~ 28 ~
「若いのに訳ありか?」
「いえ、そんな大層な理由があるわけではないんです。 その…… 皆と逸れちゃって……」
「やっぱ、そういうことか。 だよな、一人旅なのに今の蜘蛛ぐらいで腰抜かしていたら目的地まで何年かかるんだって話になっちまうもんな。 ……となると、今の妙な間は逸れたって言うのが恥ずかしかったのか? そんなことなら気にするなよ。 自慢じゃないが俺もよく仲間と逸れるんだ。 でも、遅くても数日で再会できる」
「……本当に自慢できるような話ではありませんね」
苦笑いを浮かべる少年に向かって屈託の無い笑顔で答えると、続けて極めて当然の提案を持ちかけた。
「とりあえず、お前さんの仲間を見つけて合流しようぜ?」
「そ、そうですね……」
「……ふむ。 少年よ」
「はい」
「お前さん、綺麗なお姉さんは好きかね?」
「……はい?」
「綺麗で色っぽいお姉さんは好きかね?」
「あの、突然何をおっしゃっているのか意味が解らないのですが」
「綺麗で色っぽくて巨乳のお姉さんは好きかと聞いているのだよ」
「ええっと…… その、たぶん人並みには好き。 ……なのかな?」
「そうだろう、そうだろう。 男だったら絶対に好きだよな! 綺麗で色っぽくて巨乳で美脚のお姉さん!」
「あの、ですから、先ほどから何をおっしゃっているのです? その質問には何か意味があるのでしょうか?」
「もちろん、あるに決まっているさ。 ここで会ったのも何かの縁ってやつだ。 仲間と合流する前に、お前さんにだけ、その美女に会わせてやるよ」
「えぇ!?」
「よし、そうと決まれば、さっそく美女の待つ野営地に戻ろうぜ!」




