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世界を背に拳を放て ~UCA-異能犯罪対策隊~  作者: 寝倉 響
黒猫-インビシブル・キラー-
18/63

汚れた制服

 土伊と羊谷は羽枦署の目の前にあるバス停でバスを待ち区立病院前というバス停で降りた。

白く綺麗な4階建ての大きな建物。

羽枦区立病院に着いた土伊と羊谷は、病院の受付に向かった。

受付にはナース服を着た女性が二人座っていた。


「すいません。拳堂ダンの病室はどこでしょうか?」

 土伊は受付に座る若いナースに向け微笑みかけながら尋ねる。


「すいません。少々お待ちくださいね」

 受付の若いナースはそう言うとパソコンを操作し調べ始める。

 

 調べ終わると丁寧な口調で話始める。


「拳堂ダンさんですが、一旦ここに運ばれたんですが、ここで応急処置をしたあと、異能者だということで異能者専門病院に今朝搬送されましたよ」

 


「あっ、そうだったんですか……ありがとうございました」


 土伊と羊谷は、病院を出た。


「ったく、それなら早く連絡してよね……じゃあ行きましょうか」

 病院を出るなり、少し怒りぎみの口調で土伊が言う。


「はい」

 羊谷は苦笑いでそう返事をする。


 土伊と羊谷はバス停でバスを20分ほど待ったあとバスに乗り一旦署に戻って車を取りに行くことにした。

バスに10分ほどゆられ近くのバス停で降り羽枦署に戻ると、ちょうど火ヶ丸と泳斗が盗品回収から戻ってきて黒のワゴン車から盗品を署内に運んでいるところだった。


「おおー土伊ちゃん、どうだったの拳堂くんの様子は?」


「異能者病院に移ったていってましたよ。しっかり確認してくださいよ!!」

 鬼とはいかないもののキツい言葉で火ヶ丸を追い詰める。


「おお……ごめんね」

 火ヶ丸は面食らったような表情を見せ、土伊の機嫌をさらに悪くさせないように作り笑いを見せる。


 泳斗はそんな二人が小競り合いをしているなかプププと笑いを堪えながら、キャスター付きの台に30cm四方の鉄の金庫を二つ乗せそれを署内に運ぶ。


「まあ病院は後でいいから……とりあえず土伊と羊谷も手伝ってくれ」

 火ヶ丸はこれ以上、土伊に刺激を与えないように話を変える。


 土伊と羊谷は黒猫が盗んだ盗品はどんなものかと車を見ると後部座席と後ろのトランクに袋や金庫が何袋かまだ残っているだけだった。


 羊谷はその光景を見て一言もらす。

「なんか意外に少ないですね」


「ああ、今日回収できたのは黒猫が盗んできた額のおよそ3分の1程度だ」

 火ヶ丸は少し暗めの口調でそういった。


「残りは? 一切手つけずにアジトに置いてあるって速世が言ってましたよ」

 土伊は速世を鬼の形相で問い詰めて知り得た事情聴取の成果を改めて伝える。


 土伊は空のキャスター付きの台を転がして署内から戻ってきた泳斗の様子が視線に入る。

何故か制服に砂ぼこりや破れた跡があった。

よく見ると火ヶ丸の方にも同じ様な跡がある。


「……それ、どうしたんですか?」

 その様子に気づいた土伊は尋ねる。


 火ヶ丸は自分の汚れた制服を見て一言。

「実はな。盗品回収に行った先でな――」

0歳の異能、発現を記録。

35歳の男性が突然、異能を発現した。

異能の発現年齢は様々なのか……。


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