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是非読んで行ってください。


勇者トウヤたちが、知り合いの元を回る前に話す機会を設けた。

というのも、リオンは転移者たちについて何も知らないからだ。

トウヤたちは、遥か昔に転移してきたらしいが未だに10代後半から20代前半の見た目をしている。

それが聞きたくて、機会を設けた。

そしてついに、その日が来た。


「リオン様、勇者トウヤたちがいらっしゃいました。」


ヤイトが執務室のドアから入ってくるなりそう言った。


「第1応接室か?」

「はい、あの部屋に案内しております。」

「懐かしいだろうな。待たせるのも悪いし、行くか。」


リオンはヤイトとスペルビアを伴い第1応接室に行った。

そこでは懐かしそうに5人が座っていた。

5人はリオンが部屋に入ってきた事にも気付かなかった。


「どうだ?懐かしいだろ。」

「あっ、リオンさん。すごく懐かしいですね。俺、この部屋に住みたいですよ。」

「今度、和室のある家を建てるように言っとくよ。」

「ありがとうございます。最高です。」


トウヤは凄く喜んだ。

他の4人も、トウヤ程ではないが喜んでいるようだった。


「それでリオンさん、話しがあるって聞いたんですけど。」

「俺さ、転移者や人間についてあんまり知らないって気付いたんだよ。だから、教えてくれないか?」

「ああ!たしかに。知らないですよね。俺たちに分かることなら答えるんで、何でも聞いて下さい。」

「そうか。ありがとう。」


何でも聞いていいのか。

何から聞くかな。

とりあえずまずは、


「転移者ってどこまで縛られるんだ?」

「転移者は、こちらの世界の人が使用した魔法により、無作為に召喚された者です。拘束力は、召喚主もしくは召喚主から権利を譲渡された者の魔力操作の腕に左右します。」

「ふーん。召喚は誰にでも出来るのか?」

「誰にでも出来る可能性はあります。しかし、実際に使用するには精霊と契約し、稀人(まれひと)となる必要があります。」


精霊と契約か。

俺には無理だな。

そもそも、無作為に選出している時点で絶対に使わないんだけど。


「転移者は、元の世界に戻れるのか?」

「現状、帰還方法は見つかってませんね。」

「なるほど。それじゃあ、稀人(まれひと)って何なんだ?」

「そうですね。魔物は名付けや戦闘経験の蓄積で進化しますよね。それと同じように、人間も進化します。人間の進化は2段階です。1段階目が稀人(まれひと)、2段階目で真人(まひと)となります。」

「どう変わるんだ?」

稀人(まれひと)になると、大きく耐性が上がります。真人(まひと)になると、物理的な攻撃を受けなくなります。2段階とも魔力量が上がり、戦闘力が大幅に上がりますね。」

「物理的な攻撃を受けなくなったら、日常生活に支障が出ないか?」

「その点は、何故だか問題ありませんでした。そちらのスペルビアさんの方が詳しいと思いますよ。」


リオンは、スペルビアに目を向けた。


「何と言えばいいのでしょうか。実体はあるんですが、実体に傷が付かないという感じですかね。基本的に単純な殴る蹴る切るなどの攻撃は効きません。理由としては、魂が存在する位界が異なるからだと考えます。」

「位界が異なるか。つまり、進化すると物質界から非物質界に住んでいることになるってことか?」

「私はそう考えます。」


まぁ、納得出来なくはないな。

リオンは再びトウヤたちに目を向けた。


「トウヤたちは現在なんなんだ?」

「俺とサクヤは真人(まひと)、ヤマト、サキ、アズサの3人は稀人(まれひと)です。」

「そう言えば、朱李の報告書に吸血鬼になったって書いてあったがどうなんだ?」

「リオンさんがフィデスを討った際に真人(まひと)となりました。普通、吸血鬼は自分の親が死ぬと子も死ぬんですが、ラッキーでした。」

「そうだったのか。よく分からんな。後でシュートと軽く試合してくれないか?」

「あのカッコいい人ですよね?別に構いませんよ。」


トウヤは興奮してそう答えた。

まぁシュートの見た目は憧れるよな。

俺も小さい頃は憧れたもんな。

この力があれば家族を倒せるって。


「サンキュー。飯を奢るよ。それで、トウヤたちは結構前に召喚されたんだろ?なんでそんな若いんだ?」

「あっ!忘れてました。稀人(まれひと)になった時点でほとんど老いが止まりました。こっちに来たのが17歳で、稀人(まれひと)になったのが19歳だったので、現在身体年齢は21歳とかだと思います。実年齢はちょっと分かんないですね。あと、俺とサクヤは真人(まひと)になり完全に不老になりました。」


不老か。

残り3人も不老になれたらいいんだけどな。

リオンはそう思いヤマトたち3人を見た。


「リオンさん、そう心配そうな目で見んなって。俺たち3人が老いる速度も落ちてきてるからすぐに真人(まひと)になって、こいつらに追いつくさ。」


そんなリオンの心を見透かしたようにヤマトがそう言った。

見た目は20歳くらいだけど、中身は俺の何倍も生きてるんだもんな。

経験値が違いすぎるな。


「おぅ!頑張れよ。俺たちに出来ることがあるなら言ってくれ。」


リオンはヤマトたち3人にそう言った。


「それでトウヤ続きだけど、勇者とか騎士団長ってなんだ?」

「召喚された人はそれぞれ役職(くらす)を授けられるんです。それは、その人のそれまでの生き方や得意なことなんかで決まるようです。」

「じゃあ、勇者が他にいる可能性もある訳か。」

「そうですね。永いことこちらに居ますが、数回だけ勇者の噂を耳にしました。」

「勇者が何が出来るのか聞いても大丈夫か?」

「勿論です。リオンさんは転生者なんで分かると思うんですが、前世と比べて身体能力や頭の回転が早くなったと感じたことありませんか?」

「たしかに、俺が獣人だったということもあるかもしらんが鼻や耳が良くなったな。最近は同時に複数のことをスムーズに出来るようになったな。」

「そのような能力の底上げをしてくれるのが役職(くらす)ですね。勇者固有だと、運気向上・武器適正・魔法適正・鑑定眼ですかね。」

「武器適正と魔法適正は、色んなモノが使えるってことか?」

「はい。なんでも一騎当千の使い手のように使えます。運気向上は、その名の通り運が良くなります。鑑定眼は、相手の情報を見ることが出来ます。中々にチートですよね。」

「鑑定眼は使えるな。俺も使えたら便利だろうな。」

「リオン様、私が使えるので命じて頂ければ何でも鑑定致します。」


スペルビアが後ろからそう言ってきた。

さすが万能執事だな。


「じゃあ、なんかあったらその都度頼むわ。」


スペルビアは嬉しそうに微笑んでいた。


「トウヤはどんな役職(くらす)が居るか知ってるか?」

「厄介な奴だと、"爆弾魔(ボマー)"、"暗殺者"、"霊媒師"なんかですかね。昔、戦闘した際に苦労しました。」


役職(くらす)が分かりさえすれば、難易度が遥かに下がるな。

尚更、鑑定眼が欲しくなったな。

どうにかスペルビアと作り上げるしかないな。


「名前を聞くだけで大変そうだな。王国にはトウヤたちの他にも転移者はいるのか?」

「俺たちが居た頃は、他には居ませんでした。転移者のほとんどが帝国にいます。帝国は実力主義のため、強力な転移者の召喚主は裕福な暮らしを出来るんですよ。あとは、転移直後に召喚主を殺した者が情報を集めて帝国に行くケースが多いですね。他は小国にポツポツといる感じですね。」

「なるほどな。帝国は大分やばいということが分かった。」


どうにか平和的に目的を達成したいけど、無理だろうな。

同盟国を増やさないとな。

現状、獣王国だけだもんな。

その獣王国も兵力が低下しているしな。


「トウヤ、話を聞かせてくれてありがとな。皆もありがとな。」

「いえいえ、この程度でいいならいつでも呼んでください。」

「なら、また質問が出来たら頼む。それじゃあ、シュートの所に行ってもいいか?」

「はい、大丈夫です。」

「なぁ、ちょっといいか?」


リオンが話を終えシュートの元に出発しようと、

立とうとした時にサクヤが口を開いた。


「ん?どうした?」

「私も誰かと戦いんたいんだけど。」

「いいぞ。シュートの所にクインかクウコかファーラが居るだろうから誰かと戦ってくれ。」

「サンキュー、リオン。話が分かる奴は大好きだぜ。」


そう言って、サクヤはリオンに抱き着いた。

それを見たヤイトとヤマトは、焦った表情をした。


「おい、サクヤ!リオンさんから離れろ。ヤイトさんが怒ってるだろ。」

「ちぇっ、ちょっとしたノリじゃんかよ。」

「いえいえ、私は怒ってませんよ。それより、サクヤ殿はノリで大好きと仰ったのですか?」

「ん?あぁ、悪かったよ。私はもっとガタイのいい奴が好きだからな。ごめんな、ヤイトさん。」

「いえいえ、なんで謝ってらっしゃるのか理解できませんが、私は大丈夫ですよ。」


ヤイトはいつもの落ち着いた表情に戻っていた。


「よし、お前ら落ち着いたか?そろそろ行くぞ。」


リオンたちは地下に向かった。


アドバイス、感想お待ちしております。


ーーーーーーーーーー

人の進化

人→稀人(まれひと)真人(まひと)

魔力量上昇、戦闘能力上昇。


稀人(まれひと):様々な耐性が上昇。

真人(まひと):物理攻撃が効かなくなる。



転移者:役職(くらす)が与えられる。

例→勇者、騎士団長、重戦士、格闘家、魔法使い、爆弾魔(ボマー)、暗殺者、霊媒師


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