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死闘

盆休みも今日で最後!!連続投稿何とか達成orz


全体的に荒いので、連続投稿分は修正入るかもしれません。(誤字脱字、表現の一部修正)

 銃弾が弾ける音が耳に響く。

 身体能力を上げた影響か、その音がやけに耳に残る。


 燃える火と火薬の焦げた匂い。

 それに混じって漂う血の香り。

 夜の闇に輝くのは、火薬の弾ける一瞬の閃光。


 そのどれもが懐かしくも苦々しい思いと共にこみ上げてくる。

 

 おそらく、これはじじいの記憶。

 流されそうになる思いを堪え、ただ意識を目の前の戦いに向ける。

『クリス様。傷の手当てが終わりました。合流します』

 無線の役割をしていた通信用ゴーレムからサーシャの声が聞こえる。

「いや、俺の合図があるまで待機。弓と矢は?」

 ジグザグに走りながら、俺はサーシャとの通信を続ける。

 幸い、声は銃弾の音がうまく消してくれている。

『あります』

「俺が隙を作る。サーシャはその隙をついて狙撃してくれ。それまで隠れてろ」

『しかし……』

「後衛の役割忘れないでくれ」

 そういうと、耳元に銃弾が通り過ぎる。

「何ぶつくさ言っているのですか!!」

 苛立った表情で、こちらを睨みつけるアルフレッド。

 貴公子然とした姿はすでになく、獣のように感情をむき出しにしている。


「本当にあなたは何者なのです! 銃での戦いのセオリーをあなたは把握している! 銃は帝国の技術なのにっ!」

 知るか!と俺は内心悪態をつく。だが、知らなくても体は勝手に動き出す。

 銃口の向きから弾道を予測。相手の弾の切れるタイミング。跳弾を含め、脳内でシミュレート。

 最適な解に従い、俺は体を動かす。


 しかし、その予想を覆すものがある。そう、奴の魔術だ。


 撃った銃弾が、俺の背後で反射する。弾かれた銃弾は俺にめがけて飛んでくる。

『注意。敵攻撃が背後から……』

(解ってる!)

 その気配を察知した俺は、体を僅かに傾ける。

 脇腹をかすって、銃弾が空へと消えていく。じわじわと零れる血。しかし致命傷ではない。


 奴の魔術は考えれば解りやすいものだった。

 ただ、聞いたことのない特性ゆえ反応が遅れてしまい、ここまで追いつめられる結果となってしまった。

 奴の能力はシンプルだ。

『力場形成』『反射属性付加』

 

 その2種類

 弾丸をそらしたのは力場で作り出したシールドに力場形成の魔術を付加。その角度を調整することでこちらに弾丸を返してきた。

 屋根と床を吹き飛ばしたのも、床の裏側に力場と反射をセット。少しの衝撃でも反応するようにし最大出力で吹き飛ばしたのだろう。

 

 つまりはアルフレッドの体内には二種類の魔力が通っており、そして、俺が一度に目視できるのは片方だけ。

 だから、意識を向けるのは、反射のほう。


「何故避けれる!何故!」


 アルフレッドを包むのは薄い青のオーラ。

 それが奴の魔力の色。しかし、俺の眼にはその色も掠れ、脳裏に頭痛が走る。

 限界が近い。だが、まだ倒れるわけにはいかない。

 余裕がないのも奴も同じ、痛みを知らないボンボンだ。

 左手とはいえ、これだけ血を流せば冷静にいられるはずもない。


 魔術も乱雑だ。

 俺の足元に青い光が生まれる。

 踏めば、俺は体ごと宙を舞うことになるだろう。

 しかし、見えていればそんなに恐ろしいものではない。

 銃弾を避けると同時に、その地雷を飛び越える。


「《かき乱せっ!夜泣きのカラスは場を乱す!!》」

 やばい、詠唱か!

 詠唱するということは、奴も本気を出し始めたということ。

「『クライング・クロウ』」

 しかも頭に血が上っているようで根っこのところで冷静だ。

 隙が少ない短い詠唱。

 放たれた銃弾は1。青く輝くその銃弾は彼の魔術にしてはシンプルに一直線。

 避けようと回避行動を取るが、しかしその直後、弾丸が弾ける。

 キィィィン、と響く金属音。

 

 青い金属片が四方に飛び散り、地面や壁に突き刺さった破片が再び壁を吹き飛ばす。

 俺を中心に四方に生まれた瓦礫は、俺を目指すように飛んできて……


「サーシャ!うてぇぇぇぇぇ!!!」

 

 ありったけの声で俺は叫ぶ。

 鉄壁ともいえる反射の壁に守られたアルフレッド。

 隙が出来るとしたら、ある程度大技を放つ時、即ちこの瞬間しかない!


 矢が放たれる。

 飛び交う瓦礫の隙間を縫って、その矢はアルフレッドを狙い。そして……


「なっ!」

 アルフレッドが慌てて張った力場の盾。準備のないその力場は彼女の矢を防ぐには力が足りず、バリン、と音を立てて盾が崩れ去る。

「がっ!」

 しかし、盾は盾としての役割を全うしたようだ。

 その矢はわずかに軌道が反れ、頬を軽く割くだけで終わる。

「き、さまぁぁぁ!」


 アルフレッドの怒りに燃えた声。その視界の先にはサーシャの姿。

 やばい、サーシャの傷は完全に癒えていない。


 この状況を打破するにはどうすれば!


『60秒経過。

 魔力の残量0を確認。身体能力通常値まで低下しました』


 くそ、役立たずめ!

 奴の反射の魔術を使おうにその魔力さえ残ってない。

 万事休す。身体強化を使っていないというにすべてがスローモーションに見える。


 俺はいい。利用価値があるから死にはしない。

 だが、サーシャは? 間違いなく殺される。慰み者にされて、最後は惨たらしく殺される。


(そんなの、認めるわけにはいかないっ!)

 吠える。声にならない咆哮。


 魔力が無い?ないならある場所から寄せ集めればいい。

 魔力なんて大気中に、溢れているじゃないかっ!


「てめぇら……」

 そこら中にある魔力に意識を飛ばす。

 地、水、火、風、闇、光、反射、心理的抑圧、召喚、因果、空間、時間……


 ありとあらゆる魔力に手を伸ばし……


「俺に従え!!」


 猛毒と言われる大気中の魔力。それらを一気に取り込む。


 視界が真っ赤に染まる。

 ギチギチ、と体が悲鳴を上げ、ところどころから血を吹き出す。

『警告! 体内に魔素の数値が危険水準に達しました。今すぐ、危険な行為を辞め……』

 関係ない!!

 体中が痛い。頭なんてもう割れそうな程痛い。

 だが、関係ない。大事な家族を救う力があるというのなら……


「迷ってる暇なんてねぇんだよっ!」」

 

 適当な術式に魔力を籠め、無造作に放つ。

 風を起こすだけの魔術は、暴風となり周囲の瓦礫を吹き飛ばす。


 ダン、と『空中』を蹴る。

 先と、比べものにならない身体強化。

 何かが抜けると同時に何かに満たされていく感覚と共に、俺は風となる。

 ぐおん、と音を立て奴の隣に立つ。


 目に居るのはぽかんとした奴の顔。

 俺の腕は、奴の体を貫き、それと共に俺の意識は闇の中へと落ちていった。


大気中の魔力は猛毒です。


遠い記憶( http://syosetu.com/usernoveldatamanage/top/ncode/699616/noveldataid/5194448/ )

でそこら辺ちらっと書いてあります。



連続更新。ここで一旦区切らせていただきます。

来週から週一ペースの更新になります。

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