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それはそれとして  作者: 新免創子
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私の場合


「だから、先輩から言って欲しいんです。私、とっても怖くって。」


シンプルなチェックのシャツに、黒のニット。細めのジーンズ。

雑誌で言われる鉄板モテコーデを嫌いシンプルが好きだという女ほど、気を付けるべきだというのは本当かも知れない。


時刻は夜の20時、彼氏の元カノからの急な呼び出しという時点で、嫌な予感はしていた。けれどこれはあまりにも、あまりにもひどいのではないか。


「私はもともとよりを戻そうなんて思っていなくって、ただ先輩たちがうまくいってないのかなって思って、ずるずる関係を続けてしまっただけなんです。なのに本気になられちゃうなんて、私怖くて。だから先輩から、もう私に近づかないで欲しいって伝えてくれないかなって。」


トマトジュースを一口飲んで、さらに彼女の言葉は続いていく。その言葉を聞きながら、なぜかいる彼女の味方ふたり(私にとっては仕事仲間ふたり)が頷いている。何を言っているのかよく聞こえないけれど、多分要約すると


先輩の彼氏と浮気していたけれど、本気になられたからもういらない。

かわいそうで被害者なのは私だから助けて欲しい。


ということなのだろうか。気になる点が多すぎる。

まず浮気をしていたのを何故開き直れるのか。絶対に私に対しては加害者だろう何故かわいそうな私になれる。そしてお前らも何故頷く。しかも本気になられて困るって、それは現彼女である私に対する最大の侮辱じゃないのか。色々と脳内を駆け巡っていく思考はあるのに、ようやく私の口から出た音は、


「そうか。それは大変だったね。でも私からはちょっと言いにくいから、誰か別の人に頼んだほうがいいと思う。」


とても柔らかいものだった。

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