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朝の光景

書くペースを徐々にあげられたらと思います。


朝、まだ日が昇る前から1人の少年が、汗だくで剣の素振りをしていた。

その少年は『ニクナス』では珍しい黒目黒髪であり、目元よりちょっと上まではやした髪の毛に、整った顔立ちをしていた。もう10年もたったら周りの女の子達は彼をほっとかないだろう。


人族と魔族の戦争『人魔大戦』終結から8年年の月日がながれ、グレンは5歳となっていた。

グレンは父親に作ってもらった木刀で、父親から教わった剣の振り方を一生懸命にふっていた。

その素振りはどこがぎこちなく、まだ木刀に振りまわされてるという感じだ。


日が昇り、チラホラと人がでてきて素振りをしているグレンを人々は蔑んだ目で見てくる。


(ちくしょう…。そんなに『色なし』が努力するのが

おかしいか)


グレンは心の中で悪態をつく。

人々の蔑んだ目を受けながら、グレンは剣を振るうのであった。



『ニクナス』では魔法の適正を調べるために、産まれてからすぐに『真実の水晶』と呼ばれる魔道具が使われる。その水晶に触れることによってその人の魔法の適正が色によって、映し出されるという仕組みだ。


例えば火だったら赤色、水だったら青色という感じで人族は基本的に1つの色は出るとされてるが、ごく稀に色がないものが産まれてくることがある。色がない者は魔法の適正がなく、火や水を現象として発動する事ができず、出来ることといったら純粋な魔力を『放出』ことくらいである。


その者たちを人々は『色なし』とよび、魔法を伝えた女神アルエルに選ばれなかった不届き者として差別されたり、時として産まれて『色なし』と分かるやその場で殺す者や、奴隷商へ売り飛ばす者もいる。


その点、グレンは幸運だ。人々からは蔑まわれたりするが、父と母はそんなことせず、ちゃんと愛してくれるから。


(そろそろ朝ごはんの時間だな。家に帰えらないと。)


グレンが素振りをきりあげ、息を整えてる最中のことだった。


「う、っつ‥!」


頭に硬いものがあたり、痛みに涙目になりながらも辺りを見回す。


「おいおい、勇者の息子がこんなのもよけられないのかよ〜」


そこには、グレンより2歳上の子供『ガラン』が小石を片手であそびながら、取り巻きの3人をひきつれて近寄ってきた。


「毎朝毎朝、強くなれないくせによく頑張るな…。よし!優しいおれさまが稽古をつけてやる」


ガランはそう言いだし、とりまきの1人がもってた木刀を他に取り出す。


「けっこうだ。僕は今から帰るところなんだ」


グレンは木刀をもちなおし帰ろうとするが。


「まあまあ、待てって..よ!」


「クッ…!」


ガランはもってた木刀をグレンの頭に振り落とす。


グレンはたまらずもってた木刀で受けとめるが、あまりの衝撃に木刀を落としてしまった。


ガランは魔法の色を赤と緑、つまり火と風の2つの属性をもっており、魔力で身体能力をあげていたのだった。


「おいおい、まだ稽古は始まったばっかりだぞ!」


「ぐっ!、っっがは」


そう言い、ガランはグレンの腹に拳をめり込ませる。

痛みから呼吸ができなくなり、グレンは腹をおさえながら、地面にうずくまった。


「勇者様と聖女様もかわいそうにな〜こんな出来損ないが生まれてしまって…。」


ガランは小馬鹿にするように言ってくる。


グレンは絶対に泣くまいと、絶対に涙は流さないと目を潤ませながらも唇を噛んで耐える。


「こらー!なにしてるのーー!!」


1人の少女がうずくまってるグレンとガランの間にわりこんでくる。


その子の名は『アイラ・アングレイ』

ココ村とその周辺の村をまとめるアングレイ辺境伯の長女。

グレンと同じ日に産まれ、肩まで伸ばした赤い髪に

可愛く整った顔立ちで、ココ村にいる男の子は大抵アイラに惚れている。

ガランも例外ではなくアイラに惚れており、アイラが庇うグレンに嫉妬を感じていた。


「稽古をつけてやってたんだよ。ほら、俺は優しいからな」


「だからって、ここまでしなくていいじゃない!」


アイラは顔を真っ赤にしながら、ガランに怒鳴った


「アイラ、僕は大丈夫だから…」


グレンはアイラを落ち着かせるために目を潤ませながらも笑顔で言った。


「僕、もう帰るね。。」


「え、ちょっ、、グレンまってよ!」


グレンはその場から逃げるように帰った。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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