の中で転がしているうちに、ほろほろと砂のように溶けていく。

 ――まるで、優しかった夢みたいに。






 そこで一つの記憶が終わり、別の記憶に切り替わる。

 延々と違う悪夢を見せられているみたいだった。誰がどうしてこんなことをするのだろうか。この記憶を所持している私自身だろうか。それとも、私を産みだした何者かだろうか。


 どうでもいい。


 もし仮に犯人がいたとしても、流れ続ける悪夢を止めようがないし、強制的に眠りから覚めるのも癪だ。


 そして何よりも。

 この記憶は、私の行動が生み出したのだから。


 舞台は、森の中。

 とある悪夢は、私が一つの馬車を襲い、搭乗者である男たちを殺したところから始まる。


「……ああ、くそっ、くそったれ」


 悪夢の中で、血塗れの男が毒づいている。

 その男は、手足が一通り潰れていた。吐息は荒く、息を吸おうとする苦しそうだ。大量に出血したせいで、虫の息と化している。


 周囲を見渡してみると、彼と似たような風貌の男たちが屍となって転がっている。手足がもげていた。首が曲がってはいけない方向に折れていた。近くに止まっていた馬車を真っ赤に染めていた。地面に小雨が降った後のような血だまりを作っていた。炭のようになっていた。蛙の死体みたいに痙攣していた。股間が潰れた痛みで死んでいた。死体だらけだった。


 私が彼らをこうした。

 ほとんどを殺した。

 私の癪に障るようなことをしていたのだから。


「くそったれ……俺たちが何をしたっていうんだよ、くそっ」


 最後の生き残りは、私のことを親の仇でも見るような目で睨み付けてくる。鋭くて殺意のこもった視線だ。普通なら怖じ気付いてしまうかもしれない。

 私は、あんまり怖いとは感じないけれども。


「なんでだよ、くそっ、くそっ……」


 男が痛みを堪えながら、吐き捨てる。

 まるで自分自身に降りかかった不条理に怒っているみたいだ。神様にでも怒っているのだろうか。

 ――ただの奴隷商人のくせに。


「――」


 男の声を一旦シャットアウトして、耳を澄ませて集中すると、馬車の方から呼吸音らしきものが聞こえてくる。


 それは子供の呼吸だった。


 死にかけの子供が、苦痛から少しでも楽になりたくて、酸素を求めて必死に息をしているような、そんな呼吸音だった。

 ――この馬車は、子供を奴隷として収納していた。


「……」


 以前から噂には聞いていた。

 口減らしとして売り飛ばされた子供を商品として扱う、奴隷商人が存在していると。


 彼らはかつて違法なことをしているとして犯罪者扱いされていたが、最近になって業績を認められ、大手を振って奴隷を扱うようになったのだと。


 最初、この奴隷商人たちと出会った時は、どうする気も無かった。

 ただの商人にしか見えなかったし、仮に奴隷商人だったら面倒なことになると。


 だからすれ違うだけで終わろうとして、お互いに別の道へと行こうとしたところで。

 馬車の中から、助けて、って声が聞こえた気がした。子供の声だった気がする。あれは誰が言ったのだろう。もうわからない。もう知る術はない。

 馬車の中で、誰かが誰かを殴った音が聞こえてから、もう何も聞こえなくなっていた。


 そして気が付くと、私は奴隷商人たちを皆殺しにしていた。

 ――どうしてだろうね。


「ぐ、うぅっ……く、くくくっ、ははは……」


 痛みに耐えていた男が、何の脈絡も無く笑い始めた。風が吹けば消し飛んでしまいそうなほど力の無い、けれどもハッキリと嘲笑うような笑い声が響く。


 誰を嘲笑っているのだろう。私だろうか。死に損ないの自分自身にか。それともそれ以外の誰かにだろうか。

 どこの、何に?


「なるほど。そういうことか。ははは。お前さんがアレってことか。ようやく目の前に現れたか、はは、ははは……」


 男の目が、私を見つめる。

 開きかけた瞳孔には何も映っていない。その視線は私を通り越して、どこか遠くを見据えているように思えた。


 私は確認のために振り返ってみる。誰もいない。あるのは血だまりに沈んだ死体だけだ。あと肉塊に群がる虫たちが精々といったところ。生きているものは、ほとんどいなかった。じゃあ、こいつは何を見ているんだ?

 その答えはすぐにわかった。


「――神様」


 この男は、私の姿に神様を見いだしている。

 ようするに、もうこの男は死にかけで、とっくに正気ではなかったのだ。


「神様……ああ、神様……ようやく俺たちを裁きに来たんだな。人を食い物にしか出来ない、俺を、俺たちを、産まれてきちゃ駄目だった俺を、やっと、やっと殺しに来てくれたんだな!」


 正気でない人間が、正気でない言葉を続けていく。それはかつて耳にした罪の告白と同じように聞こえた。


 この時点で出来の悪い喜劇みたいだ。ひょっとしたら不条理劇だったのかもしれない。奴隷商人が、自分の罪を多少は自覚していて、神様の裁きを待っていただなんて。

 どんな――気持ち悪い冗談だ。


「待っていたさ。待ちわびていたんだ。あんたら神様がやってくるのを。ずっとずっと待ってたんだ。俺たちが間違えた時から、いつか裁かれる時が来る。きっと、来る。いつか来るって馬鹿にしながらも、信じ続けていたんだ……けふっ……遅いけど、やっと来てくれた」


 男は、世迷い言を口にする。

 本当に何を言ってるんだろう。神様とやらに裁かれるのを待っていたって? それを待っていたって? 何を言ってるんだ。私には理解できない。


「やっぱりだ、やっぱり悪いことをしたら神様が裁いてくれるんだ! 思った通りだ! やっと証明できたんだ! ははは! ざまあみろ、悪人ども! テメェらは終わりだ! 俺と同じようなクズは神様が裁いてくれるんだ! ざまあみろ、はははは、あはははは」


 わけがわからない。

 なんだこいつは。彼の頭の中では文脈が繋がっているんだろうけれど、私からはさっぱりだ。全然わからない。さっぱりだ。

 辛うじてわかるのは、この世は因果応報で動くべきだと、ちょっとだけ同情できそうな思想くらいなもので。


「そうだ、そうだよ! 生きてちゃいけなかったんだよ! 産まれちゃ駄目だったんだよ、俺みたいなのは! 貧しいところからガキを買い叩いて、奴隷として売り飛ばして、犯して、気が向いたら殺して、そういうのに人生の喜びを感じるヤツってのはよぉ! 生まれる前に天罰でも下って、母ちゃんの腹の中で死んでれば良かったんだ! 死ぬのが遅いんだよなぁ、俺ってヤツはよぉ、ははははは」


 でも、理解できそうになかった。


 男は狂っていた。

 自分自身を蔑んでいる。罪として自覚しているものを告白している。そしてそれを裁かない神を嘲笑している。


 なんだろう、この男は。

 頭がおかしいんじゃないのか。


 男が浮かべている表情は、奇妙な形に歪んでいる。無理矢理例えるなら、満面の笑みと、身を焦がすような憎悪が同居している、だろうか。上手く説明できない。


 私にはわからない。

 どうしてだろう。なぜ、私はこの男の口を永遠に閉ざしてしまわずに、雑音のように放出されている言葉に耳を傾けているんだろうか。とっとと殺してしまえば良いのに。


 そんな私とは関係ないような顔をして、男は続けて言葉を吐き出し始める。どこの誰にだろう。

 少し前までどこか遠くを見据えていた目は、気が付けば半分ほど濁りかけている。もう何も見えていないのかもしれない。自分自身はもちろんのこと、目の前にいる私のことも。


 それでも彼はどこかに向かって語りかけている。

 ――神様のいそうな方角に。


「なぁ神様よぉ、あんたの世界の作り方、おかしいんじゃねぇかい? どうして俺みてぇなクズが産まれるようにしたんだ? あんたならもっと完璧に出来たんじゃねぇのか? 罪を犯す人間が誰もいない、幸福しかない完璧な世界ってヤツをよぉ」

「なのになんだい、この世、腐ってるじゃねぇか。俺みたいなクズに限って生き残ってしまうようになってやがる。生きた方が良い、弱っちいヤツばっかりに食われて死んじまいやがる。因果応報じゃねぇのかよ。不公平すぎるってモンだぜ」


 ふと、男の言葉に同感する。

 何もしてないのに奪われたのなら、それ以上に奪い返す権利は誰にだって与えられているはずだ。

 悪いことをして何かを手に入れた人は、それ以上の悪いことで奪い返されるべきはずなのだ。


 目には目を、歯には歯を。


 そういったルールが、私たちを獣や動物ではなくて人間にさせていたはずだったのだ。

 なのに、そのルールが通じない。

 ――世界はおかしくなってしまった。


「はは、ははは。弱肉強食ってヤツか。まったく神様の価値観ってヤツを知ってみたいもんだぜ。一体、どういう脳みそしてたら、こんな滅茶苦茶な世界を組み立てられるのやら。俺にはさっぱりわかんねぇや……ははは」

「わかんねぇんだよ!」


 その時、男が大きな声で吐き捨てた。

 私にはそれが、神への呪詛のように聞こえた。

 そして。


「なぁ、教えてくれよぉ、神様ぁ。クズとして産まれた俺は、どうすりゃ良かったんだ? どうやったら普通の人生ってのを歩むことが出来たんだ? 俺は馬鹿だからわかんなかった。わかんなかったんだよ」


 そして、男は問いかける。

 もう終わってしまった話のことを。


「わかんねぇから、気持ち良いことばっかりしてきたんだ。奴隷商人として生きる道を選んだんだ。転職だと思うくらいにな。でも、それで本当に良かったのかって、まったく考えないほど馬鹿な頭じゃなかったんだぜ。なぁ、神様よぉ」


 重ねて、問いかける。


「なぁ、教えてくれ。どうすれば良かった? どうすれば俺はこうならずに済んだんだ? どうすれば俺は誰かに殺されずに天寿を全う出来るようになれるんだ? なぁ、教えてくれ。教えてくれよぉ、神様よぉ」


 もう一度、問いかけて――。


「今でも取り返しがつくんなら、どんなことだってやるから……どれだけ苦しくても、人生やり直すから……だから、頼む……頼むよぉ……本当に、お願いなんだ……神様」


 ――そのまま虚勢が崩れ落ちた。

 形を保っていた外装が剥がれる。閉じていた傷跡が開くように、脆くて粉々に砕けた本性が剥き出しになる。


「あ、あ、あああ……い、いやだぁ、死にたくない。死にたくねぇよぉ……なんで、俺、死ぬんだ? 死んじまうんだ? 奴隷商人なんてやってたからか? だから死ぬのかよ……くそっ、くそっ……ちくしょう」


 男の目は、完全に濁りきっていた。どんな色も、光も、認識していない。眼窩にガラス玉を埋め込んだ方がマシなくらいに死んでいる。生きているのは言葉だけだった。

 命乞いのような遺言だけだった。


「なんで俺は……あの時、奴隷商人になるって決めちまったんだ? どうして、こんな風に死ぬって想像できなかったんだ? 未来さえ知ってれば、殺されずに済んだかもしれないのに、どうして……どうして、なんだ」


 けれども、それもすぐに終わる。

 蝋燭の火のように。


「あああ……失敗した……俺の人生、失敗しちまった! い、いいい嫌だぁ! 死んじまう! 怖いのに死んじまうよぉ! ちくしょう……なるんじゃなかった、クズになんか、奴隷商人になんかなるんじゃなかった! 死んじゃうなら、産まれてくるんじゃなかった! 生きなきゃ良かったんだ! なかったんだよっ!」

「あ、あああああ……し、死ぬのか? い、嫌だ、やだやだやだぁ! し、死にたくないっ……俺はまだ、幸せに、なってない! なって、な――……」


 そこまで言ったところで、男は力尽きた。

 もう動かない。口は半開きのまま固まってしまった。かつて手足が存在していた箇所の傷口からは、新しい血が外側に流れてくることもない。


 念のため、頭を潰しておいた。頭蓋骨が砕け散って、脳漿が周囲に散らばった。首無しの肉塊がビクビクと痙攣している。やっぱり死んでいた。私がトドメを刺したようなものだけれども。


 私は深く息を吸う。

 噎せ返るような血の臭いがする。というか、本当に噎せてしまった。錆と塩が混じっているようで気持ち悪い。その場で咳き込む。


「……」


 咳き込みながら、今死んだ男のことを少しだけ考える。

 奴隷商人の男はクズだった。自分がクズであると、理不尽なことをしていると自覚しているクズだった。


 そして、そんなクズはいつか裁かれるのだと信じたがっていた。どこかにいる神様とやらに。


 結局、私に殺されたのだけれども。


 男にとって、私は神だったのだろうか。自分を裁いてくれる都合の良いシステムに見えたのだろうか。もうわかることはない。私がトドメを刺したのだから。


「……」


 深く息を吸って、吐き出す。

 とても疲れたような気がしていた。慣れないことをしたみたいで、落ち着かない。これで何度目かになる殺人なのだから、そろそろ慣れていても良いはずなのに。

 クズどもを殺したのだから、少しはスッキリした気分になっても良いはずなのに。


「――しまった」


 そこで今更ながらに思い出す。

 商品として馬車に納められている奴隷のことを。


「しまった、しまった」


 奴隷商人をぶっ殺すことに夢中になりすぎて、彼らをどうするべきかまったく考えていなかったのである。

 どうしよう、と頭を抱えたくなってきた。本当にどうしよう。どうしたものだろうか。


 もちろん見捨てるのは無しで。

 絶対に。


 となると、どこかの村にまで奴隷たちを連れて行って、誰かに保護して貰うべきだろうか。それが良いような気がする。でも、移動手段はどうすれば良いだろう。

 そういえば、奴隷商人たちは馬車に乗ってきた。ということは、馬をどうにかすれば、なんとかなるかも――。

 ――と思っていたけど、周囲を見渡してみれば、巻き添えを食らった馬が死んでいた。


「私ってホント馬鹿」


 馬と鹿だけに。

 なんて上手いこと言ったつもりで、全然上手くないことで誤魔化そうとしながら、私は少しだけ途方に暮れた。

 どうしたものかなぁ、と空を仰ぎ見る。幸いなことに晴れている。雲一つ無くて良い天気だ。

 これなら私と同じように、徒歩での移動も出来るのではと思った。元気じゃない人がいたら、元気な人に助けて貰うことにしよう。

 これで決まり。現実逃避終了。


「うん、それで行こう」


 私は馬車の中へと入っていく。

 奴隷たちを解放して、どうしたいかを聞こう。帰りたいのならサポートしてあげよう。ここにいるのは、かつての私みたいな人たちだろうから。エゴだってわかってるけど、何かをしたくて。助けたくて。


 これで私は、過去の自分を少しだけ救えるんじゃないかと、救った気になれるんじゃないかと。そう思っていた。

 思っていたんだ。


 結論から先に言えば、私は奴隷を解放できた。

 ――彼らは、もう終わっていたのに。


「――」


 そして、私は奴隷たちを見て言葉を失った。

 対して、奴隷たちは私を見て言葉を放った。

 まるで神様に捧げる祈りみたいに。


「殺してください」


 私が対峙している奴隷たち。

 彼らは一人残らず、死にかけの家畜と化していた。


「殺してください」


 少年の奴隷がいた。

 全裸のまま芋虫のように床の上に転がっていて、激しい強姦を受けた形跡があった。性器が破壊されていて、辛うじて男性だったことが確認できた。

 近寄ってみると、奇妙な臭いが漂ってきた。少年の体臭かと思ったが、違うらしい。昔嗅いだことがある気がする。


 思い出した。どこぞで開発されていたと聞く、性転換用の薬だ。違法薬物の講習で模倣されたものを嗅いだことがある。副作用として心臓に強い負担がかかり、命に関わるということで、研究が凍結したと聞いたはずなのに。


 よく見ると、少年の身体は女のものに変わりつつあった。筋肉と骨が軋む音が聞こえてくる。表情が苦痛の色に滲んでいることから、身体中に激痛が走っているはずだ。死にたくなるほど痛いと聞いたことがある。


 それに耳を澄ませてみるとわかる。いつ心臓が止まってもおかしくないくらいに、弱々しく震えていた。

 ――彼はもう助からない。


「殺してください」

「殺してください」


 双子の奴隷がいた。

 両方とも少女と言える性別と外見で、二人とも寄り添い合って座り込んでいた。やはり強姦の形跡がある。それもほんの少し前まで行われていたような状態だった。


 二人の眼窩には、全て義眼が埋め込まれていた。なるほど。客の好みに合わせて、好きな色の義眼に変えることが出来る、というコンセプトの商品らしい。


 彼女たちの身体に、それ以上の問題らしいものはなかった。肉体は生きている。ただ心だけが死んでいた。


「殺してください」


 キメラのような奴隷がいた。

 交配によって遺伝したものではない。人の手で無理矢理組み合わされたような生物だ。


 誰だろう。豚と人間を掛け合わせようと発想して、それを実行に移した人間は。

 声帯も豚が発するものに近付けようとした人間は。


「殺してください」


 エルフの奴隷がいた。


「殺してください」


 獣人の奴隷がいた。


「殺してください」


 妖精の奴隷がいた。


「殺してください」


 魔族の奴隷がいた。


「殺してください」


 とにもかくにも奴隷がいた。

 奴隷たちは、私に向かって次々と口を開いた。舌を抜かれたり、喉を潰された者たちは、血で文字を書いて訴えてきた。もうとっくに死んでいる者は、何も伝えてこなかった。


 一人だけ「私のことを家族に伝えてください」と言っていた奴隷がいた。私はそれに肯いて一通り聞くと、安心したように笑みを浮かべてそのまま死んでしまった。


 あとに残ったのは、死ぬことを願った者たちだけ。


 殺してください、と奴隷たちはもう一度言った。

 壊れたような笑みを浮かべながら、まるで自分を救ってくれる神様でも見つけてしまったみたいに。


「――」


 私は、何も言えなかった。

 奴隷たちは、もう笑うことしか出来なかった。

 これからの人生を潰され、彼らは何者にもなれない生き物になってしまった。家畜のように生きるしかない。死んだ方がマシな生き方しか出来ないようにされてしまった。


 もう戻らない。


 どこの誰だろうか。かつて人間だった彼らを、奴隷にして、家畜みたいにした誰かは。踏みにじった誰かは。

 そしてそれ以上に、家畜に堕ちたら元に戻ることは出来ないように世界を作り上げた存在は。いるのなら、名乗り出て欲しい。


 いたら殺してやる、と思う。

 どこまで行っても、例え神様とやらでも。


 ――私が彼らにしてあげられるのは、たった一つしか残されていなかったのだから。


「――殺してください」


 そして、私は奴隷たちを殺した。

 懇願されたから殺した。願いだったから殺した。祝福だったから殺した。救済だったから殺した。それが幸福だったから殺した。殺すしかなかった。殺してしまった。殺したくなんて無かったのに。どうして私が殺さなくちゃいけなかったんだろう。


 なぜか、手が汚れた気がした。

 クズを殺した時とは比べものにならないくらいに、深いところで汚れてしまった。骨の随まで血の臭いが沁み込んでしまった。そんな気がする。


 どうしてそう思うんだろう。

 答えはすぐにわかった。


 何の罪もない人を殺したような気がしているからだ。かつて罠にかけられて、冤罪を着せられて、徹底的に嬲られた私みたいに。

 私は、かつての私を救えない。

 今、私の手は、世界で一番汚いような気がした。


 ――それから、なんやかんやあって今に至る。


 なんやかんやは、なんやかんやだ。

 紆余曲折あった。

 話すことや語ることがあるとすれば、それで充分。それ以上は何も説明したくない。


 強いて言うならば、気持ち悪いものを見ただけ。

 ある奴隷の最後の願いを叶えようと、ちょっとした寄り道をしただけ。


 村に立ち寄って、あの奴隷のことを家族らしき人に――色々と誤魔化しつつ――話して、それで何もかもおしまい。その後は逃亡生活の再開をしようと思っていただけ。


 言い訳になるけれど、本当に寄り道のつもりだった。

 ――だったのに。


「――ちっ、あいつ、高値で売られる前に死にやがったのか」


 奴隷の親だった人間が、そんなことを言うから。


「そうじゃ、そうじゃ……あの罰当たりものめ……せっかく、売り飛ばせるまで育ててやった恩も忘れおって……これではなんのために生かしてやったのかわからんわい」


 奴隷の祖父らしき人間が、そんなことを言うから。


「これでわしらの生活も、少し楽になれると思っておったんじゃがのぉ……それなら、私らの性処理用に飼ってた方が良かったわい」


 村長らしき人間が、そんなことを言うから。


「それよりよぉ、この女捕まえた方が良いんじゃねぇの? 顔は火傷で気持ち悪いけど、身体はエロそうだからなぁ。ひひひっ、良いと思わねぇか?」


 村の誰かが、そんなことを言うから。


「そうだそうだ、やっちまおうぜ」

「ガキ産ませて売り飛ばそう」

「家畜の性処理用に」

「最近、私の母乳の出が悪くなってきたんでねぇ、ちょうどよかった」

「奴隷商人はいつ来るんだっけ?」

「いやぁ、結果的にこんな良い身体の女を呼んできてくれるなんて、あのガキも売り飛ばされたことで、ようやく俺たちの役に立ったってことだな。良い流れだ」


 村人全員が、そんなことを言い出したから。

 どうしてなんだろう。どうして死んだのが、奴隷の彼らだったんだろう。彼らよりも、もっと死んだ方が良かった人間がいっぱいいるはずなのだ。


 私が殺した奴隷たちの方こそ、生きていた方が良かった人間だったはずなのに。どうしてだろう。どうして世の中って、こういう風に動いているんだろう。私はこの世界のことがちっともわからないよ。


「――ほら、大人しく捕まるんだぞ」


 村人の誰かが、私に向かって手を伸ばそうとしてきた。

 私を捕まえて何かをするために。もう死んでしまった奴隷たちと同じようなことをするために。

 これから先も彼らは、かつての私みたいな誰かをいっぱい作り出して生きていくのだ。いつまでも。

 だから――。


「――」


 ――気が付けば、村人全員を皆殺しにしていた。

 覚えている魔法を使えるだけ使って、殴って、蹴って、潰して、バラバラにして、最後には全てを焼き捨てた。


 それで話はおしまい。

 彼らを殺したことで、私に何か変わったことがあるとすれば、一つ確信を得たと言うことだけ。


 細かいことはともかく、クズどもをぶっ殺すのは、ちょっとだけ気持ちよかったってことだ。

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