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4-10

是非読んで行ってください。


リオンたちは、地下に来ていた。

以前来た時から数日しか経っていないが様相が変化していた。


「おーい、シュートいるか?」

「どうしたんだ?そんな大勢で。」

「ちょっと頼みがあってな。今からトウヤと軽く戦ってくれないか?」

「俺がか?別に構わんぞ?」

「さすがシュート。話が早くて助かる。


シュートは軽くジャンプをし始めた。


「それと女性陣から1人、サクヤと戦ってくれないか?」

「それでは、ワタクシが相手をして差し上げますわ。」


妖狐のクウコがそう言って前に出た。

クウコか。行けるのか?

感じる魔力量的には十分なんだけどな。


「怪我しないように頑張れよ。」


リオンはクウコにそう告げた。

クウコは、嬉しそうに尻尾を揺らした。


「まずは、シュートとトウヤの模擬戦からやろうか。準備はいいか?」


リオンの問いかけに2人はそれぞれ頷いた。


「それじゃあ、始めてくれ。」


リオンのその言葉と共に、シュートが動いた。

相変わらず移動速度がおかしい。

一瞬でトウヤの目の前に移動すると、頭部目掛けて蹴りを放った。

トウヤはその蹴りを剣で流そうとしたが、うまく流せずに吹き飛ばされた。

トウヤが飛ばされた先は、衝撃で砂煙が舞っていた。

しかし、次の瞬間にはシュートに斬りかかっていた。

シュートは、その剣を腕の刃で受け止めた。


「なかなかやるな。簡単に吹き飛んだから死んだかと思って焦ったぞ。」

「すいません。予想以上の攻撃の重さに対応できませんでした。しかし、これからは違いますよ。」

「そうか。楽しみだな。」


シュートとトウヤは笑みを浮かべていた。

シュートは、初動よりも遥かに速い動きでトウヤの周りを飛び回り蹴りを放っていた。

トウヤは、その蹴りを上手く流しているようだった。

シュートの踏み込みの音が凄まじく、1回1回が大地を割っているようだった。


「そろそろ模擬戦も終わりにするか。」

「そうですね。お互い得意な技を放って終わりにしませんか?」

「いいな。面白い。」

「それでは、行きます。」


2人は同時に動いた。

シュートは、高く飛び上がり何回転もした踵落としを放った。

トウヤは、背中を丸めた状態から一気に剣を抜き、シュートに放った。

2人の技がぶつかった瞬間、とてつもない衝撃が地下5階を襲った。

その衝撃で、木々は騒めき砂埃が大きく舞った。

それが晴れると、2人はそこそこの傷を負っていた。


「はーい、2人ともここまでな。軽くって言ったのに、何でそんな怪我するかね。」

「途中から楽しくなったんだからしょうがねぇだろ。」

「はぁ。シュートは大丈夫そうだな。トウヤは大丈夫か?」

「はい、多少怪我をしましたが実にいい経験をしました。」

「そう言えば、なんでトウヤは怪我したんだ?食らわないんじゃなかったのか?」

「何で知らねぇんだよ。物理攻撃が効かない奴にはな、魔力と気を練り合わせた攻撃をすればいいんだよ。スコル様から教わっただろ?これ。」


シュートの体を薄い膜が覆った。


「ああ!それなら出来るぞ。」


それを見てリオンも同じことをして見せた。


「やっぱ教わってるじゃねぇか。これを使えばどんな奴とも戦えんだよ。聞いてねぇのか?」

「あぁ、使い方だけ教わったな。」

「はぁ、スコル様らしいっちゃらしいな。で、俺たちはこれを使った闘い方を"天狗武闘法"って言ってんだ。」

「"天狗武闘法"か。てか、最後の技の威力はやばかったな、2人とも。」

「あぁ、俺の右脚にほとんど全ての力を集めたからな。」

「俺も、同じようなモノです。」

「トウヤは、居合でもやってたのか?」

「いえ、永年戦った中で身に付けた技です。あの構えが最も威力、速度共に最強なんです。」

「なるほどな。"勇者流抜刀術"ってことか。」

「へぇ、なんかそれかっこいいですね。」


リオンが適当に言ったことが意外とハマったらしい。

シュートが羨ましそうに見ていた。


「なぁリオン、俺のはなんか無いのか?」

「いや、シュートのは"天狗武闘法"なんだろ?」

「オリジナルの方がカッコいいだろ?」

「そうか?別に名前なんてイメージしやすいものなら何でもいいだろ。」

「何も思いつかないのか?」

「大体、ただの踵落としだろ。名前なんていらねぇだろ。魔法ならまだ引き(トリガー)となる言葉を決めておくことで発動が楽になるから分かるんだが。」

「何言ってんだよ、リオン。名前あった方がかっこいいだろ。」

「いや、うーん、でもそうだな。前世の武術の技にも名前が付いてたな。」

「ほらな。何かないのか?」

「"天狗武闘法・黒雷堕とし"」


リオンは、シュートの攻撃の速度と音から、落雷を想像して名前をつけた。


「いいな、それ。」

「単純な奴だな。」


リオンがシュートに呆れているとスペルビアが話しかけてきた。


「リオン様、私も"天狗武闘法"と同じことが出来るのですが、私たち悪魔は"魔闘法"と呼んでおります。」


そう言ってスペルビアを薄い膜が覆った。


「ふーん、これの正式名称って何なんだろうな。何かいいのないか?」

「やっぱ、"天狗武闘法"だろ。」

「いえ、"魔闘法"でしょう。」

「あ?何言ってんだ?」

「ふふふ、そちらこそ何を言っているんですか?」


シュートとスペルビアが今にも殴り合いを始めようとしている時にクウコが口を開き、争いが止まった。


「ワタクシはこの力を仙力、この力を使った闘い方を仙法と呼んでいますわ。」

「へぇ、いいなそれ。何となくしっくり来るな。これからはこの力を仙力、この力を使った闘い方を仙法としようか。」


それを聞いたシュートとスペルビアは、渋々という感じで納得した。


「スペルビア、仙力の練り方と使い方を皆に教えるのどう思う?」

「そうですね。実際、必要な力だと思いますよ。」

「だよな。なぁ、皆に教えてやってくれないか?」

「既に使える者で分担すればすぐに終わるでしょうし、構いませんよ。」


スペルビアがそう言うと、シュートとクウコも頷いた。


「よーし、それじゃあ地下2階に行くか。」

「リオン様、ワタクシはここで大丈夫ですわ。」

「いや、どうせ俺たちは上から出るんだ。それに、これ以上この階を荒らすのは申し訳ないからな。」

「そう言うことなら、上に行きましょう。」

「サクヤはそれでいいか?」

「私はどこでもいいよ。」


すぐに全員で、地下2階まで登った。


「よっしゃあ!早速やろうぜ!」

「何て野蛮な方なの。もっと落ち着いた方が殿方にモテるわよ?」

「あ?別にこのままでも男に困ってねぇんだよ。」

「よっぽどモノズキと出会えているようね。運がいいのね。」

「よし、決めた。あんたをボコボコにしてやるよ。」

「嫌よ。そんなの美しくないわ。」

「だまれ!このクソアマ!!」


サクヤとクウコの模擬戦は、リオンの合図より先に始まった。


「女って怖いな。」

「ええ、自分の妹ながら怖いです。」

「いや、俺は可愛いと思いますけどね。」


一同はそう言ったヤマトを一斉に見た。

スペルビアはニヤニヤと悪魔的な笑顔を浮かべた。


「ヤマト殿はサクヤ殿のことが好きなんですか?なるほど、だから先ほどは焦っていたのですね。」

「は?何を言っているんですか?俺が、俺は、いや、普通に可愛いって言っただけですよ。」


そんな様子のヤマトを見て、全員が

あぁ、ガチだ。と心の中で思った。

皆がそんなことを考えている間も、2人の模擬戦は続いている。


「あんた、なかなかやるな。こんなにも私の剣を避け続ける奴は初めてだ。」

「貴女の剣筋も鋭くて驚いたわ。でも、貴女には負けませんわ。」

「へぇ、じゃあ私のとっておきを受けてみな。」

「いつでもどうぞ。ワタクシは逃げも隠れもしませんわ。」

「はっ!後悔すんなよ!【崩壊(アポトーシス)】」


極光がクウコを包み込んだ。

暫くたっても光は消えず、クウコの姿を確認することは出来なかった。


「なかなか強力な魔法ですわね。無傷とは行きませんでしたわ。」


そう言ったクウコの右手が火傷をしていた。


「おいおい、被害はそれだけかよ。進化して威力が上がったのに、それってことは勝てそうにないか。」

「全力で無いとは言え、ワタクシに怪我をさせたのは誇って下って結構よ。」


クウコは、狸鏡(りきょう)白蛇(はくび)雷鳥(らいと)を解放しており尻尾は6本だった。


「いつか、あんたを越えやるよ。」

「よーし、2人とも大丈夫か?」

「ええ、ワタクシは大丈夫ですわ。既に回復も済みましたわ。」


そう言ったクウコの右手は元通りの綺麗な手になっていた。


「ああ、私も大丈夫だ。」

「そうか。それじゃあ、これから飯にするか。全員分、俺が出すから好きなものを食っていいぞ。」


そう言うと、地下にいる全ての生き物が喜んだ。

リオンは、全員分と言ったことに気付き後悔したが、時すでに遅かった。


アドバイス、感想お待ちしております。


ーーーーーーーーーー


仙力:魔力と気を練り合わせたもの。


仙法:仙力を使った闘い方。


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