使い魔
暑さにやられて、書くのが遅くなりました。
「あなた達はこれからどうするの?」
母はおもむろにそう尋ねてきた。
「どうするって??」
「グレンとフィーネさんの関係よ。フィーネさんは妖精族。こういう話は嫌だけど、妖精族を欲しがる貴族なんてウヨウヨいるのよ? 無理やり奪ってくる貴族もいるかもしれない。そのときにどうするの?」
グレンは話をきいて驚いた。でも、理解もできてしまった。
「っつ… そうだよね。。フィーはすごくキレイだから欲しがる人がいてもおかしくないよね…」
「そんな…キレイだなんて…」
フィーネは赤く染めた頬に手をやり、身体をくねくねし始める。
「……」
母はそれらを苦笑いで見守るのだった。
「私からの提案なんだけど、フィーネさん
グレンの『使い魔』にならないかしら?」
母はグレンとフィーネを交互に見て告げた。
「使い魔って主従関係をむすぶやつ?」
「まあ、簡単に言えばそんなものよ」
「僕はなんかやだな。。フィーと主従関係になるのは…」
グレンはそう言い、しぶったが
「使い魔は魔法使いにとって、命と同じ。それに手を出した場合、貴族が相手でも防衛が認められるのよ」
「私はグレンといられるなら、使い魔でもなんでいい。 それに主従関係になったとしても、グレンは私と友達でいてくれるでしょ??」
「もちろんだよ!僕はずっとフィーの友達だよ!」
「なら、問題ないじゃない」
フィーネはニコッと笑い、グレンを言いくるめた。
「……」
「グレン、、私があなたの使い魔になるのがそんなに嫌…?」
フィーネは瞳をうるうるさせ、グレンに訴える。
「わかった、わかったから!フィー僕の使い魔になって!」
「うん!」
フィーネは花が咲いたように笑い、グレンはため息をつく。
「でも、どうやって使い魔にするの?」
「簡単よ。お互いに魔力を重ねて、『魔力パス』をつなげるのよ」
「『魔力パス』?」
「そうよ、『魔力パス』っていうのはお互いの魔力を魔力で結ぶことよ。そうすることによって『念話』や『位置確認』などができるようになるのよ。とりあえず、お互いに手を重ねて魔力を同調させてみなさい」
グレンとフィーネは母に言われたとおりにお互いに手を重ね、魔力を放出した。
「っく…」
「ん…」
グレンとフィーネの魔力が絡み合い、ひとつになっていき、お互いに感覚で魔力パスがつながったことがわかった。
「ふぅ…、これでいいのかな?」
「えぇ、上出来よ!」
母は喜びながら答えた。
「これで魔力パスをとおして会話したり、お互いの居場所がわかったりするわ。フィーネさんこれからもグレンをよろしくお願いします」
「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
フィーネ満面の笑みで母に返事をし、それをグレンは見つめ喜ぶのだった。
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