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世界を背に拳を放て ~UCA-異能犯罪対策隊~  作者: 寝倉 響
黒の英雄 ~血塗られた正義~
52/63

動き出した事件。

 火ヶ丸は拳堂に合流し、篠瀬の自宅前に張り込んでいた。

篠瀬は10時頃に家を出ていった。二人は距離を保ちながらつけていく、すると篠瀬はある場所で立ち止まる。

二人はその場所を見上げた、そこは先ほどまで火ヶ丸がいた羽枦警察署だった。

 しかし、篠瀬はそこへ入ることなく羽枦警察署に面している歩道で立ち止まっている。

やがて篠瀬はその場で右左へと、何かを考えているかのように歩くと、結局敷地内に入ることなく、警察署の前を通りすぎて去っていった。

 篠瀬はその後、寄り道もせずに自宅へと戻り、その日家を出ることはなかった。

 


 事態が動き出したのはその次の日だった。

 篠瀬が自宅で死体となって発見されたのだ。

篠瀬の勤める会社の上司からの連絡でマンションの管理人が様子を確認することになった。

チャイムを何度も鳴らしても応答もなく、ドアの隙間から血の匂いが微かに鼻にささり、不審に思った管理人が警察へ通報したことで発覚した。

 最初に現場に駆け付けたのは、近くの交番に勤務する巡査だった。現場に落ちていた弾痕から殺人事件だと推測し羽枦署刑事課へと連絡、そして火ヶ丸達異能犯罪対策課へと連絡が入った。火ヶ丸と泳斗はすぐに準備をし現場へと向かった。


「これは……」

 火ヶ丸は現場に落ちている、一枚の紙を見つける。

 

 そこにはJustice enforcement(正義執行)と書かれた紙があり、篠瀬の血で汚れていた。

 そのことからジャッジマンの犯行と推測された。

篠瀬はリビングで頭部に弾丸を放たれ倒れていた。弾丸は頭部を突き抜けリビングの絨毯に落ちていた。


「八村さん!! これ!!」

 新馬は片手に篠瀬がいつも持ち歩いていたブランド物の鞄を持ちながらそういった。


 新馬が見せたのは、一枚の紙。そしてそこにはGuilt(有罪)と書かれていた。


「これは、ジャッジマンの仕業で間違いないな」





 火ヶ丸が現場から戻り異能犯罪対策室へと入ると、写見について調べていた土伊と羊谷、報告書作成をしていた拳堂、ジャッジマンの目撃情報がないか聞き込みをしていた泳斗が部屋にいた。

 火ヶ丸は土伊に昨日と今日とで得た写見の情報を尋ねた。


「調べたんですけど、火ヶ丸さんが警察から受け取った資料通りでしたよ」

 

 写見についての情報は火ヶ丸が八村から受け取った資料にも書かれていた。

 写見は都内の会社に経理として勤める30代のサラリーマン。

写見は自身の異能 印刷を生かして一万円札を大量に製造。

その製造した偽札を会社の正規の札と入れ替えていたことが分かっている。

警察が写見の家を家宅捜索をしたが、金は発見されなかった。通帳を調べると600万円ほどの金が入っていたが、写見が製造した額とはかけ離れていた。

さらに詳しく調べていくと、写見がある会社に大量の金を振り込んでいたことが分かった。

当然、警察はその会社についても調べたが、その会社は架空のものであることが発覚し、金の行方は分からずじまいとなっている。

ジャッジマンに殺されたことから、篠瀬との関係を調べると、携帯の通話履歴に篠瀬の電話番号からのものが複数あるのが発見された。


「そうか、泳斗はどうだった?」

 火ヶ丸は椅子の背もたれ口を丸く開けながらぐったりと寄りかかっている泳斗に向けてそういった。


「ああー成果0ですよ。高速道路の高架下ですからね。人なんてほとんど通らないですし、まして夜ですからね」

 泳斗は背もたれに寄りかかったまま上を向きそういった。


「そうか、参考になるようなのはないか」

 火ヶ丸はそういい終えると腕を組みなにやら考え込んだ。


 やがて火ヶ丸を手をポンと叩いた。

 

「よし!! 明日は篠瀬について調べよう、篠瀬には異能許可証偽造の疑いがあったからな。その金の行方を洗おう」



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