表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を背に拳を放て ~UCA-異能犯罪対策隊~  作者: 寝倉 響
黒の英雄 ~血塗られた正義~
51/63

全米No.2の英雄

 次の日、火ヶ丸は羽枦署異能犯罪対策室に四人を集めていた。

 四人全員が揃ったところで火ヶ丸は口を開いた。


「それじゃあ昨日あった本部での会議のことを伝えるぞ」

 火ヶ丸は重たい口調でそういった。


「急遽開かれた昨日の会議はそれぞれの支部署への注意喚起だ」


「なんの注意なんですか?」

 土伊は火ヶ丸に尋ねる。


「最近、関東を中心として日本全国でUCA狩りが行われてるらしい。その犯人達のほとんどが海外でハンターと呼ばれ活躍している奴ららしいんだ」


「ハンターって日本でも導入されたばかりのやつですよね」

 拳堂は朝の特番でハンター特集をしていたのを思い出した。


 ハンターとは……主にUCAが異能犯罪者にかける懸賞金首を狩り、その懸賞金を貰うことを職業とする者。そのなかでも国が認めた民間のハンターギルドに所属する者をいう。

 ハンターギルドはUCAが出来る以前に作られた異能犯罪者を狩るための民間会社でそこで働いているのがハンターと呼ばれる者達。異能犯罪者などにかけられた懸賞金を報酬として会社を経営している。

現在でもUCAのない国やUCAのある国などでも活躍している。日本でも今年三月に政府によって設立が許可された。

 UCAと異能犯罪者の中間に位置するいわゆるグレーゾーンの職業である。

 UCAは公務員のため高い給料が保証されているが、ハンターは個人個人の出来高によるためUCA以上の給料を得る可能性があるため、アメリカなどの海外では人気の職業である。

 そんな海外の国では無異能者(ノーマル)の犯罪者にも懸賞金をかけるなどして犯罪撲滅を目指している。

海外のハンターは功績によりランキング化されトップのハンターはヒーローとして崇められている。



「なんで、そのハンターがUCAを狩ってるんですか?」

 羊谷はそう尋ねた。


「埼球県で捕まったハンターの話によると、海外のハンターを雇ってるのはREVOLuZで、REVOLuZから多額の報酬を貰ってUCA狩りを行っているらしい」

 

「ハンターってのはしょうもない奴らだな」

 泳斗は普段見せることのない怒りの表情を見せていた。


「まあ、それに注意してくれってことだ。そうだ拳堂、篠瀬はどうだった?」


「実は……途中で外国人とぶつかっ、て見失いまして」

 拳堂は申し訳なさそうにいうと頭を直角に下げた。


「まあ、しょうがないな……今日も休みみたいだから頼んだぞ」

 

「はい!! じゃあ早速行ってきます」

 拳堂はそういうとあわてて部屋を出ていった。


 拳堂が部屋を出ていってすぐ異能犯罪対策室の電話が鳴った。

火ヶ丸はすぐに受話器をとる。


「もしもし、UCA羽枦署異能犯罪対策課ですが……」

 

 火ヶ丸は電話の相手としばらく会話をすると受話器を置いた。


「なんの電話ですか?」


「羽枦警察署の八村さんからだ。異能者絡みの疑いがある事件があるそうだ。今から話聞きにいってくる。羊谷ついてこい」


「はい!!」


 火ヶ丸 羊谷を乗せた車が羽枦警察署へと着いた。

 二人は車から降りその立派な建物を見上げた。

煉瓦仕様で四階建てのその建物は、中央に入口があり警察官が一人警杖を持って立っていた。

 二人はその警察官に頭を軽く下げ、中へと入っていった。

案内板に[2F刑事課]と書かれているのを見つけると二階へと上がっていく。

 そして刑事課のフロアを見渡す。

そこにはスーツを着た複数の刑事がいた。

その中に1人茶色のスーツを着た人物の後ろ姿があった。


「八村さーーん。おはようございまーす」

 火ヶ丸は口に手をあてメガホンにするとそういった。


 すると八村は声の方向を振り返り、火ヶ丸と羊谷を見つけると怪訝そうな顔を見せながら歩み寄ってきた。


「とりあえずこちらに」

 八村は火ヶ丸達を刑事課のフロアにある休憩スペースへと案内した。


「早速ですが電話の件教えてもらってもいいですか」


 

 三日前、区内を通る高速道路。

草が生い茂る高架下で一人の男の死体が発見された。

 男の名前は、写見(うつみ)

写見は頭に銃弾を受けた姿で発見され、それが死因となっていた。

 ここまでならごく普通の殺人事件だと思われたが、後日、現場を捜索していた警察官が草むらで血と土で汚れた一枚の紙を見つけた。

もう一枚にはJustice enforcement(正義執行)と書かれていた。

後日、写見のカバンを調べると、Guilt(有罪)と書かれた白い紙が入っているのが発見された。

 警察は発見された紙について調べた。

すると、アメリカに有罪と正義執行と書かれた紙を現場に残すハンターがいることが発覚する。

 そのハンターはJUSTICEに所属する唯一のハンター ジャッジマン。

ハンターランク二位、ハンター界人気ナンバーワンの男。

セットされた金髪に目元を隠す黒いヒーローマスク、胸に大きくJと書かれた黒いヒーロースーツに黒いマント、黒いブーツと黒の手袋、腰の黒いベルトの両端には拳銃のホルスター。



 火ヶ丸と羊谷は八村から事件の概要を聞き、その関連資料を受け取ると羽枦署へと戻っていた。


「ハンターってことは、今起きてるUCA狩りとなんか関連あるかもですよね」

 土伊は火ヶ丸から八村から話されたことを聞くとそういった。


「ああ、そうだな。とりあえず羊谷と土伊は写見について詳しく調べてみてくれ。泳斗はジャッジマンの目撃情報がないか聞き込みだ。俺はとりあえず拳堂と生活課の案件を終わらせる。さあ動くぞ!!」

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ