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世界を背に拳を放て ~UCA-異能犯罪対策隊~  作者: 寝倉 響
黒猫-インビシブル・キラー-
19/63

REVOLuZ幹部 鉄仮面 前編

 火ヶ丸と泳斗は、署から車で10分ほどの羽枦区北端にある未開発の森林地帯に来ていた。

 土伊の事情聴取で得た成果によると、ここにある大きな木の幹の周辺に地下室への黒い扉があり、そこに盗品を隠しているということだった。


 二人は森林地帯の中を通る砂利道に車を乗せ走らせる。

両脇は無数の木々が立ち並び、まるで富士の樹海のようだった。

車はでこぼことした箇所を通る度にガタンガタンと大きく揺れる。

しばらく車を走らせていくと右側に大きな木の幹が見えたため、火ヶ丸は車を停める。

 二人はその大きな木の幹まで徒歩で移動し軍手をはめる。そして近くに落ちていた枝などを拾い、周辺の地面の葉を掻き分けながら探る。

その木の奥、火ヶ丸達から見て木の後方は岩肌の突き出た崖となっており、その大きな木の根が崖の表面に飛び出ていた。

さらにその下を覗くと砂で汚れたボロいヘリコプターが崖の斜面の岩肌が大きく突き出た場所を見つけ止まっている。

その他にも大破した車やバイクの残骸などが、崖の先には広がっていた。


 二人は手分けをして大きな木の周辺を細かく捜索する。

やがて泳斗は地面に落ちる葉や枝を掻き分け、60cm四方の黒い扉を見つける。

しかしその鋼鉄の扉には、南京錠の鍵がかかっており簡単には開かなかった。

扉の端にある取手を両方の手で掴み思いっきり引くがびくともしなかった。


「火ヶ丸さーん、ありました!! けど鍵がかかってて開きませんね」


 すると火ヶ丸は泳斗のいる場所まで駆けていくと、その扉を確認し取手を引き開けようと試みる。

びくともしないことを知ると火ヶ丸は、人型をとどめたまま黒い犬へと姿を変える。

制服の裾からはみ出す手と足には黒い犬の毛が生え、先には鋭い犬の爪が生える。

顔にも同様に黒い毛が生え、人間の耳は消え頭の上に二つの犬の耳がつく、そして鼻は犬の鼻へと変化を遂げる。

 火ヶ丸は再び黒い扉についている取手を両手で掴む、そして力を込めてそれを引いた。

すると先ほどはまったくびくともしなかった扉が、金属が擦れあう鈍い音とともにゆっくりと開き始める。

そして黒い扉が火ヶ丸が引いた方向に大きくひん曲がり、地下へと続く梯子が現れる。

火ヶ丸は元の人間の姿へと戻ると泳斗と共にその黒い扉から繋がる地下へと乗り込む。


 梯子には途中に電球が付けられており少し明るかった。

その明るさは梯子を降りたあとも続いていた。二人は妙に明るい地下室を不自然に思い、声を殺す。

すると地下室から物音が微かに聞こえることに気付く。

火ヶ丸は再び犬へと姿を変え耳をピクピクと動かし耳を澄ます。


「早く運べ」


「はははい……」


 火ヶ丸と泳斗は近くにあった木箱の後ろに身を隠し奥の様子を見る。

 地下室の奥には人為的に壊されたであろう巨大な穴が空いており、奥には先程のボロいヘリコプターが見えそのヘリコプターには運転手が乗っている。

そして、そこには顔を覆うような鉄仮面をつけた黒スーツの男と金庫や袋を運ぶ二人の中年の男がいた。


「どうゆうことですかね?」

 泳斗はその様子を凝視する火ヶ丸にだけ聞こえるような声で聞く。


 火ヶ丸は泳斗の呼び掛けにもしばらく無言だったが合点したかのように言葉を出す。

「もしかして鉄仮面か?」


「え?」

 泳斗は驚いたような声をあげ火ヶ丸の顔を覗く。


「REVOLuZの幹部の一人だ」

 火ヶ丸は背中に汗を伝うのを感じていた。


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