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世界を背に拳を放て ~UCA-異能犯罪対策隊~  作者: 寝倉 響
黒猫-インビシブル・キラー-
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REVOLuZ幹部 鉄仮面 後編

 通称 鉄仮面。異能犯罪集団REVOLuZ幹部。Sランク認定の重要指名手配犯である。

 UCA隊員の報告により、鉄仮面を被っていることが分かり、そこから鉄仮面と名付けられた。

どんな異能を持つのか不明だが、様々な異能を使っていることが報告されている。

REVOLuZの幹部の中では比較的温厚な性格だといわれる。



「ヤバイな」

 火ヶ丸はそう言うと深くため息をつく。


 すると、気配を察知したのか鉄仮面は作業に取り組む仲間の二人を手で制止させる。


「誰かいるみたいだな……」

 鉄仮面はそう呟くと二人を自分の後ろへと下がらせ、火ヶ丸と泳斗が隠れる木箱に一歩一歩、歩み寄ってくる。


 コツコツという足音が、静まり返った地下室によく響く。


 鉄仮面は火ヶ丸と泳斗がかがんで隠れている1m四方の木箱の手前までくると、その木箱を思いっきり蹴り飛ばした。

すると木箱は大きな音をたてて壁に当たり崩れ落ちた。

姿が露になった火ヶ丸と鉄仮面の目が合う。


「見つけた」

 鉄仮面はそう言うと右手を火ヶ丸達に向けて出す。


 右手は義手になっており、鉄仮面の奥にある外へと繋がる穴から射し込む太陽の光で銀色に輝いて見えた。

すると出した右手は肩から先にかけて変化を見せる。

金属が擦れ合う音とともにスーツを破り、電気が流れ腕に絡み付くかのように金属が捻れ掌に終着。

そして掌の中心に黒い穴が空き発射砲となる。その発射砲に白い光が集まり大きな音をたてて光が放出。


 火ヶ丸と泳斗は間一髪、鉄仮面の両脇に飛び退け回避する。

そして二人は鉄仮面との間合いをとるため鉄仮面の両脇を転がり離れる。

光が飛んでいった先を見ると直径30cmほどの円が地下室の壁を壊し奥へと続いている。

二人はすぐに起き上がり交戦態勢へと移行。

泳斗は手から鉄仮面向けて水の棍棒を発射、一方の火ヶ丸は拳をつくり鉄仮面の脇腹めがけて放つ。

鉄仮面は泳斗の水棍棒を直に受けるがまったく動じずに火ヶ丸の拳を義手の左手で受け止め強烈な回し蹴りを泳斗に放つ。

泳斗は水になろうとするが、蹴りの速さに間に合わずに鉄仮面の蹴りを脇腹にまともに受ける。

泳斗はゴホッと息とともに血を吐きその場にうずくまる。


「泳斗!!」


 火ヶ丸が泳斗に視線を移した瞬間だった。

鉄仮面はその隙を見逃さずに黒いグローブをはめた左の拳でアッパーを放つ。

火ヶ丸は咄嗟に右手で鉄仮面の左手を払いこれを防ぐ。

そして火ヶ丸は鉄仮面の足元めがけて足を回す。すると鉄仮面は態勢を崩し大きな音を立てて転ぶ。

火ヶ丸は間髪入れずに鉄仮面の頭に向けてかかとを落とすが、鉄仮面はそれを横に転がることで避け火ヶ丸に回し蹴りを放つと同時に右手の発射砲を充填する。

回し蹴りを飛び退けてかわした火ヶ丸に向けて一秒ほどの充填をした右手の発射砲を発射。

火ヶ丸は吹き飛ばされ制服に大きな丸い穴が空き、それとともに血を流し倒れる。


「ダメだな、最近の異隊は……今日はあなた方と戦う必要はないので帰ります。残りの盗品はどうぞ持ち帰りください」

 そう言うと鉄仮面は振り返りスーツを叩き埃をはらう、そしてガクガクと震えている二人の仲間の肩をポンと叩く。


 そしてズボンのポケットに手を入れ奥の穴から出ていった。

肩を叩かれた二人の仲間は正気に戻り鉄仮面の後ろを着いていった。

そして三人が乗ったヘリコプターは上空へと舞い上がった。

ヘリコプターの下にはワイヤーで吊るされた大きな鉄で出来た箱がぶら下がっていた、




 鉄仮面は仮面の奥に妙な笑みを浮かべながらポツリと一言。


「火ヶ丸さん。あなたは全然成長しないな……」


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