02:音鳴Midnight Radio
海なし県にあるO高校では、毎週木曜日深夜に校内放送で音楽が流れる。
先日、推しVtuberの配信を見ていた多治見恵那は、そんな噂があることを知った。
海なし県というのは、海に面していない県のことだろう。そして、Oはアルファベットに違いない。
くしくもこの春、多治見はそのどちらも当てはまる高校に入学していた。
私立音鳴学園。それが、多治見の通う学校だ。明治初期に初代校長である音鳴都築が音鳴塾を設立し、そこから百年以上続いている。今の学園長は三代目らしい。
生徒数はここら辺の高校に比べると多い。古くから続いていて、今でも多くの生徒が通うこの学校ならば、多少怖い話があってもおかしくはないだろう。多治見はクラスメートに学校内の怖い話があるか聞いてみた。
トイレの花子さん、夜な夜な流行りの音楽で踊りだす人体模型と骸骨標本。学校内を徘徊する初代校長の銅像。定番のものがある中、夜中に校内放送で音楽が流れる噂もあった。
「でも、今の時期に学校に侵入するのはオススメしないよ」
クラスメートの一人、韮崎が多治見に告げた。当然、多治見は何故なのか尋ねた。
「今の時期は警備を強化しているんだ。やんちゃな新入生がほぼ毎日侵入するからって。警備する人数も増やしているらしい」
「今の時期ってことは、警備が緩くなる時期があるの?」
「夏を過ぎれば……文化祭シーズンが終われば、みんな噂話なんて気にしなくなる」
それじゃあ遅い、と多治見は悲嘆した。
韮崎に理由を聞かれたが、なんでもないと答えた。
無論、夛賀ワカルの為である。ホラーが苦手だと言っていた夛賀が、夏以降にまたホラー回をしてくれる保証はない。
先日のおたよりが音鳴学園のことならば、なんとしても続報を夛賀に届けたかった。あわよくば、続報を伝えることで、他人よりもより強く、夛賀に認知してもらえるのではという下心もある。
「なんの話をしているの?」
会話に入ってきたのは、見知らぬ生徒だった。三百人はいる新入生の顔をすべて覚えているわけではないし、もしかしたら上級生かもしれない。だが今の時期には早く半袖のワイシャツを着ていた。
「学校の怖い話って知ってる?」
「怖い話……七不思議みたいな?」
「そうそう。この学校にも花子さんとかいるって聞いたんだけど」
半袖の生徒は多治見のことを物好きだなぁと笑った。勿論その生徒にも夛賀ワカルのことは話さない。興味があるとだけ答えた。
「それならひとつ、いい情報を知っているよ。飛び切り信憑性もあって、怖くて面白いやつ。聞きたい?」
「あー、私はパスかな。それより昼休みもう少しで終わるから、早く戻ってきてよね」
韮崎は立ち上がり、教室へ戻っていった。
半袖の生徒がどうするか聞いてきたのに対し、多治見はお願いしますと答えた。
「この学校には旧校舎があるのさ。旧校舎の方なら警備も甘いだろう」
「旧校舎?」
多治見が尋ねると、その生徒は旧校舎について説明してくれた。
初代校長が、音鳴塾から音鳴高等学校に改名した際に建てられた校舎だ。耐久性も弱くなっていた為、四半世紀ほど前に新校舎に移り変わったそうだ。それから、何故か旧校舎は取り壊されず、放置されているらしい。
「初代校長の霊があの校舎に縛られてるって噂もあるらしいよ」
半袖の生徒はわざと、おどろおどろしい声色で言った。
旧校舎は資料館として改修して再利用するという話があることを知っていた多治見は、少し滑稽だと思った。
多治見は、半袖の生徒が言った言葉がにわかに信じられなかったが、その真偽も含めて確かめに行き、それを夛賀ワカルに報告すれば良いのではと思った。
「旧校舎にはどうやって行けばいいの」
多治見が尋ねると、半袖の生徒はニヤけ、答えた。
「ここから少し離れた場所に、小さな山があるだろう。あの山すべてが、学園所有の土地らしいんだ。麓の門が固く閉じられているけど、門に行く途中に旧道があるんだ。それは途中で途切れているけど、草木をわけて登ることはできる。十分ほど登り続ければ、旧校舎が見えるよ」
半袖の生徒はにたりと笑った。背中に寒気を感じた。
直後、昼休みが終わるチャイムが鳴った。五分後には五時限目の授業が始まるチャイムが鳴る。
一瞬、自分の教室の方角を向いた。
「チャイム鳴っちゃったから、また放課後にも教えて」
お願いするために再び半袖の生徒を見ようとしたが、半袖の生徒はすでにいなくなっていた。
「さ、先に行かれた……!」
多治見もすぐに立ち上がり、自分の教室へ急いだ。
放課後、半袖の生徒を探したが、見つけることはできなかった。
昼休みに聞いた情報だけを頼りに、多治見は旧校舎のある山へ向かった。
半袖の生徒が言っていた旧道を探すのに時間がかかった。門へ行く途中にあると話していたが、雑木林には雑草も生い茂っており、道と呼ぶには難しいほど荒れていて、それが旧道だと判断した、というよりは、旧道であってほしいと、ある意味賭けに出たように判断したのだった。
草木をかき分け、足を大げさに上げながら歩いていく。時折地面が抉れていて、足を滑らせそうになった。それでも、多治見は登っていく。道の険しさや怪談に対する恐れよりも、夛賀ワカルに認知されたいという承認意欲の方が強くなっていた。推しに自分の存在を知ってほしい、あわよくば特別扱いしてほしいという欲求が膨れあがり、大きくなっていった。その欲望だけで多治見は過ちを犯した。
十分以上、坂を上がる。登りきった先にフェンスが立ちはだかる。多治見はよじ登り、そして旧校舎の校庭に降り立った。
明かりなんて当然無い。雲の合間から差す月の光で、校舎の全貌を薄っすらと視認できた。当時流行していた擬洋風建築のようだった。
明治初期に建てられた校舎らしく、大屋根の校舎に、塔が生えている。
念のため校庭の端をゆっくりと歩き、校舎に近づいていく。建物の目の前まで辿り着いてから、スマートフォンのライトを点けた。
当然、中は真っ暗で、覗くのを少し躊躇った。それでもやはり、推しへの欲求の方が比重が重かった。
多治見はスマートフォンのライトを旧校舎の中へ向けた。内装は木造建築だった。
板張りの廊下を、ゆっくりと歩こうとする。一歩踏み出すと、板が軋む音が廊下中に響いた。
多治見はその場で固まり、これ以上音を出さないようにした。暫く、その場で静止していたが、他に音は聞こえてこなかった。
自分が鳴らしている音以外が聞こえてこないということは、他に人はいないのでは。そう思った多治見は、堂々と歩く事にした。
老朽が進んでおり、一部では床が抜け落ちていたり、折れた板材の破片部分が天を仰いで突き出ていた。
多治見はトイレを探した。もしかしたら、花子さんがいるのではないかと思ったからだ。
木造校舎の中にトイレは無く、二階と一階それぞれから行くことが出来る別棟にあった。一階には美術室、二階には音楽室のような部屋があった。
別棟は木造ではなく鉄筋コンクリートのようで、床も板張りでは無く、加工されたフローリングだった。内装から見ても、別棟はあとから増築されたようだった。
多治見は一階と二階両方のトイレを見たが、誰もいなかった。
「やっぱり何もないか……」
多治見はため息交じりに呟いた、その時だった。
「誰……?」
女子トイレで声が響く。自分以外の声が聞こえてくるとは思わず、人の気配がしないと感じていた多治見は、それが本物のトイレの花子さんなのではと思ってしまった。
多治見は驚愕と恐怖の悲鳴をあげ、女子トイレから飛び出した。
無我夢中で走っていると、バキッと大きな音がしたと同時に、足元を掬われたような感覚がした。
朽ちた床材を強く踏み込み、抜け落ちた。そこから落下して、下の階に落ちたようだ。
背中と尻を強く打って、息が苦しくなる。
誰かが追ってくる気配はない。もしかしたら、女子トイレで声が聞こえたのは気のせいだったのかもしれない。痛みで恐怖はなくなっていた。それよりも、こんなところまで来てしまったことに今更後悔していた。
「なーにやってんだか」
深くため息とついた後、突然、ザザ、ザザザとホワイトノイズが激しく聞こえてきた。廊下の天井や、教室の壁に埋められているスピーカーから漏れ出ている。
既に使われていない旧校舎でノイズが流れ出すこと自体、あり得えない。やはりナニかがあるという事実を知った多治見の心臓は、早くそして強く鼓動し始めた。
しかし、多治見の心臓を落ち着かせたのもまた、そのスピーカーだった。ノイズが漏れ出してから暫く経つと、そのノイズに混ざって音楽が聞こえてきた。
ジャジーな曲だった。喫茶店で流れていそうな、落ち着いた曲が流れていた。コナコーヒーが飲める喫茶店で、パチパチとパソコンのキーボードを叩いてドヤっている作家もどきを見たことを思い出した。
「皆さん、夜分遅くお疲れ様です」
随分と落ち着いた渋い声だった。
「そして、大変お待たせいたしました。音鳴ミッドナイトレイディオの時間です」
渋い声が番組を始めた。
「この番組は真夜中の日々に退屈している皆様へ、より楽しく充実した時間を提供するための番組です。私、パーソナリティの音鳴都築と申します」
「音鳴都築ぅ!?」
初代校長を名乗るパーソナリティに、多治見は大きな声を出した。
自分が来るよりも早く来た誰かによるイタズラなのかと思いつつ、一方で半袖の生徒の言葉を思い出す。
「初代校長の霊……?いや、銅像が動くどころか、パーソナリティやってるじゃん……」
多治見は落下した場から動かないまま、ラジオを聴いていた。
「先週のゴールデンウィーク、皆様はいかがお過ごしでしたか。私はこの山に咲く八重桜の花見をしていました」
「花見とかするんだ……」
「八重桜は私の妻が好きでして、新学期が落ち着きだした今の時期でも綺麗に咲いてくれるものですから、よく妻と一緒に花見をしていましたよ。妻が弁当を用意してくれてね、私が好きな豆ご飯の握り飯を用意してくれました。快晴の日に二人で長い坂を登り、八重桜の中で弁当を食べながら、ゆっくりと流れる時間を楽しんでいました。時折、横を覗いて、妻が頬を赤くしながら八重桜に見惚れている顔を見るんです。私は妻のそんな横顔を見るのが好きでして、彼女にバレないよう見ていました。後年になって、実は私が見ていた事を気づいていた事を明かされて、私の顔も赤くなってしまいましたがね」
音鳴都築は自分の思い出話を話した後、長く話しすぎましたと照れくさそうに言った。
「さて、春といえば恋の始まりの季節とも言うのです。学園内でも様々な恋の話を聞いてきました。今日は皆様の恋にまつわるお便りを読みながら、輝かしい日々に思い馳せていこうと思います」
「わぁー……お便り募集とかあるんだ……いや、誰が送るの。送る人いないでしょ」
「今回はおかげさまで四十九通、お便りが届きました。皆様、ありがとうございます」
「結構来てるなぁ……!」
多治見は思わず大きく、驚きと感動が混ざった声を上げた。
「さっそくお便りを読んでいきましょう。ラジオネーム恋する花子さん」
音鳴都築がラジオネームを読み上げると、別棟から短い悲鳴が聞こえた。
「えっ花子さん……?」
多治見は推察を口にする。
「学園長おはようございます。はい、おはようございます。私には憧れの人がいます。私は長年、同じ部屋に引きこもってました。外の人と接するのが怖かったんです」
「私のお便りだー!」
再び別棟の方から声がする。多治見は彼女がトイレの花子さんだと確信した。トイレの個室は果たして部屋というのか、多治見は訝しんだ。
「でもそんなある日、校庭からとても楽しそうな曲が聞こえてきたんです。思わず踊り出したくなるような曲で、トイレの窓から校庭の方を見たら、そこに踊っている影が見えたんです」
「トイレって言っちゃったよ」
「その細い身体で、ときに強く、ときに艶かしく、情熱的な踊りに私、その人のことが好きになっちゃったんです。でも私はこの部屋から出たことがなくて、その人に声をかける度胸もありません。ずっと、窓から彼のことを見ていました……それでも、春はチャレンジをするいい季節だとも聞きます。胸の奥がギュッっと強く締め付けられているこの感情をどうにかするには、どうすれば良いのでしょうか。学園長、よろしくお願いします」
音鳴都築は、文章をすべて読み切ったのか、小さく息を吐き、まず礼を述べた。
「ありがとう。とても勇気がこもった一通だと思います。校庭で楽しそうに踊っている姿、見ていてとても惹かれるものだったのでしょう。声をかける度胸がない……確かに、知らない人に声をかけるのって勇気がいりますよね。私も、昔からそういった生徒の相談はたくさん受けていました。」
音鳴都築が感想を言ってる一方で、多治見は校庭で踊ってる姿を考察していた。
深夜のこの時間に踊る不審者なんて、生身の人間ではないだろう。ともすれば、おばけか、学校の怪談を聞いた時にあがった何かであろう。
多治見は昼休みの時に、深夜に踊る人体模型と骸骨標本がいる噂を聞いた。しかし、旧校舎ではなく、新校舎で見つけられた噂だったので、何故彼らが旧校舎にいるのか。花子さんと同様に実はこの校舎にいたのかもしれないが。
考えているうちに、音鳴都築が次のお便りを読もうとしていた。
「さて、次のお便りを読みましょう。ラジオネーム、踊るガイさんからです」
「絶対骸骨標本じゃん」
多治見はツッコミのような独り言をつぶやいた。深夜ラジオをぼんやりと聞いている時と同じ気持ちだった。
「学園長おはようございます。はい、おはようございます……僕は今、新校舎に飾られている骸骨標本です。この身体を受けてからはや10年。僕はいつも、相方の人体模型と一緒に踊る夜を過ごしていましたが、最近は巡回するおじさんが多くて、新校舎の中で踊る事が難しくなってきました。旧校舎で踊るようになったのは、最近のことです。旧校舎には誰もいなくて、開放的に踊る事が出来ました。ただ、校舎の方から視線を感じて、誰だろうなと思ったら、女の子が僕達の踊りを見て微笑んでいました。今では彼女を楽しませるのが生き甲斐です。できる事なら話しかけ、一緒に楽しく過ごしたいと思ってますが、どうやって誘えば良いのかわかりません。学園長、教えてください」
お便りを読み切った音鳴都築は、一つ息を吐いたあと、礼を述べた。
先のお便りと合わせると二人が相思相愛なのではと、多治見は思った。
「これ、相思相愛じゃね?」
言った。ぼそりと。
「そうですね、君の熱意はきっと、その女の子に伝わっていると思います。そして恋する花子さん、あなたは確かに怖い思いをしてきたのかもしれません。それでもどうか、私達を信じて。その部屋から出てきてください」
音鳴都築が告げた後、ギターの音出しが聞こえてきた。ドラムやサックス、ピアノの音も続く。
「今宵は満月。あなた方が素敵な夜を過ごせるよう、準備をしてきました」
「まさか生演奏!?」
多治見は飛び上がり、真っ先に階段を駆け上がった。二階から落ちた痛みや苦しみは無くなっていて、むしろ身体はとても軽かった。
二階にはギャラリーが十名ほど集まっていた。
皆、多様な服をした学生だったが、その誰もが実態感のない。ほんの少し先の景色がうっすらと見えた。中には昼休みに出会った半袖の生徒によく似た姿もあったが、多治見はそれよりも、彼らが囲っていた先が気になった。
彼らの先には、音楽室と、多治見が女の声を聞いたトイレだった。扉の前には骸骨が佇んでいる。きっと彼が踊るガイなのだろう。
ゆっくりと扉が開かれる。高校生というには幼い顔つきの女の子が、ゆっくりと顔を出した。
恋する花子に踊るガイが手を差し伸べる。
「さぁ、踊ろう」
踊るガイがしゃべった。澄んでいて心地よい好青年の声だった。恋する花子の表情は硬かった。しかし遠めでもわかるくらい、頬が赤く染まっていた。おばけでも頬が赤くなるのだ。ここに来て多治見は驚いてばかりだった。
踊るガイは恋する花子をやさしく連れていく。音楽室の中には、楽器を構える肖像画や、人体模型。傍らにはいつの間にか音鳴都築がいた。
「今夜は特別。踊りあかしましょう」
ドラムがリズムを取り始める。ほかの楽器も続くように音を鳴らし始め、音が重なり曲となる。
身体が自然と揺れるテンポに、時折上がるテンション。どの感情も吹き飛んで、楽しいだけが残った。
歌い踊る、恋する花子と踊るガイ。多治見たちはその様子を楽しみながら、リズムに乗った。
時間を忘れてしまうほどだった。どのくらい演奏されただろうか。音鳴都築が話した。
「さて、楽しい時間はあっという間で、もうすぐお別れの時間でしょう。ですが、勇気を出してここに来た、二人に拍手を」
皆、踊るガイと恋する花子に拍手を送った。もちろん、多治見も二人に対し拍手を送った。
お開きになりそうだった。多治見は一足先に会談を降りて行った。
その視線の先に、多治見は凍り付いた。
「なんで、自分がそこに……?」
視線の先には、二階から落ちたままの多治見。仰向けになって倒れていた。
その姿に、多治見は戦慄した。音鳴都築のアナウンスが聞こえたのは、急に身体が軽くなったのは、お化けたちが見えるようになったのは、そして彼らが自分を見ても何もしてこなかったのは。
多治見は叫びそうになった口をおさえた。叫んでしまったら、取り返しのつかない事になりそうだった。しかし我慢できない。口から漏れ出てしまう。
多治見は大きく叫んだ。魂が飛び出ていそうなほど、大きな叫び声は、建物の外にも聞こえていただろう。
「それではまた次回お会いしましょう」
音鳴都築は告げた後、気味の悪い笑い声をあげた。
……わかる~~~!音楽流れだしたら怖いよねぇ!
…………いや、本当に怖いよ!予想外の音とか声が聞こえたら心臓ビクゥってなるもん!
ジェリ子さんありがとう!海なし県……海なし県って久しぶりに聞いたなぁ。内陸県って言うんだっけ。
夛賀の学校にはなかったかなぁ……科学系の学校だったし、あんまそういうスピリチュアル系な話なかったかも。
あ、でもお泊り会的なイベントがあったかも。一年生の時かな?なんか学年全員で体育館に泊まるイベントみたいなのがあって、そこでクラスメートと怖い話のコピペとか読んでたよ。八尺様とかねぇ。懐かしいなぁ。
あ、ちなみに、もしもそんな噂があっても、決して行かないでね!ふっつーに迷惑だと思うし、危ないからね!特に旧校舎とかはダメ!普段人が入ってない校舎って、いろいろ壊れてるかもしれないから、大怪我ししゃうからね!海なし県とか海あり県とか関係なくだよ!
まぁ、本当に怖い話って茶化すべきではないと言うし。まぁ他人に噂されるのって誰しも良い思いはしないか。痛くもない腹を探られる的な?……ちょっと違うか。
まぁとにかく、危ない橋を渡ろうとするのはダメ。
夛賀はみんなが話題提供の為に無茶をするよりも、のんべんだらりと日々を過ごしてくれた方が嬉しいよ。
みんなの話を聞くのも好きだけど、みんなと一緒にいるのが、夛賀にとって何よりの幸せだからね。
みんなわかった?夛賀との約束だよ!