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第二の人生でほのぼの生きようとしたら幼馴染が最強になったので自分も強くなろうと思います。  作者: 桜咲 朔夜
第一章 「ステータスというのはだいぶ理不尽」
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二話 「無知」

ユーリのスキル欄やステータスは見て一瞬で「こいつチートだ!」って分かるくらい強かった。

その中でひときわ目立つ項目なかでも


「ユーリお前【剣の勇者】って、めちゃくちゃ凄い奴じゃないか、やったな!」


「え…?」


剣の勇者か…他にも勇者はいるけど世界で見たら七人だしな、ユーリがなるとは流石に予想外だったけど。

っていうかなんでユーリはそんな凄い職業を引けたのにそんな沈んでるんだ?


「どうしたユーリ? せっかく勇者を引き当てたのに全然嬉しそうじゃないな、重荷を感じるのが早すぎるぞ」


「う… まぁそうなんだけど、ファウスは良いの?」


俺? なんで俺の事を気にするんだ?さすがに外見10歳とはいえ中身は17だ、いい歳こいて勇者は辛いな

ユーリも10歳だけど理解力や知識が大人と同じくらいあるから重荷があるのは自分でもわかってそうだ、それでも憧れる職業に付けたのに喜ばないのは意外だな。


「僕が【剣の勇者】なのにファウスは【複製魔法士】でしょ…?ファウス、もし僕と冒険者になるなら剣の方が良いって言ってたから…」


あ~…、そういう


「まぁ確かに剣の方が色々楽で助かるけど魔法士が剣を使っちゃいけないなんてどこにも書いてないから大丈夫だろ」


「それにユーリが勇者なら俺の所まで魔物も来なさそうだしな」


近接戦闘最強が前衛にいるなら俺はあまり出番もなさそうだ、というより何故そんなに俺が基準なんだ?もっと自分の為に喜んで欲しいんだけど。


「ファウス…、自分のスキルしっかり見た?」


「スキルはしっかり見たけどステータスはまだだな」


そういえば俺のステータスっていったい…


職業:【複製魔法士】


名前:ファウス・リゼ

レベル:1


筋力(C-、0)敏捷(C-、0)魔力(D、--)特殊(EX、ーー)




スキル: 【S複製】【B幸運(?)】【?身体強化(?)】【?属性強化(???)】


【C気配察知(弱)】


うん……うん!? 魔力D!?


「はぁ!?魔法士なのに魔力Dってどういう事だ?」


「ファウス、魔法士なのに魔法を殆ど使えないんだよ…?」


それはだいぶきついな…というより()()()()()()()()っていったいどうすればいいんだ?


「コホン…ちょっといいですか?」


「ん?さっきの水晶の…どうした?」


これからの事を色々考えていると、この日ずっと職業を紙に書いていた水晶の女の人が俺らに話しかけてくるが


「ごめんなさい?貴方みたいな人じゃなくて勇者様に話があってね、スキルの内容とかこれからについて司祭様から聞きに行ってもらいたいのよ。」


ユーリか…まぁ殆ど内容が分からないのは確かだしな、にしても結構態度があからさまに変わってるな


「それは俺も行っていいのか? 自分のスキルの内容を知ってるのが多分、司祭様って人しかいなさそうなんでな」


「はい? 無理に決まってるでしょう、司祭様はそんなに暇ではないのよ」


無理か、ならユーリに聞きに行ってもらうのが一番だな。


「なら仕方ないな…ユーリ、俺の分まd…」


「ファウスもいいでしょ? 駄目ならいかないよ」


遮られた。


「いやいやいや、ユーリは行かないと駄目だろ…勇者なんだから魔王とかと戦うのってのもあるし、仲間の事も聞かされるだろ」


「嫌だ、僕が良くてファウスが駄目な理由が分からないもん、それに…」


「それに?」


「単純に気に入らない!言い方が絶対ファウスの事嫌ってるもん!」


こいつ本当に10歳か?いやこの諦めの悪さは年相応だけども…、え?これ大丈夫なのか、女の人も「これだから成り立ては…」とか言ってるし…


「ユーリ、俺はいいから取り合えず自分の事だけでも聞いてこい…勇者になったんだ、我儘だけでは通らなくなるぞ」


「う…、でも」


「でもじゃなくてだな…なら、ついでで俺の事を聞いて後で教えてくれ、それでいいだろ?」


ここまでしないと下がらないユーリを始めてみたが、いやむしろやっと年相応になった感じか? にしても勇者か…なら魔王とかもやっぱりいるんだろうな。


「ーーうん…、分かったよ、じゃあ行ってくる」


「じゃあこちらにどうぞ、手続きとかもあるので後で両親にもお話をさせていただきますね」


聞こえるか分からない程度のため息を吐いた女の人が、水晶があるテントとは別の少し大き目な小屋に入って行く、警備兵も一緒か…司祭がいるから警戒も凄いだろうな。


「さて…俺は俺で出来ることを探すか」


一通りユーリを見送った後自分もその場を後にする。


ーーーーーーーー


それから一人になれそうな場所を探して村から少し離れた森の中に来た。


「さて、今自分に出来そうなのは…」


魔力がほとんど無い理由は異世界人だからか、そもそも才能がないからなのか…まぁ出来ないことを引きずっても意味がないな。


「取り合えず今できるのは…【気配察知】と【身体強化】くらいか…」


正直しょぼい…無いよりはマシ程度だと思うが

と、いうよりそもそも…。


「どうやって使うんだ?」


これである、魔力も知らなければ魔法も知らない一般人はいったいどうすれば…


「身体強化ッ!」


口に出すがやはり何も起こらない…やばい恥ずかしい



「──ハッハッハ!どうした坊主!唱えるだけでは何も起こりはせんぞ、体内の魔力がちっとも動いていないではないか」


「うわっ!?」


い、いつの間に、そんなところにいたんだ?

全く気が付かないうちに木にもたれかかる様にしながら、良い笑顔で警備兵に似た格好の男の人が話しかけてくる


「うん? いや何か難しい顔をした坊主が森に入るのを見かけてな、何をするのかと思い気になったんだが…むしろ何も出来ないとはな」


「まぁ10歳の坊主ですし普通は何もできないでしょう」


何もできなくて悪かったな、こちとら魔法も何もいらない世界だったもんでな。


「いや?逆だ、何故何もできない?そこが気になったのでな」


何?馬鹿にされてるのかこれは?


「煽りにでもきたんですか?俺は魔力が殆ど無いしそもそも出し方も知らない坊主なんでな」


「ハッハッハ!そう怒るな、別に煽りに来たわけではない」


「そうだな、今出し方を知らないなら動かし方も知らない、逆に知れば理解ができ工夫できるようになるだろう…どうだ? 助言くらいは聞いておいて損はしないだろう」


…まぁ、聞いておくくらいなら損はしないだろうけど、知らないのも事実だし…。


「話半分で聞きますよ」


「ハッハッハ!素直じゃないな! 教えた後にまた態度が変わることを願っておこうか」



こうして人生で初めての魔法講義が始まる…

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