~ 47 ~
戻ってきた仲間を出迎えたマリアンとリルは驚いた。
見知らぬ人が四人、しかも明らかに成人前の少年少女が増えている。
自分と同年代と思しき彼らに興味を抱いたリルが「ご主人様がこの四人を助けたですか?」と尋ねると、レイヴァンは首を振り「助けたのはブライトで、俺ではない。それに救助したのは少年だけで他の三人には奇襲されただけだ」と答えた。
「……奇襲?」と首を傾げるリルに向かって主人のレイヴァンは続ける。
「リル、とりあえず全員分の食事を用意してくれ。 食事を終えたら日が沈むまで歩くことになるから量は多めにな」
「この人たちの分もですか?」
「そうだ」
「食料に余裕はないですよ?」
「なら、彼らに優先的に与えてやってくれ」
振り返るレイヴァンに釣られリルが視線を向けると、其処にいた四人のうち青髪ツインテールの少女が険しい表情を浮かべながら答えた。
「私たちだって携帯食ぐらい持っているんだから、施しなんて要らないわよ!」
「……ご主人様、どうしてこの人は機嫌が悪いですか? もしかして、お腹が空いてるですか?」
「別に悪くないし、お腹も大して空いていないわよ! ただ、大人げない発言をする人が居るから呆れているだけよ!」
主人が答えるよりも早く、こちらを睨みながら答える少女の様子にリルは「明らかに機嫌が悪いです」と零してから食事の用意を始めた。




