4-11
是非読んで行ってください。
今日は、リズに街の人たちを紹介して貰う予定だ。
俺は、街を離れることが多かったから面識がない。
新しく住民になった人の素性は、紙にまとめられていたので一応は把握している。
そう言えば、あの日以降ここに来る人が増えた。
最も多いのは、街を観察している人だ。
まぁ、俺の理想があるって言ったからな。
次に多いのは、ヤンキーの様な人だ。
荒らしや冷やかしをしに来ている。
街の雰囲気が悪くなるので警備隊を巡回させ、
すぐに対応出来るようにしている。
最後は、新たに仲間になりたいと言う人だ。
さっきもまた来ていた。
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つい先ほど
「ゴブチョウさん、こちらの方たちが新たに仲間に加わりたいそうですよ。」
「案内ありがとうございます。キララ殿。しかし、どうしてこんなに傷だらけなんですか?」
「今回も同じですよ。私とキアラに舐めたこと言って来たので反省させただけです。本当、男ってしょうもないですね。」
「そ、そうですね。それより、どうでしたか?」
「大したことはないですね。」
キララがそう言うと、ボロボロの男たちは何か言いそうになったがすぐに言うのを諦めた。
「しかし、名前を頂き、訓練に参加すれば多少はマシになるでしょう。」
「分かりました。とりあえず、警備隊で色々聞いた後、スペルビア殿かヤイト殿に相談してみます。」
「それでは、後は任せますね。私は仕事に戻ります。」
キララはそう言うと、門の方に歩いて行った。
ゴブチョウは、警備隊の本部に男たちを連れて行き、調書を取った。
その後、リオン邸に調書を届けた。
男たちはここ最近、国を訪れた者たちと同じ訓練に参加することになった。
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現時点で新人訓練に参加しているのは、牛頭2人、ダークエルフ3人、人間1人だ。
牛頭の2人には地下を守って貰う予定だ。
残りの4人には、調書を見た感じ警備隊に入って貰う予定だ。
訓練に参加している人間は、どうにも転移者らしい。
これについては、訓練終了後に聞こうと思っている。
そんなこんなで部屋にリズがやって来た。
「リオンくーん、街を案内する時間が来たよ。」
「おう!随分と早かったな。こいつらも連れて行くけどいいよな?」
「別に構わないよ。どこから行こうかなぁ。」
あそことあそこは絶対に外せないしなぁ。
などと言いながら、リズはこれからのことを考えていた。
「それじゃあ、早速案内を頼む。どこから行くんだ?」
「まずは、工業区に行くよ。鬼刀たちが働いてる所だね。しゅっぱーつ!!」
リオンたち4人は工業区に向かった。
ベーテの街並みは4分割され、綺麗に整備されている。
居住区、学区、商業区、そして現在向かっている工業区だ。
今後、国民が増えた場合は果樹園としていた"オークランド"と軍事施設としていた"ドラゴランド"を整地して行く予定だ。
「リオンくん着いたよ。まずは、この工房の親方と顔合わせね。」
「そう言えば、売られていたドワーフを救ったんだったな。」
「よく覚えてたね。名前も覚えてるかな?」
「当然。ザラン・ザランさんだったろ?」
「おーーー。さすがリオンくん。親方は凄いんだよ?鬼刀と鬼鎧の作った武器や鎧より質がいい物を作ったんだよ。」
「へぇ、朱李たちの刀は結構良い物だと思ってたんだけどな。」
「それがね、朱李くんたちの武器は魔力やら何やらを浴びて、その人固有の武器になってるらしいんだよ。」
「全員、肌身離さず持ってるしな。それに結構戦闘してるからな。」
「そうそう。それでね、2人は負けたのが悔しかったらしくてね、たくさん努力したんだって。そしてね、あと少しで同じステージに立てるようになるらしいよ。」
「是非とも頑張って欲しいな。」
「それじゃあ、呼んでくるから少し待ってて。」
リズはそう言うと工房に入った。
リズが親方を呼ぶ声が金属を打つ音に紛れて漏れ聞こえる。
「よお、兄ちゃんがリオンか。助けて貰ったこと感謝しておる。」
「初めまして、ザランさん。指導して貰ってるそうで、ありがとうございます。」
「なーに、ワシがしたいことをしているだけだから気にするな。」
「そうですか。何か要望があれば言ってください。出来る限りのことをしますので。」
「何とも礼儀正しいな。」
「目上の人は、敬うように教育されましたので。敵になったら関係ありませんけどね。」
「ガハハハ、そりゃそうだ。何か作って欲しい物があったら言ってくれ。ワシは仕事に戻る。」
「はい。時間を取って頂きありがとうございました。」
ザランは、片手をフラフラと振りながら工房に戻った。
「次の場所にしゅっぱーーーつ!!」
リズが元気一杯にそう言って、次に向かった。
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「リズ殿、ここは、」
「正解!ヤイトくん。あ、今はヤイトちゃんになったのか。そう、ここは蜘蛛人となった皆が働いている工房だよ。」
「蜘蛛人?」
「はい、リオン様。私が魔界で進化をした際に仲間達も進化したようです。」
「へぇ、どんな風になったのか楽しみだな。」
「じゃあ、連れてくるね。」
リズは再び走って行った。
暫くすると、女性2人と男性2人が出てきた。
「あ、ヤイト!久しぶりね!私たちも進化したのよ?どう?」
「皆、綺麗になったね。私、女になっちゃった。」
「あんまり変わってないよ?昔から綺麗な感じだったし。ちょっと胸が大きくなっただけよ。男が良かったの?」
「ううん、そんなことないけど。」
リオンは、ヤイトが砕けて話しているのに驚き固まっていた。
そのことに気付いたヤイトは、慌てて謝った。
「申し訳ありません、リオン様。」
「いや、驚いただけだよ。普段から今のように話していいぞ?疲れるだろ?」
「いえ、大丈夫です。執事として、このような態度を取るわけにはいきません。」
「そうか?俺は素の方が好きだぞ?」
「え!?」
「え!?」
「え!?」
リズ、ヤイト、スペルビアの3人が同時に驚きの声を上げた。
「ん?俺が言うのも何だが、人は素でいるのが1番だ。作っていると、本音を話そうとしても話しにくくなるし、疲れるからな。」
「なるほど、そういうことですか。リオン様がそう仰るなら、執務室の中でだけは砕けた口調で居ようと思います。」
「それでしたら、私もそうしようかと思います。」
「スペルビアは、これまで通りで頼む。その方が変態っぽいだろ?」
「くっ!さすがリオン様。私を虐めるのが上手いですね。」
スペルビアは、頬を赤く染めながらそう言った。
「はぁ、相変わらずだな。それより、ヤクモ。この洋服、着心地最高だ。ありがとな。」
「良かったです。鬼飾姐さんにも伝えておきますね。何か要望があれば仰ってください。今の私たちなら、どんな服でも作れますから。」
「帰ったら服のデザインを描いて、ここに持ってくるよ。」
「まぁ!それは楽しみですね。」
「腕がなりますね。」
「糸の出し甲斐があるな。」
「リオン様の描いてくださる服のデザインは素晴らしいからな。」
四者四様の反応で喜んでいた。
「よーし!それじゃ次に行こうかな。皆、ありがとね。」
リズはそう言って4人に手を振って歩き出した。
リオンたちもそれに習って礼をして出発した。
「次はどこに行くんだ?」
「商業区に行くよ。リオンくんが行くって伝えたら、みんな大騒ぎで商業会館で待つって言ってたよ。」
「商業会館か。」
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工業区と商業区にはそれぞれ集会場がある。
それを工業会館、商業会館としている。
集会場以外の用途として、
商業会館では、新しいモノを作った際の登録、売値についてを決めている。
工業会館では、製作依頼の受付、工房の紹介をしている。
「ふぁぁぁ、相変わらず大きいね。」
「そりゃあ各区の象徴としてもいいように建てたからな。だが、なんか変わったか?」
リオンは街づくりをやった日を思い出していた。
「さすが旦那。お目が高い。」
中から数人が出てきた。
その中の1人がそう言った。
猫の獣人のマニィ。
彼女は、すごく小柄で片手で抱えられるほどだ。
狸の獣人のセンタ。
彼は、すごく小柄でお腹をポンポン叩いている。
馬の獣人のドリィ。
彼は、背が高くムキムキとしており何でも引いて来れそうだ。
最後に、キース・バルドラン。
彼は、お腹がぽっこりと出ているが、服と髪はビシッと決めている。
この4人は、それぞれ違う街で売られていた。
獣人たちは、どうやら客寄せの為に売られそうになったらしい。
キースは、盗賊に襲われて無一文となり奴隷商の元に連れて行かれたらしい。
「初めまして、リオンです。4人は商売が得意らしいですね。特にキースさん。」
「いえいえ、そんなことはありません。偶然、自分の売り物を必要とする人と沢山出会っただけですよ。」
「それじゃあ、再び偶然を起こして下さいね。何かあれば仰ってください。」
「この国は、素晴らしいですよ。旦那の知識とそれを具現化できる技術者。この世の財界を牛耳ってやりますわ。」
キースはそう言うと、デシシシシシと笑った。
「期待してますね。マニィさんとセンタさんとドリィさんも頑張って下さいね。」
『はい!ありがとうございます!』
3人は、揃ってそう言った。
「うんうん、それじゃあ次に行こっか。時は金なりだもんね。」
リズはそう言うと、4人に手を振り次に向かい始めた。
「次は学区か?」
「正解!助けた子供たちが勉強してるから見に行こうと思って。」
「授業参観だな。」
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これまで少なくない数の人を解放した。
半数程は、故郷や家族の元に戻った。
しかし、残りの半数は街に残ってくれた。
その中で最も多いのが子供だった。
親に売られた子供、自分以外が死んでいる子供、家族から逃げている途中で奴隷商に捕まった子供などだ。
帰る場所を幼くして無くした子供が大勢いる。
リオン(ひなた)はその報告を見た際、自分の親を、家族を恨む気持ちが再燃した。
リオン(ひなた)は、子供を育てることの大変さは理解しているつもりだ。
しかし、だからと言って売ったり、命令をするのは違うだろうと思っている。
「今は、屋外での授業みたいね。」
リオンたちの視線の先では、子供たちが走り回っていた。
「元気に過ごしてるみたいで安心したよ。馴染めてない子も居るかもって思ってたから。」
「大丈夫だよ。私が見てる感じだと、みんな勉強を楽しんでやってるし仲もいいよ。」
「リズはよく来るのか?」
「週1回くらいかな?ルウさんに魔法を教えて貰ったように、私も教えたいなって思ってね。」
「なるほどな。俺が提案した教材は大丈夫そうか?」
「うん。大丈夫っぽい。教師として来る人は、毎回驚いてるらしいよ。」
リベレイトの学校教師は、現在ほとんど固定していない。
と言うのも、人手が足りないからだ。
商人、鍛治師、兵士で空いている人が教えに来ている。
固定しているのは学校長と数名の先生だけだ。
学校長は、樹霊人のトレイルに任せてある。
屋外授業を父のフォンに、魔法授業を母のルウに任せてある。
この世界の歴史、地理の授業をサンタ・ストラインに任せてある。
サンタは、盗賊に囚われ襲われる寸前でスペルビアが助けたらしい。
スペルビアが助ける姿は、あまり想像出来ないが。
それ以降、サンタはスペルビアに惚れているらしい。
「リオン様、ようこそいらっしゃいました。」
「久しぶりだな、トレイル。何か小さくなったか?」
「はい。リオン様が修行に行かれて暫く経った時に突然と。しかし、魔力は増えましたし、以前よりも強化されました。」
「たしかに、トレイル殿の魔力量は凄いですね。量だけで言うと、黄蓮と同じくらいです。」
「へぇ、それは良かった。のか?まあ、もしも何者かが学校を襲った時は頼むよ。」
「お任せください、子供たちは絶対に守り抜きます。」
そろそろ次の目的地に向かおうとしていると、物凄い足音と共に1人の女性が現れた。
「スペルビア様、いらしてたんですね。どうして私に声を掛けて下さらなかったんですか?はっ!もう!照れ屋さんですね。ほら、いらして、私に案内させて下さい。」
「いえ、私はリオン様の付き添いですので。」
「はぁ、、、、仕事熱心なスペルビア様も素敵ですぅ。」
スペルビアはサンタに終始押されていた。
変態執事がこんなにも圧倒されているのを見るのが初めてのリオンは驚き固まっていた。
「あなたは、サンタ・ストラインさんですよね?初めまして、リオンです。」
「あっ、挨拶が遅くなってすいません。サンタです。」
「スペルビアは今、俺の護衛も兼ねて居るんです。その後でしたらお貸ししますよ?」
スペルビアは、頬をピクッと動かしたが殆ど反応を表に出さなかった。
こういう点は、さすが万能執事である。
「本当ですか!!是非お願いします!!」
「ということだ。スペルビア、この後は彼女に付き合っていいよ。」
「かしこまりました。」
スペルビアは、素直に頷いた。
「それじゃあ、早いとこ次の所に行こうか。案内よろしく、リズ。」
「はいはーい!それじゃあ、トレイルくんとサンタさんは、またね。」
2人に手を振り去った。
「次はどこに行くんだ?」
「うーん、正直もうないんだよね。」
「ん?そうなのか?」
「リオンくんと直接関わる可能性がある人はもう会ったんだよ。モリ先生にも会ったし。」
「そうなのか。なら、軍の訓練所に行こうか。」
アドバイス、感想お待ちしております。
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ベーテ
リベレイトの首都。
学区、居住区、工業区、商業区に分かれている。
オークランド
オーク軍の元拠点。果樹園だった土地。
ドラゴランド
リザードマン軍の元拠点。軍事施設だった土地。
ザラン・ザラン
ドワーフの男性。刀、鎧を作る。
鬼刀、鬼鎧たちを指導してくれている。
ヤクモ、ヤメイ、ヤソック、ヤドック
元アラクネ。ヤイトの進化の際に蜘蛛人に進化。
ヤクモ、ヤメイは女性。ヤソック、ヤドックは男性。
全員、綺麗な見た目をしている。
戦闘となれば十分戦えるが、服飾系の仕事をしている。
マニィ
猫の獣人。片手に乗るほど小柄。女。
元奴隷。
センタ
狸の獣人。片腕で抱えれるほどの大きさ。男。
お腹をポンポン鳴らすのがクセ。
元奴隷。
ドリィ
馬の獣人。背が高くムキムキ。何でも引けそう。
元奴隷。
キース・バルドラン
人間の商人。お腹がぽっこりしている。スーツ姿で髪をビシッと決めている。
マニィ、センタ、ドリィを教育中。
元奴隷。男。
トレイル
元トレント。リオンの進化で樹霊人になった。男。
学校長。魔力が多い。
サンタ・ストライン
人間の教師。歴史と地理を教えている。美人。
スペルビアに惚れている。




