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プロローグ/第1章:夏の始まり

朝の陽射しが校舎の窓から差し込む。廊下には、学生たちの笑い声や靴音が軽やかに響いていた。


「ひなた、早く行くよ!」

桜井ひなたは元気いっぱいに声を上げ、ふわりと揺れるピンクの髪を揺らしながら廊下を駆け抜けた。その小さな体は軽やかで、どこか柔らかさを感じさせる。転びそうになった瞬間、机にぶつかりかけて「わっ!」と慌てる姿に、思わず笑いが漏れる。


「落ち着きなさい、ひなた……」

高瀬蓮の低めの声が後ろから響く。クールな眼差しの奥に隠れた、少し戸惑った様子が垣間見える。手元にある小さなノートを握りしめ、ちらりとひなたの動きを気にしているその仕草が、どこか胸キュンを誘う。


庭では天野つむぎが小さな花を摘んでいた。小柄で華奢な体型、指先の柔らかい動きに、思わず守ってあげたくなる気持ちが湧く。少し風に揺れる髪の先に、朝の光がきらりと反射した。


校庭の端では風間響がサッカーボールを蹴りながら駆け回っている。筋肉の躍動に合わせて飛ぶ汗の粒が太陽に光り、無邪気な笑顔と共に場を明るく照らす。たまに転びそうになっては大げさに手を振り、仲間たちの笑いを誘っていた。


図書室の一角で白石みことは静かに本を読んでいる。清楚な姿勢と控えめな仕草、髪を耳にかけるその指先にさえも、微かな胸キュンを感じさせる何かがあった。


そんな中、ひなたが手にしたフルーツをつまむ仕草に、思わず視線が集まる。柔らかい果肉を口に運ぶその一瞬、心の中で小さなドキドキが芽生えたのは、誰も否定できない。


「さあ、今日は何して遊ぶ?」

響の声に、ひなたがぴょんと跳ねながら返事をする。笑い声が混ざる校庭は、いつも通りの穏やかさと、どこか胸が高鳴る予感に包まれていた。


――夏が、静かに、そして少しずつ動き出す。


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