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羽枦支部署 後編

 UCAは、警察と同じように部が別れており、大きく分けると生活部と異能犯罪対策部がある。

 生活部は、一般社会で働く異能者のサポートなどをしている。生活課。通信課。会計課。などに分かれる。生活部に属する隊員は、怪我をして戦闘が困難になった隊員などが多く属している。

 異能犯罪対策部は、主に戦闘要員で異能犯罪課。警備課。特殊戦闘課。鑑識課。研究開発課。などがある。

新入隊員は一旦ここに配属され、六ヶ月の期間を過ぎると生活部への異動も認められる。

 支部署の場合は本部とは違い、細かく課が分かられていないことが多い。

羽枦署も例外ではなく、生活課と異能犯罪対策課のみに分けられている。





 拳堂がセンサーを抜けるとその先には、生活課と書かれた白い板が天井からぶら下がっていて、一階全てのフロアを生活課が占めていた。

まだ出勤前のためかポツンポツンと人がいるだけだった。


 羽枦署の生活課の主な仕事は、異能者の関わる生活上のトラブルの対応。異能許可証の発行。会計。異能者の相談受付などその他の業務を行っている。


 ふと右を見ると、異能犯罪対策課はこちらという貼り紙が通路に貼られていた。それを順に追い進んでいくと階段に突き当たり、階段の中腹に貼られている案内には[2F 異能犯罪対策課]とあった。


 そして2階へ上がると異能犯罪対策課はこちらという貼り紙があった。

生活課はフロア全域を職場として使用しているが、一方の異能犯罪対策課は生活課と異なりフロアが半分に分けられており、半分ほどのフロアが異能犯罪対策課にあてられている。

残りの半分はなぜか、the fool(フール)というカフェにあてられていた。

※1 羽枦署見取り図


 通路を挟んで異能犯罪対策課の向かいにあるそのカフェは、署内の通路に入口は設けられていなく、非常口があるだけだった。

どうやら羽枦署の裏側にある階段を登った先が、カフェの正規の入口となっているようだ。

 カフェの壁の1mほど上部が茶色のがかったガラス張りになっているためカフェの中の様子は羽枦署内から見ることが出来た。

しかしカフェ内から署内の様子は見ることが出来ないように、マジックミラー仕様となっている。


 そんななか、カフェの中をチラッと覗くと寝癖の酷い髪をしたスーツの後ろ姿が視線に入る。

拳堂はその人物をじっくりと観察するとその人物はいきなり振り返った。

そしてその人物とマジックミラー越しに目が合う。拳堂はその顔に見覚えがあった。その人物は、拳堂が立っているマジックミラーの目の前まで駆け寄ってきた。

そして非常口の方へ行き、非常口を開けて出てくる。


 その人物は、モジャモジャで寝癖が酷い髪。だらしなく生えた髭。そして、薄くクマをつけ、少し垂れた目。そして、UCAの制服である紺色のスーツに胸に隊章をつけている。

その人物は、入隊式で午後から新入隊員の個名を短刀していた火ヶ丸犬尤SS級隊員だった。


「おーおー おつかれちゃん拳堂く~ん」

 眠そうに垂れた目をパッチリと開き、手を振りながら拳堂の方へと駆け寄ってきた。


「お疲れさまです!!」

 拳堂はしっかりと頭を45度に近い角度で下げる。


「俺が羽枦署の署長兼異能犯罪対策課の課長だからよろしくね」

 火ヶ丸はそう言うと軽く敬礼をする。拳堂はそれにこたえ、敬礼を返す。


「はい。よろしくお願いします」


「さあさあ入って、キミのお仲間をご紹介しますよ」

 火ヶ丸は異能犯罪対策室と書かれたドアを開け、拳堂を室内へと招いた。




※1 羽枦署見取り図

1F  階段↓

┏━━━━━ ━━━━━━┓

┃  生活課     ┃

┗━━━┓   ┏━━━━┛

  ┃センサー ┃←受付

     入口


2F  階段↓

┏━━━━━  ━━━━━━┓

┃ ①  ┃廊下┃ ②  ┃カフェ入口

┗━━━━━━━━━━━━━┛

①異能犯罪対策課室

②the fool(カフェ)


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