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〈BKK〉  作者: Neo_Nue/鵺野新鷹
第一章:二人の俺
9/23

5月7日:サモンド・サムラァーイ

ケータイ書きはキツいですわあ……あ。明日も投稿します。


※ピャーってなる間違いを修正しました。以後気を付けます……

 ――暗闇から、亡者が溢れてくる。


「〈パルスブリッド〉!」


 両手の杖から分割乱射。

 光弾は尾を引き、ゾンビたちに衝撃とダメージを与える。

 ヒットストップとノックバックが入ったゾンビ三体は、ちょうどよい塩梅になったか、と思う。

 こちらから見れば凸の形、中央だけが遅れた形だ。


「んっ、〈ブレードトップ〉!」


 その中心に飛び込んだズンダが、全身を独楽のように回転。

 盾剣と剣盾の刃がゾンビどもを切り裂き、虹色の泡へと変える。


「よし、〈ディテクト・アンデッ……おおっとぉ、まだ規制かかってら、近かったしなあ」

「じゃあ、足で探すしかないネ」

「そうだな。地道に行くか」


 ……まあ。

 溢れてると言っても、俺たちには力があるわけで――草を刈るようにゾンビの首を刈り、頭蓋を打ち抜く。

 これならその辺のB級映画でも見てたほうがマシってものだ。

 ズンダは接近戦をやるので、汁がかからないように注意しているようだが、俺の方なんて実害ほぼゼロである。

 この町――〈フジ樹海〉の南東方向に位置するこの〈ホクスン〉の町は、およそ五角形をしている。

 そのうちの、樹海側の三辺を俺たちが。残り二辺を大地人たちが警邏している。

 すでに二四時を回ったか――深夜であり、だんだんとゾンビの復活速度も増してきたような気がする。

 やはりピークは深夜二時だろうか。


「ところで、奇妙丸、どうするんだイ?」

「ん?」

「この町のコトだヨ」

「ああ、」

 

 向き直ると、ズンダは困ったように……いや、諦めたように、だろうか。笑っていた。

 なんでだ、と思いながら、言葉を返す。


「試したいことがある」

「試したいコト?」

「ああ、ほら、馬にも軟膏使えた件で。アレみたいな応用は、他にもできないものか、って思ってな」

「……ああ、そっカ、了解だヨ」


 ズンダは、どこかホッとした笑みを浮かべる。

 ……ああ、そうか、と納得し、あのな、と前置きした。


「見捨てて金儲けとか、しねえよ。客商売ってのは信用なんだぞ? 噂が立ったら商売やりにくいだろ」

「商売人なんだネ……って、ン? 奇妙丸、君は、しばらくこの状況が続くって、思うのかイ?」

「逆に続かないって考える理由は何だ? これが長い夢だって思うのか? 終われば終わったで戻るが、終わらないのに努力しない理由は?」

「なるほド、道理だネ。続くって思ってた方が得ダ」


 莞爾と微笑み頷くズンダを横目に、再使用規制時間が過ぎたので、〈ディテクト・アンデッド〉――近場にゴーストの類が三体セット。その他、感知範囲ギリギリに、ゾンビの類が二、三体の群れで三セット。 


「次、あっちだ。わりと近い、あと多い」

「はいサ。……確かに、これは、リアルだよネ」


 言いつつ、ズンダは盾剣で下草を突く。

 それを持ち上げれば、夜闇の中で、草と黒土がぱらぱらと風に流れていく。


「そもそも地面は基本的に破壊不能オブジェクト……まあエフェクトでクレーター出来るコトもあったけド。ここがゲームの中なのかどうかは分からなイ、けど、現実なのは確かだネ」

「そうだな」


 実際どうなのかなんて、分かったものじゃあないが。

 現状認識として、『そういうものだ』で片づけておくのが、精神衛生上、いい。

 ……と。

 先ほど検知した反応から少し進んだ位置に、仄かに光るものが見えた。

 森の木々を抜けた先。徘徊し、ふらつきながらも、徐々に人里へと近づいている。


「見つけた、アレだ」


 〈トラツグミの鼓笛・独唱〉を手放し、〈二重奏〉一挺で狙いをつける。

 〈独唱〉と〈二重奏〉は、二挺で一つ、双撃連射の杖――だが、一挺づつでも効果がないわけじゃあない。

 〈独唱〉は、名前の通りソロ支援、周囲に誰もいなければ性能が上がる。

 〈二重奏〉は、特別な能力はないが、一本だけ装備している間は〈秘法級〉のランクにふさわしい程度のステータス増強がある――まあ戦闘に役立つ特殊効果はないんで結局微妙なんだが、持ち替えの手間だけは省ける。


「――〈パルスブリッド〉」


 射撃した。

 やや斜め上に撃ちだされた光弾は勢いよく木々の間を抜け、枝を避け、草を散らし葉を揺らし、手前の位置でへにょりと弾道を落とし、ゴーストに直撃した。


「イエス、ヒットだ」

「器用だネ……っていうか、アレ? 二十五メートル以上、離れてないカ?」

「昔から得意なんだ、シューティングの類は。……減衰はするが、二十五メートルでふっと消えるってわけでもないみたいだしな」


 ゲーム時代は、おおよその魔法の射程は二十五メートル――PTを組んで戦う範囲に設定されていた。

 例えば〈吟遊詩人〉の歌なんかも、基本の効果範囲は二十五メートルだ。

 ただ、攻撃判定は消えるが、それ以上に飛ぶ魔法なんかもあった。

 やってみたらできた、ってのが本音であるが。

 縦スク横スク3DからガンシューFPSにTPSまで、十五年ほど親しんできたのだ。

 FPSのグレネードと思えばこんなもの。


「格ゲーも好きだが、……ナギサみたいなことはできんなあ」

「……ああ、アレ……」


 ズンダが股間を抑えてきゅっとした。

 気持ちは分かる。


「アレは容赦ないよネ」

「そうだなー、と、来たか。〈パルスブリッド〉〈パルスブリッド〉〈パルスブリッド〉」


 ぱぱぱんぱぱぱんぱぱぱん、と連射連射。

 近づくまでにおおよそ削り切る。

 スタンが効けば近づかせもしないのだが。

 相性も悪いし、後で着替えることにしようか。


「ほいっト」


 ズンダがさっくりと切り裂いて沈めて、ふー、と一息。

 次なる対象はゾンビ。おおよそのあたりを付けて近づいていく。

 生命感知――視覚や聴覚、嗅覚に頼らない感知方法を持っているため、近づけば森の中でも近づいてきてくれるのがああいうやつらだ。

 ……町に近づいてきているのもそういう理由だろう。

 ゲーム中よりも感知範囲がずっと広いが。『生命』が沢山いるから、命のにおいも強いのだろう。


「命のにおい……か」

「ン?」

「いや……〈大地人〉も、人間なのかな、って思ってな」

「俺はそうだと思うヨ。反応が人間だしネ」

「なんともはや。簡単な判別方法だな?」

「どー見ても人間な動くものを人間って思わない理由もないよネ?」

「なるほど、道理だネ」


 ちょっと声真似をすると、ズンダは苦笑を浮かべた。

 実際、言うとおりだ。そう思っておいたほうが、精神衛生上いいだろう。

 俺も、彼らは人間にしか見えない。人間にしか見えないものを人間扱いしないのは、間違っている。

 哲学的ゾンビ、と言ったか。『外からは完全に人間にしか見えないが、脳、意識、または魂と言えるものはなく、決められた反応を返すモノを人間と認めるか』、みたいな哲学的問題もあったような気がする。

 ズンダは認める派で、俺もそうだって話らしい。

 〈冒険者〉と比べて力が弱い、リアルから来ていない――その他もろもろの理由で、『違うもの』であることは確かだが、区別はしても差別をする理由はない。金も持っているわけだし。


「金を持ってて商売ができるなら人間だな」

「どーいう基準だイ、ソレ」

「俺の基準。社会的行動ができてこそ人間じゃないか?」

「それを商売に結びつけるのはどうかと思うナー……」


 会話を続けながら、ズンダは右手の盾剣でずばずば藪を切って、ずんずん進んでいる。


「……俺、サブキャラなら対アンデッド特化型キャラがいたんだけどネー。こういうときには、役立っただろうニ……」

「またニッチなものを……」


 メインからしてニッチというか変態ビルドだが、こいつ変態ビルダーなんだろうか。人のこと言えた義理じゃないが。


「そう言えば、ズンダ。レイドに参加したことはあるのか?」

「あるヨ。このアバターでネ」


 ズンダの盾剣の方は忘れたが、剣盾の方はレイド産のはずだ。

 流石にはずれ〈秘宝級〉の売却可否までは覚えていなかったが、


「へえ……だからか、昨日も動きよかったよな」


 昨日――PK戦。

 仮にズンダがマトモな〈盗剣士〉だったとして、被害なく勝てたか――もっと言えば、そもそも勝てたかわからない。

 まあ、普通の〈守護戦士〉だったらもっと楽だった気がするのだが。


「〈ボディーガード〉だからネ、護衛対象のコトは見てるんダ」

「ボディー……ああ、サブ職の」


 〈ボディーガード〉――マイナーなサブ職で、〈カバーリング〉、つまりは『かばう』系特技を多く覚えるものだ。

 かばう対象のサブ職によって性能が変化し、NPCの護衛クエストなどで強みを発揮する。

 〈盾使い〉と同じく〈守護戦士〉などの戦士職で使われるほか、耐性を無効レベルまでガン積みした魔法職が『かばう』ために就職することも、まあ、なくはない、というものだ。


「あとはまあ、バスケのディフェンスの応用だよネ」

「カバディカバディ?」

「カバディ。……違うヨ?」

「だよな。バスケ部?」

「そうだヨ」


 へえ、と頷いたところで、蹄の音が聞こえてきた。

 ん、と思えば、PTメンバーが近づいてきていることが感覚的に分かった。

 ゲーム時代であれば、マップ上にアイコンが出たり、キャラの周囲に矢印が現れているところなのだろう。

 ライトの灯りが見えてくる。

 それは高い位置で揺れながら、木々の合間を抜けて――ナイトメアが、はるるるる、と荒く息を吐きながら現れた。

 そりゃあ、三人も乗せてればそうもなろう。

 シャルが手綱を持ち、クレスケンスがその腰に手を回し、その背にもたれかかるようにナギサが乗っている。

 ひでえ奴らである。


「よう、お疲れ、異常なしか?」

「ああ。数だけは多いが」

「ふーん……」


 かりかりと、シャルはこめかみのあたりをかく。

 湯上りたまご肌。せっけんの香りが森のにおいと混じる。

 とりあえず〈輝ける魔道の杖〉は持っているが、湯上りのためか〈じんべえ〉を装備している。

 暗中、〈バグズライト〉に照らされて、深く開いた胸元が見えた。

 ノーブラであった。

 そして、褐色巨乳の谷間であった。


「……うわ」


 が、まったく興奮しない。なぜなら持ち主がクソだからだ。

 ナメた格好しやがって虫に食われるぞ、と思うが、まあシャルだしいいか、と口にはしない。

 半裸は半裸だが、ナギサは巫女服姿だ。破れた胸元は、言っちゃなんだが雑に補修されている。

 俺でももう少しまともにできるぞって仮縫いだ。

 修理できる人物がいなかったのだろうか。

 とりあえず、情報を渡す。


「ああ。とりあえずあっちの方に十体くらいいるぞ」

「マジか、十体か……」

「多分まだ増えてくな」

「わーお……」


 げんなりした表情のシャル。

 一応、地形情報も伝達することにする。


「かなり奥の方まで行かないと、木が邪魔で走れないってことはないと思うが、一応注意しろよ。あと、迷子になるんじゃねえぞ」

「あ? 誰に言ってやがる」

「てめぇだてめぇ。谷間見えてるぞコラ、きたねえモン見せんな」

「はっあああああ!?」


 と、ナイトメアの手綱を操りかけたところで、じんべえが歪んだ。

 なぜかと言えば、半裸がその乳を揉んだからである。


「うっひょわぁおぃ!?」

「はーいシャルちゃんストップね? ――あらホントおっきい」


 激しく驚くシャル――半裸はウフフと笑って手を離す。

 くそ、と胸元を抱くシャルは、どうやら少しは落ち着いたらしい。

 まあいいや、と、どう聞いてもまあよくない口調で言って、言葉を続けてくる。


「それじゃ、休んでな、いい湯だったぜ」

「オーケー。じゃ、戻ろうぜ、ズンダ」

「はいヨー」


 シャルの横を抜け、町のほうへと向かって歩き出す。

 杖もしまって完全に休むモードだ。


「……それじゃ、手筈通りに……あと、覚えてろよクレスケンスさんよォ……」

「分かったわ……ウフーフ……」


 背後から声が聞こえてくるが、大丈夫だろうか。裸の付き合いをしてきたようだし――


「――裸の付き合い……だと……?」

「ン?」

「い、いや、なんでもねぇ。なんでもねぇよ?」


 ……エデンの園とかパライソとか、その手の光景を見たであろうシャルに殺意の念を送る。きゃあ、自分殺し。

 ともあれ、一眠りしておきたい。

 昨日昼寝してから起きっぱなしだ。

 まだ大して眠くはないが――


「その前に……設置だけ、しておこうかね」


 腹案。それの仕込みだけ、しておこう。




 ●




 昼下がり、畳の一室にて。

 〈大地人〉の男〈神祇官〉と向かい合う。

 昨晩、俺たちが乱入した時にリーダー格だった男だ。

 一対一。

 タイマンで、サシで、向かい合う。

 中年。神主みたいな衣装を着て、傍らに杖――たしか、〈通常級〉だが、アンデッドに対し特攻効果のあるものだ。

 昨晩、レベル差のあるゾンビどもに対抗できたのはこれが故だろう。

 彼は、疲れた顔をしていた――しかし、希望を見出したように、瞳の奥には光がある。

 一口、茶を――単なるお湯だった、我慢して飲んで、口を開く。


「奇妙丸です。〈冒険者〉です。一味を、主導しています」

「ハザクと申します。〈大地人〉です。この町の神官をしています」


 服装からしてそうだろうと思ったが、と思いながら、質問をする。


「神官、ですか。失礼ですが、町長などは……?」

「この事態が発生してから、〈セレソステレナ〉へと増援を願いに……現在は、療養中です」

「そうでしたか」

「はい。増援の方には、私より上位の神官もいらっしゃるのですが、この町の神官であるということで、私が……寄り合いの議長、のような立場になっています」


 なるほど、と頷く。

 流石にこんな状況で、内輪もめとかは起きていないらしい――苦労はしているようだし、疲労もしているようだが、目の光を見れば分かった。

 しかし、町長が療養中――増援を呼びに行くときにモンスターに襲われたのだろうか。それとも、疲労か、その両方か。

 ともあれ、話を通すだけなら彼でも大丈夫そうだ。

 さて、と一息を入れ、言葉を発する。

 ハザク氏は、はい、と頷き、佇まいを正す。


「俺の――個人の、最終目標から言いましょう」

「はい」

「この町です」


 えっ、という表情を、ハザク氏は浮かべた。

 そこに切り込む。


「正確にはこの町での商業権です」

「商業権……ですか? 奇妙丸様?」

「はい」


 頷き、


「聞きたいことがあります」


 一息、


「俺たちは、困っています」


 何を、と言いかけた口に、かぶせるように言う。


「俺たち〈冒険者〉について知ってることは、ありますか? 俺たちは困っています。――帰ろうと思っても帰れないんです」

「それは、」

「俺たち。〈冒険者〉全員です。この世界は――」


 一瞬、言葉を選ぶ。


「――変わってしまったようなんです。俺たちは、話し合う必要がある。俺たちには、元々いた場所があったのです」

「はい、……分かりました、確かに、〈冒険者〉の方々はどこかに消えていくものでしたが……商業権、などと……〈冒険者〉の方が言い出すなど、聞いたこともございません。やはり、何かあったのでしょうな……」

「ええ。そして、帰れないなら基盤を築く必要がある」

「故に、商業権……ですか」

「その通りです」


 頷き肯定。

 そしてそのために、と言葉を繋ぐ。


「ゾンビのことなど、まずはお聞きしたい」

「……はい。やつらが出現し始めたのは、一昨日の晩、からのことになります。それまでも、稀に溢れ出してくることはございましたが、十数匹が一気に来ることは、ございませんでした」

「一昨日から、ですか」

「はい……私どもだけでは、この町は守れません。あなたがたのお力を、お借りしたい」


 言って、ハザク氏は頭を下げた。

 あの日、五月四日、世界がリアルと化した日。

 それは彼らにとって――否、世界にとっての一大事だったのだろう。


「……頭を上げてください」


 ハザク氏は、言葉を受けて、背筋を伸ばす。

 ……彼の目は、助けを求めるそれではあるが。すがるような目では、なかった。

 どうにも気恥ずかしくて、かりかりとこめかみのあたりをとかき、


「まあ……安心してほしい。見捨てるなんて、寝覚めのワリぃことは、しねぇので」


 えへん、おほんと咳払い。うっかり敬語が抜けた。

 口を開きかけたハザク氏の言葉に、またかぶせるように、言葉を続ける。


「元々、俺たちの――俺たち一味の目的は、〈黄泉平坂(ルート・ゲヘナ)〉にありました。商業権は俺個人の目標ですが、その過程には安全の確保も含まれます。……溢れ出してきている原因がそこにあるかはわかりませんが、黄泉の女王に会ってくるつもりです」

「〈黄泉平坂(ルート・ゲヘナ)〉に……疑うようで申し訳ないのですが、可能なのですか?」

「会いに行くだけなら可能です。それは間違いない。そしてその間の守りとして、今晩試したいことがあります」

「試したいこと、ですか?」

「ああ、実はもう、試していますが……今晩の結果次第では、十二日間、耐えられるはずです」

「十二日ですと?」


 半端な日数を、しかし断言した俺に、ハザク氏は怪訝な表情を浮かべる。

 まあ、あとは仕掛けをごろうじろ……というやつなのだが。


「ええ。……ただ、今は状況確認をさせてもらいたい」

「はい、分かりました」


 彼は頷き、安堵したような笑みを浮かべる。

 気が抜けたせいか、彼の続く言葉は、単なる感想のようなものだった。


「……正直に言えば、〈冒険者〉の方々とここまで長く話したのは初めてです」

「……でしょうね」


 彼がゲーム時代からいたかは分からないが、組織の長でもなければ俺たちと話すことは少ないだろう。

 イベントは大抵長がやるもんである。この小さな町の神官なんて、ほとんどモブと一緒だ。

 ハザクなんて名前も、こうならなければ知ることもなかっただろう。


「ですので、私なりの見解とはなりますが、なにか失礼を申し上げるかもしれませぬ、そこは、先に断わっておきます」

「分かりました」

「それでは……あの日、私個人の印象でございますが、一枚隔たっていた壁が、なくなったように思うのです。あの日、いつもより、空が青く、高く、広くなったのを覚えております」


 リアル化した、ということは、彼らにとっても影響があったらしい。

 ハザク氏は、舌をしめらすように茶を飲み、言葉を続けた。


「ゾーンの隔たりも薄くなり、モンスターたちはより凶悪になり、神の声は聞こえなくなり、〈古来種〉……ヘーティル様もいなくなったと〈セレソステレナ〉から帰った町長が言っておられました」

「……すまないハザク氏、神の声、だって? そして、〈古来種〉が?」


 それ。

 すごい、重大な情報じゃないか?


「ええ」


 頷きひとつ。

 〈古来種〉――〈大地人〉から生まれる、〈大地人〉とは違うもの。

 ゲーム的に言うなら名ありキャラクター、非モブ。様々な意味で重要なNPCだ。

 〈大地人〉の英雄が行方不明なんてのはよくある導入だが、言い方的には、〈古来種〉全体と連絡が取れていないのだろうか?

 その情報を開かすとは、こちらを信頼している、ということなのだろうか? 逆にやりにくい。

 ……そして、ヘーティル。クエスト〈黄泉の供物〉に登場する〈古来種〉、〈イズモ騎士団〉の一人。

 黄泉の女王の夫でありあだ名はヘタレもしくは惨事――場合によっては、彼に助力を、とも考えていたのだが。

 情報交換の重要性を、改めて認識する。

 こんなイベントは聞いたことがない。現在のところ、彼が引っ張り出されるようなイベントはないはずだ。

 ……あるいはこれは、新たな――〈ノウアスフィアの開墾〉のイベントなのだろうか?

 〈ノウアスフィアの開墾〉は、適用されているのか、どうか。


「……なるほど。ゾンビが溢れだしているのは、黄泉の女王が何かしているからではなく、むしろ、何もしていないから、なのかもしれませんね」

「その可能性は、私どもも考えました。確かめることはできなかったのですが……」

「確かめるのも俺たちの役割……ですね」


 息をひとつ。

 ここから先、聞き逃していいことは何一つない――。







 俺たちはここの守りと原因の究明、解決を。

 彼らは、対価として情報と商業権を――まあ後者は、話を通しておく、くらいのものだが。

 話し合いは概ねそのように決まった――


「――ぞ」


 それを聞いて、シャルは、ふうん、と頷いた。

 〈ホクスン〉の中心から僅かに外れた広場。

 中央の東屋に〈妖精の輪〉のある、静かな公園のような場所だ。

 シャルの表情は、大して変わっていない、が。


「……改めて聞くと、すげえ状況だよな」


 もう笑いすら出ねぇよ――と、シャルは嘯いた。

 リアル化。

 〈大地人〉の……人間化、と言うべきか、それから始まり、モンスターの行動変化、〈古来種〉の消息が不明、何より料理に味がない。

 〈大地人〉にとっては、料理に味がないことは普通、らしいことや、ギルド――〈黒剣〉や〈D.D.D.〉あたりの名は知られていること。

 〈妖精の輪〉の周期、モンスター、装備の性能の載ったwiki閲覧不可。

 ……など。


「あと、口裏な」

「……ああ。隠さなきゃ、だよなぁ……」


 なにやらヘコんでるがなにか――あ。


「……風呂でなにかあったのか?」

「すげえむなしい思いした」

「代われ」

「代われるもんならな」


 ……羨ましく思いつつ、ため息を吐く。


「……まあ、俺とお前は双子で、俺が五年、お前が一年のプレイ歴」

「俺の知識については猛勉強、と。思い出については俺とお前の二人で、ってことでいいか」

「まあ、なるべく話さない方がいいな、ボロが出る」


 だな、とシャルは頷く。

 思考経路が同じせいか、スムーズだ。

 しかしそーなると、と、シャルはイヤそうな顔をして言う。


「……昔は仲が良かった、ってことか、……うわ」

「うわじゃねえようわじゃ」

「はあァ?」

「死ねばいいのに」

「殺すゾ☆」

「カワイコのつもりですかァ~?」

「……〈従者召喚:漆黒大烏(ブラックバード)〉」

「お前マッハでキレんじゃねぇよ!?」


 ――濡れ羽の黒も美しき。

 魔法陣から出てくるのは、三メートルを越える巨大なカラス。

 それは、ア゛――、と一鳴きして羽ばたき、……かけて、ア゛ー、と困ったように鳴いた。

 嘴が、横を指す。

 ん、と思うと、数人の子供が俺たちの方を見ていた。

 遠巻きなんで会話は聞こえていなかったと思うが、


「おい、アレ、スッゲー! って視線だぞ〈召喚術師〉」

「えあー……ああ、ここ、遊び場なのか」


 〈妖精の輪〉は使おうとしなければ発動しない。

 東屋で覆われているし、あとは広場で、遊ぶにはいい場所なのだろう。

 顔を見合せ、


「……こいこい」


 ちょいちょい、とシャルは手招きする。

 それから向き直って、ブラックバードに言い聞かせる。


「ブラックバード、怪我させないようにしてくれな」


 あ゛――、とブラックバードは頷いた。

 鳴き声に驚きつつも、恐る恐る近づいてくる子供たち。


「大丈夫だぞ、こいつ頭いいからな」


 また頷くブラックバード。

 明らかに人間語を理解している振る舞いだ。

 確かにこいつのAIはゲーム時代から優秀だったが、それ以上に見える。シャルと繋がっているのだろうか。

 三人の子供たちは、ついに一メートル圏内にまで近づき、ブラックバードを見上げ、


「でっけー……」

「すげー……」

「わあー……」


 と、口々に感嘆の言葉を口にする。

 あ゛――、と己の体躯を誇るようにブラックバードはゆっくりと翼を広げた。

 背中にキャラクター二人を乗せられるほどの鳥だ。

 翼幅は、六メートルにもなろうか。翼竜並みの大きさである。

 ……子供ってデカいの好きだよな、と思いつつ、一歩引き、


「乗せてやればどうだ?」

「乗るか?」


 被った。


「「あ゛?」」


 あ゛――、とブラックバードが困ったように鳴いた。

 ……子供の前でヤりあうのはよろしくない、とアイコンタクト。

 シャルが手振りでブラックバードに降着姿勢を取らせ、


「一人づつな。落ちないように注意しろよ。乗るだけな?」


 はーい、という言葉に俺たちは頷き、シャルは左、俺は右後ろに回り、子供が上がる補助をする。

 きゃー、とか、うおー、とか叫ぶ子供たち。

 三人目が乗ったあたりで、一人目が言った。


「なーねーちゃん、馬見せてよ、馬も! 乗りたい! 走りたい!」


 子供ながら、飛ぶのは危ないと理解してくれているのだろう。

 昨晩にでも見たのか――昨晩シャルはナイトメアに乗って町に入っている――馬なら、大丈夫だろう、という計算が見える。

 ぬ、とシャルは唸る。


「あのなー……見世物じゃねぇぞ?」

「えー、けちー」

「けちー」

「けちー」


 ――ケチと抜かすか。クソガキどもが。


「いいだろう、見せてやるよガキども! 俺の切り札を!」


 同じく一瞬で脳が沸騰した馬鹿(シャル)が、ブラックバードを送還し、


「――来い! 八脚神馬(スレイプニル)!」


 二十四時間に一度の、必殺技をカマしだした。

 ……確かにというか。そろそろ二十四時間であったが。

 展開される三重魔法陣。

 紫電を伴い顕れる巨躯――まて、三重?


「おっとっと……」


 見る先で、金色が跳ねながら出てきた。

 それは揺れる頭髪。ポニーテール、あるいはチョンマゲだ。

 で。

 見る先で、後ろから出てきたスレイプニルに踏み潰された。


「ぐあっ」


 キョトンとした表情を浮かべていた金髪だったが、一瞬で地面とキッスである。

 チョンマゲと評したのは、彼――たぶんだが、彼が、サムライルックだからだ。

 シャルが、怪訝な顔で言う。


「……俺こんなん召喚してねえぞ……?」


 できてたまるか。

 その横、サムライルックの彼からどけつつ、バルルと嘶くスレイプニル。表情にいわく、我、悪くない。

 すぐに避けたスレイプニルだが、流石にこの巨馬に踏まれたダメージは大きいらしい。

 ぐぬうと呻くサムライルックにしゃがみこみながら、〈妖精の輪〉を見やる。

 おそらく、どこかから飛んできたのだろう。wikiも見れないだろうに、無茶な人である。

 手をさしのべ、助けとする。

 手、指の根元には、固いタコがあった。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫ござる……驚いただけですござる」


 ……ところでなんでこの人ござるっているのか。

 見たところ外人だ。

 身長は高く、顔の彫りは深い。イケメンと言うよりはハンサムと言うべき顔立ちで、向かって左目には、刀の鍔で眼帯をしている。

 時代劇に出てくるような、藍染めの着物と袴姿。腰には刀があり、足元は草鞋である。

 アバターの顔とリアルの顔を混ぜたような外見になるため、日本人でもある程度は彫りが深くなっているが、彼の場合は……勘でしかないが、金髪も碧眼も顔立ちも、本物、という感じがした。


「すみませんござる。……ところでここはヤマトですかござる?」

「はい、そうですよ」


 立ち上がると、背の高さがよく分かる――百八十後半、くらいか。五センチ分けろ。

 答えると、彼は驚いた顔をして、


「おお、……さようでござるか! うむ、喜ばしき哉!」


 ……と、唐突に流暢な日本語になりだした。

 ああ、と納得する。さっきまでは、英語かなにかを喋っていて、語尾に無理にござるを付けていたから翻訳が――というか翻訳機能生きてたのか。

 シャルにアイコンタクト。

 すると、


「よしガキども、乗せてやるから広いところ行くぞ」


 流石に意思を汲んでくれる。

 向き直り、自己紹介する。


「……俺は奇妙丸。あなたは、」

「拙者、金ヶ崎ヒカズでござる。〈ウェンの大地〉から参った」

「〈ウェンの大地〉……アメリカから?」

「さよう。拙者、昔から〈ヤマト〉と〈ウェンの大地〉を往復していた故に……半ば賭けではござったが、〈妖精の輪〉に飛び込んだのでござる」


 見たところ〈武士〉――拠点は日本だろうか。海外では基本〈パイレーツ〉のはずだ。


「海外では――〈ウェンの大地〉では、どんな状況に?」

「……ふむ……いくらか先に聞きたいこともござる」


 頷き、周囲を見回す。

 少し長い話になりそうだ。


「分かりました。……座りませんか?」

「承知」


 広場の端、草むらに二人して座り込む。

 正座だった。

 外人だが、日本育ちなのかもしれない……まあござるマンだからかぶれた外人の方が本命か。

 さて、と彼はまっすぐな視線で前置きして、


「ここは〈ヤマト〉――それも〈霊峰フジ〉のあたりにござるな?」

「はい、そうですよ」

「ああ、言葉遣いは平常通りでもかまわぬでござる。拙者たちは、同じく〈エルダーテイル〉を楽しむ仲にござるよ……と、失敬、この状況では、」


 状況を考えてか、彼は眉をひそめ言うが、


「……いや、気にしないさ。お言葉に甘えさせてもらうよ」

「さようでござるか。申し訳ない。……さて、ここでは、〈ノウアスフィアの開墾〉は、適用されているのでごさるか?」

「俺個人は、適用されていると見ている……ただ、この状況……とりあえずリアル化と呼ぶが、リアル化が起きたからなのかは、分からないことも多い。例えば、〈大地人〉が増えているのはリアル化の影響だと思う。ただ、技の性能に波があるのがリアル化の影響かは分からない」


 当たり方の問題での波かもしれないんだが、と言葉を続ける。

 〈古来種〉について……神についてもだが、そこはひとまず秘匿しておく。

 軽々に開かしていいことじゃあ、ない。


「モンスターの挙動の変化もおそらくはリアル化の影響。その関係でか、リアル化前のイベントやクエストに近いような事件が今も起こっている」

「さようでござるか。……食事について聞いてもようござるか?」

「……あれは湿気った煎餅か食える段ボールだ」


 うむ、と彼は頷き、


「こちらでも状況は変わらず、でござるか……さて」


 と、佇まいを正す。


「現在、〈ウェンの大地〉では、暴動が発生してござる。〈ヤマト〉であればそういうことも無かろうと。災害が起きようともお店に並ぶ民族でござるし、――食事」


 そう、と彼は前置きして、言った。


「――食事についても、ここが最速で解決するという期待もござる」

「ああ、……なるほどなあ」


 なんとも納得できる。

 神妙な顔をする外人サムライは、そうでござろう、と頷いた。


「して、アキバの方はどうなってござろうか?」

「暴動は、ひとまず起きてないはずだ。だからって、行くのはあまりおすすめしない」

「……ふむ、奇妙丸殿も、脱出したクチにござるか」

「ああ、……いや、そうじゃない」


 別に割れても髭が生えてもいない顎をさすりながら言う。

 イチイチ仕草がサムラァーイブシドォーゥしている男だった。

 会話の流れが早いやつだな、と思いながら、言葉を返す。


「果物――正確に言えば、素材アイテムには味があるのは知ってるか?」

「聞き及んでござる。……いや、なるほど。取りに来たのでござるか? 脱出ではなく?」

「そうだ、逃げた訳じゃない」

「なるほど……フジの位置的に、ふむ……〈アキバ〉に行っても、意味は大して無さそうでござるな」


 だろうな、と頷くと、ヒカズは身を前傾にして、


「では、奇妙丸殿、もそっと詳しく、話を聞かせて頂いてもようござるか?」

「ああ……いいぜ」


 ……現在、五名。

 〈付与術師〉、奇妙丸。

 〈召喚術師〉、シャル=ロック。

 〈盗剣士〉、ズーン・ダーン。

 〈神祇官〉、ナギサ・フォレスト。

 〈守護戦士〉、クレスケンス。

 バランスは悪い。

 いや、本来ならそれなりにいいはずなんだが――スプリンクラー、機動型前衛サマナー、ダブルシールド護衛型、素手物理巫女、半裸スカーレットナイト。

 魔法攻撃はかろうじて俺がカバーできるが、回復は、……ナギサが回復を使えない、と言うか使うつもりがないらしいことから、マトモな回復がシャルの〈ユニコーン〉くらいしかない。

 その辺の野良PTの方がたぶんマシだ。

 この〈武士〉、金ヶ崎ヒカズがどうなのかは分からないが。

 彼は、メシの為に、覚えているとはいえ、〈妖精の輪〉に飛び込んだ男だ。

 ここまでバランスが悪いなら――どんなやつでも、誘って構わない、か。


「ただ、聞くなら……逃がさないぞ?」

「ふ、ふ、ふ……望むところにござるよ」


 ヒカズは笑う。

 ……かくして。

 六人目を加え、俺たちは、〈霊峰フジ〉へと向かうことになったのである。










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●〈トラツグミの呼笛〉

 〈独唱〉と〈二重奏〉、二本セットの、長尺の〈秘宝級〉の杖。

 二本セットが前提のため、単品の能力補正はそこそこ以下。

 二本セットで装備することで、『魔法の威力、効果を0.6倍して二連射』することができる。

 防御力や耐性の関係上、通常はダメージが落ちるが、防御力が紙な相手には強く、僅かにタイムラグがあるため一つの魔法で二つの対象を狙うことも可能(操作が忙しいが)。

 また、分割した魔法の効果でないものは0.6倍されない(装備の追加効果や、〈カルマドライブ〉の効果など)。

 一本づつ装備することも可能。

 その場合、〈独唱〉は『25メートル以内にいる人数が少ないほど、魔法の威力が強化される』効果を、〈二重奏〉は『通常の〈秘宝級〉程度のステータス強化』を発する。

 また、〈独唱〉は一匹の、〈二重奏〉は二匹の鳥形騎乗生物を呼べる。

 〈独唱〉側のほうが性能は高いが、〈二重奏〉は当然二人移動することが可能である。

 入手難度はそれなり以上。

 武器の追加効果を乗せる、または状態異常耐性は高いが効果の高い相手に使う、あるいは雑魚が大量に出るクエストで使われることはある。

 奇妙丸は連射中の対象変更で、広範囲に規制時間の長い強力なバフをばら撒くタイプのプレイヤーである。まあ大体〈パルスブリッド〉を撃っているのだが。



●〈じんべえ〉

 日本サーバー限定〈通常級〉上/下衣セット。男女共用。

 対応レベルは1。完全におしゃれアイテム。

 ただし初期装備よりは、ほんの少しだけ強いので、稀に装備している初心者を見ることができる。

 〈ゆかた〉などと共に温泉がある地域で販売されており、カラーリングは10種類ほどある。

 〈甚平〉になるとレベル1対応の〈制作級〉。こちらは柄があるタイプ。

 一応高レベル対応の甚平も存在するが、たいていはおしゃれアイテム。


●〈ブレードトップ〉

 盗剣士の特技。二刀流向けの技。

 高速回転による連続攻撃。

 出が早く、自分の周囲を攻撃するので乱戦に強い。

 クリティカルが発生するとノックバックが生じるが、その分技後硬直が長いのが難点。

 習熟度に応じて、追加入力が可能になり、回転が延長される。

 ヒットストップの関係上、空中で使うと浮く。タップス●ンとか呼ばれたりも。

 特殊効果はないが、何だかんだ便利。


●防具分類

 ……そういえばですが、この話での防具分類。

 軽鎧や重鎧、といった区分ではなく、装備部位的な意味で。

 実際設定上どうなのかはともかく、この話ではこう、……という認識で。

 ・インナー

  下着や水着、鎧下など。女性用は上下セットが基本。

  原作では下着の存在がなかったそうですが、この話では現在のところ下着型防具・レオタード・さらし+半見せ褌で女性陣には問題がとりあえずなかったり。

 ・頭

  兜/帽子/冠などの防具と、メガネやカチューシャなどのアクセサリで二つの枠。ピアスなどもここ。

  兜はアクセサリ枠をつぶすことが多い(その分性能は高い)

 ・首

  ネックレスやマフラーなど。ただしマフラーは外套枠のことも多い。

 ・上衣/下衣

  上着やズボン、スカートなど。一部インナーと干渉する。

  『ログホラ』原作中でいえばシロエがいつも着てるセーターやズボンなどがこの分類。

 ・腕

  手袋、小手などの腕防具。

  盾も場合によってはここ。

 ・指

  指輪など。魔法の発動をこれで賄う場合もあるとか。

  兜と同様、小手と干渉する場合がある。

 ・足

  靴。靴下やニーソックスとかとセットになっていることも多い。

  グリーブ(脛当て)などはこの分類に入らないことも多い(下鎧とセットの場合など)

 ・上/下鎧

  基本的には〈●●の鎧(上)〉などで分類される。

  胸当てなど上鎧部位しかないものも多い。

  また、『全身鎧』というカテゴリで、かならず上下セットになるものも。

  全身鎧の場合、上衣下衣、小手や靴、頭の防具枠まで埋めることも多い。

  ただしその場合でもインナーにはほとんど干渉しない。

 ・外套

  マフラーやマントやコート、ポンチョなどの類。鞄などもここに含まれることがある。

  鎧を着ていないことが装備条件だったり、鎧の中に含まれている場合がある。

 ・まとめ

  アクセサリ枠:インナー・頭・首・腕(防具枠と共用)・指・外套(防具枠と共用)

  防具枠:上/下衣・頭・腕・足・上/下鎧・外套(アクセ枠と共用)

  たとえば、シロエなんかは、『頭:メガネ 上衣:セーター 下衣:ズボン 外套:星辰の霊衣』……とかになる感じです。

  原作的にはアクセサリ枠は全身で2,3で干渉によって装備不可部位が出てくる……とかなのかも。

  繰り返しますが、この話ではこう。ということでひとつ。


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