表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦記 ~ここで俺は最強に至る~  作者: かげ2500
第4章 冒険者編 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/649

113話 超好条件!?採掘依頼を受けよう

 翌朝、俺はようやく宿を取ることができた。硬い地面の上で震えながら夜を過ごした後だけに、この暖かな部屋のありがたさが身に染みる。布団の中に潜り込みながら、これからの計画を練る。


(さて、今後どうするか……)


 手元の所持金を確認すると、金貨19枚と銀貨50枚ほど。昨日の依頼の報酬と魔石の換金で思った以上に稼げたのは助かった。だが、これだけでは全然足りない。


 目標はエグザミート――。あの国に入国するための費用が問題だ。


 カランコロンから聞いた話では、エグザミートの入国費用は毎年変動するらしい。国の人口、魔獣の発生率、収穫された作物や水源の質と量――それらが入国費用を左右する重要な要素だという。


『今年は、特に水源の状態が悪いって噂だし、下手すれば金貨100枚超えることもあるかもしれないよ?』


 カランコロンのそんな言葉が頭をよぎる。通常でも金貨100枚が目安という話だが、仮にそれ以上になれば、さらに稼がなければならない。


(目標は最低でも金貨100枚以上。できるだけ余裕を持って稼いでおいたほうがいいな。)


 旅の途中で予想外の出費があるかもしれないし、魔獣との戦闘で消耗した装備や道具を新調する必要もあるだろう。それに、俺のような見知らぬ土地を渡り歩く冒険者にとって、金が尽きるというのは死を意味する。


(何にせよ、まずは稼がないと話にならない。)


 そう決心した俺は、宿を出てギルドへ向かう準備を始めた。


 宿を出た途端、冷たい朝の風が肌を刺す。昨日とは違い、晴れた空が広がっているが、冬の厳しい寒さは変わらない。だが、凍える夜を越えたせいか、この程度の寒さにはもう慣れてきた気がする。


 ギルドへ向かう道中、街の人々の活気に溢れた声が耳に入る。市場では魚や野菜、肉が並び、商人たちが声高に客を呼び込んでいる。その中には、行商人と交渉している冒険者の姿も見えた。


(俺ももっと稼げるようになったら、こういう場所で装備や消耗品を揃えられるようになるんだろうな……。)


 そんな未来を思い描きつつ、ギルドの扉を開ける。


 中に入ると、いつものようにざわめく冒険者たちの声と、依頼を受けるための行列が目に入った。昨日は魔女とのいざこざや事情聴取で散々な目にあったが、今日はそのようなことが起きないことを願いたい。


 俺はカウンターに向かい、受付の女性に声をかける。


「おはようございます。今日も依頼を受けに来ました。」


 受付嬢は昨日と同じ女性だったが、彼女は俺の顔を見るなり微笑んで言った。


「おはようございます。昨日は本当にお疲れ様でした。今日はどんな依頼をお探しですか?」


「ええと、できるだけ報酬の高いものを優先でお願いします。」


「かしこまりました。それでは少々お待ちください。」


 彼女が用意してくれたのは、掲示板に貼られる前の依頼リストだ。そこにはB級魔獣の討伐、街道の護衛、さらには鉱山での採掘作業など、さまざまな仕事が並んでいた。


(どれにしようかな……。)


 俺は少し迷いつつ、今後の目標達成に向けて最善の選択を考え始めた――。



「…これにします。」


 悩んだ末、俺が選んだのは鉱山での採掘作業の依頼だった。


「採掘依頼ですね、承知いたしました。手続きを進めてまいりますので、少々お待ちください。」


「分かりました。」


 受付嬢が手続きのために奥へ下がっていくのを見送りながら、俺はこの依頼を選んだ理由を改めて考える。


 採掘作業系の依頼は、これまで何度か受けたことがある。

 過去にフェンリと一緒に受けた依頼では、採掘した鉱石の取り分はたったの1割。それに加えて作業環境は最悪だった。湿気と熱気で息苦しい狭い坑道、老朽化した道具、鉱山特有の粉塵で何度も咳き込んだ記憶がある。

 あれ以来、採掘系の仕事にはあまり良い印象がなかった。


 だが、今回の依頼は違う。依頼の説明欄に書かれていた内容が、その思いを一変させた。


 まず、採掘した鉱石の取り分が依頼人6割で俺が4割という点だ。4割というのは採掘作業系の依頼では異例の高条件だ。依頼人がよほど太っ腹なのか、それともよほど良質な鉱脈があるのかはわからないが、俺にとっては好都合だ。


 そしてもう一つの理由は、採掘時間に制限がないということだ。普通の依頼だと「〇時間以内に〇〇量を採掘すること」といった厳しい条件が課されるが、今回は「好きなだけ採掘して、好きなタイミングで終わっていい」となっている。


 それに、前にフェンリと採掘依頼を受けたときに覚えた『コツ』もある。それを活かせれば、短時間でかなりの成果を上げることができるはずだ。


「手続きが終わりました!」


 考え込んでいるうちに、受付嬢が手続きを終えて戻ってきた。


「ありがとうございます。」


 渡された書類には、鉱山の所在地、必要な道具のリストが記されている。それを一通り確認し、俺は鉱山に向かう準備を始めた。


 ギルドを出て、鉱山へ向かう道すがら、俺は過去の採掘経験を思い返していた。


 前回の採掘では、何も知らずにただ闇雲に掘り続けていた。だが、作業の中で気づいたのは「鉱脈のパターン」だ。鉱石の質や密度は、岩の色や硬さ、手触りからある程度推測できる。経験豊富な採掘者なら常識かもしれないが、俺にとってはまさに発見だった。


(あの時はフェンリが手伝ってくれたからなんとかなったけど、今回は一人だ。うまくいくといいが……。)


 採掘に使う道具は、依頼人から借りることができるらしい。中には古いものもあるだろうが、道具を使いこなせれば効率を上げられるはずだ。


 街外れの道を進むにつれて、視界に鉱山の入り口が見えてきた。周囲には数人の作業員らしき姿が見えるが、あまり活気はない。


(ここが、今日の戦場か……。)


 俺は深呼吸をして、鉱山の入口に足を踏み入れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ