第21話 《白昼夢⑪》期待には出来るだけ真摯に応えてあげるべき。
21話目です。
狩りに出かけるとは言っても神殿に顔を出してからの話である。
ノービスとトリスの二人は第一の成長限界である30レベルに達しており、このままモンスターを倒したとしても経験知的な恩恵を得る事が出来ない為、現状でのモンスターを倒す事の利点は倒して得たドロップアイテムを売り払う事で手に入る金銭だけであろう。
そのため二人揃って神殿で転職しに行く。――というのが街中を練り歩くノービスとトリスの現在の状況である。
余談ではあるが。ノービスが種族の変更ではなく転職を最初に行うことにした理由として、『種族変更に伴うステータスの大幅な変更及び各能力値適正の出現』が挙げられる。
種族変更に伴うステータスの大幅な変更についてはシンプルに言ってしまえば“能力値の振り直し”である。こうして言葉にしてしまえば単純に聞こえるが、次の各能力値適正の出現が関わってくると途端に複雑になってくるのだ。
各能力値適正の出現はその名の通り、レベルアップ時にその種族に応じた特定の能力値を上げる場合、使用したポイント以上に能力値が上昇するという仕組みである。
分かりやすく例を挙げるとするならば、クレハの種族である獣人はSTR(筋力)とAGI(敏捷)に適正が現れる。ここでSTRに10ポイント割り振るとSTRが11上昇するという、簡単に言えば特定のステータスに特定のポイントを割り振ればその分おまけで数値が更に上昇する仕組みになっている。
これはあくまでも分かりやすくした例の一つであり、実際はもっと複雑で迂遠な調整が為されているらしいが、それを抜きにしてもポイントを割り振れば割り振るだけ強化されていくので激変するステータスに適応出来るまでは手を出さない方が良いだろう。
で、だ。
ここまで引き伸ばしてきたがノービスが種族を変更しない最大の理由はただ一つ。
LUKに能力値の補正が現れる種族が一回目は存在しないのだ。
獣人の適正はSTR(筋力)とAGI(敏捷)。
エルフの適正はINT(知識)とMIN(精神)。
ドワーフの適正はCON(体力)とDEX(技術)。
LUKだけ仲間外れである。
という訳でノービスの種族変更チャンスは次回に見送りとなった。無念。
ちなみにトリスは転職は出来ても種族の変更は出来ない。どうやらこの世界で生まれた者はその段階で種族が確定され、それ以降別の種族になる事は原則不可能らしく、例外は異邦人たるプレイヤー達らしい。こうして言ってみるとプレイヤーがこの世界に於いては異物なのだとよく分かる。
という訳で神殿。
「随分大きいのね」
ノービスの目の前に聳え立つ神殿。転職などの各種機能が使えない、ただの建築物オブジェクトとしてならば始まりの街でも同じ様な物は遠目から見た事があったノービスだったが、ここの神殿はかつて見たもの以上だった。
大きさだけで言えばヴェンデル邸とタメを張れるだろうか。……主要都市に存在する最大級の神殿と同等の邸宅を持つヴェンデルに騎士団長の権威をありありと感じ取れるという物だった。
少々気圧されてしまったが、扉を開け中に入ると静謐な空間がノービス達を出迎えた。
左右に立ち並ぶ礼拝堂の様な長椅子が無数に鎮座されており、大きく開いた中央の通路を上部の十字を象ったステンドグラスから伸びる光が淡く照らしている。
神殿の最奥には一段高く作られた祭壇らしき物があり、その祭壇が崇め奉るかの様に、中央の壁面にそれは立て掛けられていた。
それは恐らく巨大な十字架であった。十字架の各所に巻きつく白と黒で着色された茨、中心に埋め込まれた七色の球体など、荘厳な装飾が施されてはいるがそれだけならばまだ十字架と言えただろう。
茨よりも宝玉よりも異質なソレは、天秤であった。
中央から左右に伸びる十字架の一部にぶら下がる様に二つの秤は吊るされていた。まるでそれが自然であるかの様に、左右で色が違う釣天秤は十字架と融合していた。
しかし、まず見た事がないデザインなのに、異質である筈の意匠なのに、ノービスの感じるこれは何なのだろう。
悠久の時を生きる樹海の中を歩く様に、風によって穿たれ形作られた砂漠を眺める様に、美しく壮大な気配。
これを人は“神聖”と呼ぶのだろう。
あぁ、これは、神秘的で驚異的で奇跡的で幻想的で運命的で非日常的で超常的で圧倒的で不可侵的で奇怪な怪異な雄大な霊妙な荘厳な壮大な崇高な――
「ノービス?」
「――ッ!?」
隣から掛けられたトリスの声でノービスは意識を取り戻す。ふと視線を下ろすと、硬く組まれた両手が目に入る。思わずノービスの口元が引き攣った。
(これは……)
明らかに何かがおかしかった。完全にあの十字架を視界に入れてから何かが起きた。
「何でもないわよ、大丈夫。ところで、神殿に入ったはいいけどどこで転職出来るのかしら」
トリスには悪いがここでは視界を下方に固定しておこう。そう考えたノービスは何となく自分のステータスを確認しておく事にした。突拍子も無い行動ではあるが、ノービスは先程の奇妙な現象に不安に思う事があった。
身体にまだ不調が残っているのではないか、ノービスはそう考え――
◇――◇――◇――◇
PN:ノービス
LV:30
職業:放浪者
状態:狂信(自力復活)・狂乱(自力復活)・押し付けがましい神の加護
HP:120/120
MP:120/120
STR:0
CON:0
DEX:0
AGI:0(+20)
INT:0
MIN:0
LUK:680(+100+20+100)
スキル:所有数10
【投擲ⅡLV.5】
【幸運上昇LV.10】
【強運LV.5】
【危険感知LV.5】
【死神の接触LV.5】
【死霊術LV.6】
【鑑定LV.8】
【テイム:――LV.1】
【細剣術LV.6】
【健脚LV.7】
【――――】
【――――】
アビリティ:【白霧の導き】
武器:穿鉄の細剣
上半身:放浪者のシャツ
下半身:放浪者のズボン
装飾:放浪者の外套・刺突の指輪・流星雨のペンダント・黄金色のタリスマン
◇――◇――◇――◇
(こ、れは……)
想像以上の不調――異常に愕然とした。
◇◇◇◇◇
(一旦冷静になろう)
ノービスはそう自分に言い聞かせた。
今ノービスの周囲にはトリスしかいない。それは意識的に【危険感知】を使用しても変わらなかった。
それはノービスの状態異常がプレイヤーによるものではないという事。
であるならば原因は最奥の十字架の様な何か以外に考えられず、前二つの状態異常が恐ろしすぎるが“押し付けがましい神の加護”なるものを授けてくる以上はノービス以外にも前例はある筈だ。
今初めてノービスだけがこの状態になったというのは流石に考えにくい。
だとしたらシェイカーやサカマキならばこの事について何か知っているかもしれず、この件に関しては後でシェイカーに情報を聞き出す事で終了としよう。
先程は咄嗟に口から零れ出てしまったが、ノービスは事前情報としてどこで転職出来るのかは知っている。つくづくトリスには悪い事をしてしまった。
この神殿は上から見ると十字型に建てられているらしく、下方に伸びる通路をノービス達が入ってきた扉と仮定した場合、左方向に伸びる通路の先にあるのが“転職の間”と呼ばれる部屋であるらしい。
ちなみに逆方向にある部屋は“転生の間”、種族の変更が出来る場所なのだそうだ。
ともあれノービスはトリスと共に“転職の間”を目指して歩いていた。
構造上、通路の分岐までは十字架に近づかなければならず、距離が縮まるにつれて額に指を近づけられる様な違和感が増していく。
トリスの方を見ると特に違和感は感じていない様だった。
「……トリスはあの十字架を見て何か感じた?」
神殿の最奥を指差しながらも視界はトリスの方に固定させ、ノービスは尋ねた。
「ん、いや? 何かって何だ?」
「ほら、違和感とか……」
「違和感? あれが普通だろ?」
普通。そうか、普通か。
「どこの神殿にもあれがあるのかしら」
「いや、あれはこの神殿にしかないらしいぞ? 王宮内の神殿にも無いみたいだ。変わった形だけど、まぁこんなもんじゃねぇの?」
なるほど、なるほど、なるほど。トリスは特に謎の状態異常は喰らってはいない様だが、あれの対象者はプレイヤーだけなのだろうか? それとも違和感を少しでも感じた人だけ? これも後でシェイカーに伝えておこう。
ノービス達は分岐路を左に曲がり“転職の間”に辿り着く。
“転職の間”には六角柱に形成された人間大の水晶が一本。と、それに向かい合ったプレイヤーらしき人物が二人。
「やった! ロアちゃん、僕やっと【騎士】になれたよ!」
「お疲れ様、装備とか全然【騎士】っぽくないけどね。本当に【野伏】とかじゃなくてよかったの?」
「うん! ずっと【騎士】になりたかったんだもん!」
「もんって……、まぁパンプキンがそれでいいならいっか。ほら終わったら退かないと、って、あれ?」
背姿と聞こえる会話から男女の二人組だと分かったノービスは水晶前の二人に対して声をかけようとしたが、その前に二人組の女性が振り向きノービスと目を合わせた。
隣の女性の驚いた顔が気になったのか、男性――青年も振り返り、やはりこちらもノービスを見て驚愕を顔に浮かべる。
二人共高校生程の年齢だろうか。青年は黄土色の髪に所々黒のメッシュが入った虎っぽい髪形をしており、女性の方はウェーブとカールがいっぺんに入った綺麗な白髪である。
やがて青年がおずおずとノービスに対して話しかけてきた。
「あの、間違ってたらすいません。……ノービスさんですか?」
誤魔化す必要も無いので肯定する。
「わぁ! やっぱりそうなんだ! 本物!」
「ちょ、本物って……。あの、すいません、この子転職直後に有名人に出会ったせいで舞い上がっちゃって」
「いえ、構いませんよ。有名人らしいって事は聞いてるので」
「あ、あの!」
喜び勇んでいた青年がノービスを呼ぶ。何かと彼の方に向くと青年は目を輝かせながらこう言った。
「自分、南……じゃなかった。パンプキンって言います! ノービスさんはどうやってあそこまで強くなったんですか!?」
「強く?」
はて、自分の事を知っているという事は十中八九サカマキの盗撮を見たのだろうが、言うほど強いと感じさせる様な戦い方をした覚えは無い。
青年――パンプキンには申し訳ないが返答に困る問い掛けである。
「すいません、パンプキンはどうしても倒したいモンスターがいるらしくて、頑張って強くなろうとしてるんです。この子にも真似出来る様な感じだったら出来れば教えてくれませんか? あ、自己紹介遅れましたね、私はババロアって言います」
パンプキンババロア……。
いや、冗談はよそう。パンプキンは端的に言えば自分が真似出来る範囲で手早く強くなりたいという物だが、それならば尚更ノービスが語れる事は無くなってくる。
ノービスの強さの秘密――と言う程でもないが主な戦い方――は八割方【死神の接触】で構成されている訳であるし、【死の接触】と言うスキルを手に入れるまで頑張りましょうというのは恐らく不可能だ。
それに、これはノービスの勝手な想像というか直感ではあるのだが、今後一切プレイヤーが【死の接触】系統のスキルを得る事は無いのではないかと感じている。ノービスの考えではあるがその可能性が全く無いとは言えないだろう。
であるならば、やはりノービスから言える事は唯一つ。
「レベルを上げて物理で殴りましょうか」
「えぇ!?」
正直これしかない。
「そう驚かれても私のやり方は他の人には出来ないだろうし……パンプキンが倒したいモンスターってどんな形?」
「え、あー、えっと……、ロアちゃんこれ言っても良いのかな」
「いいから取り敢えず質問に答えちゃいなさいよ」
パンプキンとババロアは何か相談した後こちらに向き直る。
「えっと、本体は人型です」
……。
……ふむ。
「だったら同じ形のモンスターとの戦闘で限定的なプレイヤースキルを鍛えるしか無いんじゃないかしら。あぁ、この後“天鈴山”の麓でモンスターを狩りに行くのだけれど、そこにはサンドゴーレムって言うモンスターがいるらしいわ。もしかしたらいい練習台になるかもしれないわね」
ノービスの提案に二人は顔を見合わせて頷いた。
そろそろ後ろの水晶を使わせて貰っていいだろうか?
◇◇◇◇◇
“天鈴山”は一つのフィールド内に三つのエリアを内包する自然迷宮と呼ばれるフィールドである。
麓、中腹、頂上の順にモンスターは強くなっていく。推奨レベルとしては、麓がレベル31以上、中腹がレベル36以上、頂上がレベル41以上という形になる。
ノービス達四名は自身の戦闘スタイル等を話し合いながら(トリスがNPCだという事をこっそり教えると二人ともとても驚いていた)麓に辿り着いた。
パンプキンは両手にダガーを持って軽装を身に纏ったローグスタイル、ババロアはブロードソードと円形の盾を装備した典型的なアタッカーで今まで戦って来たそうだ。物理攻撃に偏ってはいるが、王都までの道のりでフィールドボスである鹿を倒してここにいるのだからある程度の実力は持ち合わせているのだろう。
変則的な戦闘しか出来てないノービスとしては羨ましい限りである。
和気藹々と山の麓に辿り着いたノービス一行を出迎えたのは、口元から伸びる牙が肥大化した猪――スタブボアだ。
四人組の先頭を歩くノービスを標的として定めたのか、黒い目を血走らせてノービスに向かって凄まじい速度で突進してきた。
「ノービスさん――」
後ろから慌てた様な声を聞きながらノービスは細剣を抜き払い、バットを扱うかのようにスタブボアに向けてフルスイング。【死神の接触】を乗せた一撃をただの猪が耐えられる筈も無く、スタブボアはノービスの手によって僅か一撃で葬り去られてしまったのだった。
現在修理中の穿鉄の細剣とは違いノービスが現在所持している初心者の細剣はそもそも耐久値が存在しないので多少乱暴に扱っても壊れることは無い。
ドロップアイテムの確認を行いつつ、パンプキン達の方に振り返ったノービスは口を開けたままのパンプキンとババロアに向けて口を開く。
「はい。次あなた達の番ね」
「いやいやいや無理ですって!」
はて、鹿を倒したのならばこれくらいは余裕だと踏んだのだが。
あれか、武器を本来の用途から外れた使い方に忌避感を抱いているのか。
「あぁ、武器を変な使い方するのはいけなかったわね。次は細剣無しでやってみましょうか」
半ば見当違いの推論に納得したノービスは次のスタブボアを体術で(勿論【死神の接触】は併用するが)倒す事にした。
「……そういうこっちゃねぇと思うんだがなぁ」
「何か言った? トリス」
「いや。あ、スタブボア来てるぞ」
トリスの忠告と同時に頭の中に【危険感知】の警鐘が鳴り響く。振り返ると10メートルと離れていない所までスタブボアが突進で接近してきていた。
ノービスもスタブボアに向かって走り即座に距離を詰め、直撃する直前に左前方へと回りながら回避。そのまま回転の勢いを利用して左足を軸として残しコンパスで円を描く様にして右足の回し蹴りを行う。
スタブボアの尻を叩く様に放たれたノービスの技はアルマーダ、カポエイラの最も有名で基本的な蹴り技である。当然ネットで見たものを真似ただけの蹴りなのでまだ粗だらけの付け焼刃だが、【死神の接触】以外の攻撃手段が増えていくのはいい事だ。もし不測の事態でスキルが使えなくなっても何も出来ないまま終わる事にはならないのだから。
まぁ今回は実験的な意味合いが強かったので蹴りにも【死神の接触】は併用するが。しかし蹴りの反動で足がひりひりする。
尻を蹴られ塵となるスタブボアを見送ったノービスはパンプキン達の方に振り返り、言った。
「ね? 簡単でしょう?」
「「……えぇ?」」
トリスを除く二人は呆然とノービスを見ていた。
それからノービス達は流れでパーティー戦の真似事等もやってみたのだが、戦果は芳しくなくノービスがパーティー戦に不向きだと再確認した段階で『基本的に各個撃破で危なそうなら総力戦』といったふわっとした戦法でスタブボアを狩り続けて行くのだった。
時間は飛び、エンカウント率が異様に高いスタブボアをノービスが既に16体葬り去った時の事である。
ちなみに現段階でパンプキンは6体でババロアは5体、トリスは18体といった戦績だが、トリスの場合は【ファルカトラ流剣術】のスピードでスタブボアを瞬く間に豚肉に変えていくので、その分の殲滅速度の差が数値として出た感じだろう。
後はスタブボアが基本的に単体としてしかエンカウントしてこないのでその分冷静に対処できているのもあるだろう。本当なら今回の転職で得た新たな力を使ってその問題を解決して欲しい所ではあるが、転職直後は致し方あるまい。
閑話休題。
ともかくノービスはそれにいち早く気が付いた。
いつの間にか足元に砂利が目立つ様になっている。
「あら? さっきまで土だったのに――」
何時の間に、と言い切る前にノービスは周囲に広がっていた砂に足を絡め取られてしまった。
「ちょ!?」
砂の正体が地面に擬態したサンドゴーレムだったとノービス達が理解するのと同時に蠢く砂は徐々にその姿を人型に変えていく。
最終的に3メートル程の巨人と化したサンドゴーレムは左手にノービスを捕らえたまま右の拳を振りかぶった。
「こ、……んのォ!」
ノービスは相手に攻撃をさせまいと振り子の様に勢いをつけて何とかサンドゴーレムの左手に触れ、【死神の接触】を使用し――
――直接接触時【死神の接触】最終スキル発動確率0%
無駄に終わった。
「――あぁ、あぁ!」
以前ノービスは死の定義について考えたことがあった。
別に哲学的な問題ではない。単純に【死神の接触】の即死効果はどこまでの敵に適応されるのかという事だ。その時は“即死耐性を持っている敵以外”という結論で終わったのだが、今になって思い至る。
無生物は、殺せない。
海の水を殺す事が出来るだろうか? 風の命を奪う事は? 鉄に死を与える事は出来ないし、砂の殺害など不可能だ。
であるならば、【死神の接触】、いや、ノービスの弱点は正に今戦おうとしているゴーレムそのものではなかろうか。
ノービスの額から冷や汗が出ている様な気がした。
◇◇◇◇◇
《天鈴山》
・王都ゴーファイブの周辺で唯一森に侵食されていないフィールド。本文中にある様に麓、中腹、頂上の三つのエリアに分かれており、高度と敵のレベルが比例するので、王都に辿り着いたばかりのプレイヤーでは登頂は難しい。ノービスがいなければ。
・満月の夜、頂上に群生する花が鈴の様な音色を奏でる事からこの山の名前が決められたと言われている。が、最近は満月の夜に“天鈴山”に行こうとする酔狂な観光客もいなくなったので今もなお生えているかは定かではない。
・かつて“天鈴山”は突然活動を休止した活火山だった。原因は今でも分かっていない。
◇◇◇◇◇
次回、周囲のヘイトを一心に浴びる砂利。




