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† 嘘つき熟女 vs 国家のワン交 †

気付くと私は病院のベッドの上だった。


看護師が指を見せ、


「これ何本に見えますか? 」


と意識と視界の確認を数回した。


頭は上手く回らなくてボーーーっとするが視界も意識も問題なし。


指の本数もしっかりと答えられる。


驚いたのは、自分のか?! と疑うほどの声。酷すぎるかすれ。不快で醜い音らしきものが僅かに出る程度。


きったねえ声だな!!!


身体が・・・・・・・・痛い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


動かない?!?!?!?!?!


少々パニくっているところに別の看護師がやって来て、


「これ何本に見えますか? 」


また? そう思いながら汚い音で答える。そして新たに聞かれる。


「目、痛くないですか? 右目、見えますか? 」


「は・・・あ・・・・・? 」


目? 痛くもないし、見えているし自分的にはなんの異常もなさそうだけど。


瞼が異常にスッッッゴイ腫れているんだろうなってのは、分かる。


そんな事より身体が・・・・・・・・・・・・。


その後も「これ何本? 」と「右目大丈夫ですか? 」攻撃を数回浴びせられた。


そしてほどなく・・・・・・出た! 来た!


3人? 4人? くらいだったと思う。


刑事ですよ・・・・・・。



『警察に通報なんて、マヌケなこと! 』


って思っていたのはいつの事~~!




「これ何本に見えますか? 」


お前もか!!!


突っ込みたいのをこらえ、冷静に答えた。


「意識は大丈夫そうですね。お名前は? 」


「仮名です」


今でも思うのだが、よくあんな状態状況の中でも偽名を言えたな~と感心する。


職業病か? 源氏名を使う仕事を長いことしていたからかな?


「 仮名さんね・・・。今どうしてここにいるか分かりますか? 」


「はあ、だいたい・・・・・・ホテルで、首、絞めて・・・・・・」


激痛ながらもなんとか身体は動かせそうだ。


少し起きてみる。


い! いいぃっっっっっっっっっっってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!


鈍痛が首から背中から腰から響く。


超!!! いいぃぃっっっっってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


左腕に点滴が刺さっているのに気づいた。


あっ、点滴初めて☆


「ああ、無理しないでいいですよ。で・・・首・・・それ、自分で? 」


「はい。自分で絞めました」


「自分で?! 」


刑事同士が目を合わせあって驚いている。


「本当に・・・・・・・自分、で? 」


「はい、本当に自分で絞めました」


「本当に? ・・・・・・誰かに絞められたんじゃ・・・・・・? 」


「いえ。自分で、です」


「本当に? 」


・・・・・・なんか、しつこいんですけど!


本当なんだから「はい」としか、答えられないんですけど!!!


「本当です。誰にも何も、されてません。自分で絞めました」


「・・・・・・痕がね・・・・・・自分で絞めたにしては痕が・・・・・・」


「は、あ。でも自分で絞めました」


「いや・・・・・・誰かいたんじゃないの? 自分でって、痕がね。痕が・・・・・・かなり酷いんで・・・・・・」


「一人です。自分で絞めました。躊躇はなかったので」


「ああ、そうなんだ・・・・・・」


マージーで! しつこいっつーの!!!!!!


紛れもなく! 嘘でもなく! 一切の迷いもなく! 自分で! 自分の腕力のみで!

一気に! 絞めたんだよ!!!


まったく! なんなのコイツら!


刑事の目がムカつく!


全てを疑ってかかる・・・・・・のも刑事の仕事だろうけど!


始めから疑っている相手に真面目に話そうとは思いません!!!


わたくし、自分の性格が歪んでいるのは自覚しておりますので、徹底的に嘘を突き通す事に罪悪感の欠片もございません!!!!!!


この刑事ではないけれど、過去に二度ほどストーカーがマジウザイ・・・・・・と相談したことあったけど、なんの役にもたたなかったくせに、こういう時だけ目を爛々と輝かせているのもまた・・・・・・ムカつく!!!!!!!!!


あと、なんでため口? 敬語使えないのかしら?


「・・・・・・誰かに殴られた・・・・・・とかは? 」


この野郎本当! マジしつこい!!! まだ聞くか?!


「ないです。誰にも何もされてません。・・・・・・誰もいません。私一人です。自分で絞めました。自殺です。」


「・・・・・・本当に? 鼻血が・・・・・・あと

口からも出血痕があるんだけど? 」


「ふ~ん。でも自分で絞めました」


「・・・・・・。そうか。じゃあ、東京からここに? ・・・・・・死のうと思って? 」


「そうです」


ホテルの顧客名簿はもちろん調査済みか。


住所が偽なのも電話番号が偽なのもバレているだろうが、どうでもいい。


身分証も何もかも処分済みだから私が言わない限り本当の事は分からないハズ!


もちろん! 嘘を突き通します!


刑事の目が! 表情が! ムカつく!!!


微笑というか、ほくそ笑んでいるというか・・・・・・ああーーーーーー!


もう! マジ! ムカつく!!!


ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


早く死にたい!!!!!!!!!


やはり住所も電話番号もでたらめだとバレているようだが! 本当の事はぜぇ

ぇぇーーーーーーーっっっっっっったい

! 教えてやるもんか!!!


「あなた本当に『仮名』さん?」


「そうです」


「・・・・・・違うんじゃないかな? ・・・・・

本当は?」


「仮名です」


「・・・・・・じゃあ、住所は?」


「ホテルの名簿に書いてある通りです」


「・・・・・・ここ・・・・・・違うでしょ?」


「書いてある通りです」


「・・・・・・じゃあ、電話番号は?」


「書いてある通りです」


「・・・・・・これも、違うよね?」


「書いてある通りです」


「・・・・・・・・名前・・・・・・」


「仮名です」


「・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・」


この無駄な押し問答をいつまで繰り返すのか・・・・・・。


いくら聞かれても言い張ります!


自殺志願者舐めんなよ?!


偽証罪?


それがどうした! 上等じゃねーか! かかってこいや!


『死ぬ気になれば~』なんてよく言うじゃない?


こちとら上部だけの言葉じゃねーんだよ!


本物の! 本気の! 『死ぬ気』見せてやるよ!!!


別の刑事が持ってきたのは私の携帯電話。


「これ、ロックかかってんだよね~・・・・・・。暗証番号・・・・・・教えて欲しいな~~~」


かかってんじゃねーよ、かけてんだよ。


で、私の返事はもちろん。


「イヤです」


「どうして? ちょっと中、見たいんだよね~」


「イヤです」


「・・・・・・なんで? 悪いようにはしないよ? 」


「イヤです」


「本当、ちょっとだけ中をみてみたいだけなんだけどな~~~・・・・・・」


「イヤです」


「イヤじゃなくて・・・・・・ちょっとだよ?」


「イヤです」


イヤじゃボケーーーーーー!!!!!!


誰がテメーなんかに教えてやるもんかーーー!!!


しつこいんだよ!


帰れ! 帰れ! 一昨日来やがれ!!!


最後の最後まで嘘を突き通しました。


ため息ついた刑事さん達。


お疲れさまでした★





「ああそうだ。右目大丈夫ですか?」


「・・・・・・大丈夫です。どうして皆さんそれを聞くんですか? 私の目どうなっているんですか?」


「血が、鬱血が酷いようなので・・・・・・大丈夫かな? と」


「そう・・・・・・ですか・・・・・・」


な~んだ。赤くなってるだけなのか。


そんな事よりも・・・・・・指紋採られたーーーーーー!!!


しかも両手の指! 10本全部!


ほとんど力が入らず尚且つ痙攣している私の腕を押さえつけて!


採り方も普通じゃないのね?!


爪以外の場所をゆっくり回すように採られるの!


「どうして? ・・・・・・私、犯罪者じゃありません~~~~~!」


偽証罪かもだけど。


「解ってます。解ってますよ~。はい、楽にして~~~」


バカにしてんのか? ムカつく・・・・・・。


ムカついたので、上手く入らない力を無理矢理入れて動かして妨害してやりました。


そのたびに、


「大丈夫ですよ~。動かさなくていいですよ~。はい、力抜いて~~~」


そう言われてもムカつくものはムカつくので、3回~4回ほど妨害してやったら、


「チッ・・・・・・」


と小さく舌打ちした刑事さん。


や~~~い♪ や~~~い♪ です!


更に写真も撮られるという仕返し? も受けました。


刑事もムカついていたんでしょうね~。


首の痕を撮るためだろうけど、無遠慮に人の頭を後ろにグイッ! って・・・・・・。


痛いっっっっっっつーの!!!


そんなに動かないっつーの!!!


私の体に力が入っていたならば、迷わず蹴っていたでしょう。


この時の写真、見てみたいものです。


言えば見せてもらえるのかしら?


腫れ上がり、鬱血しまくりの醜い顔。


絞めた痕がエグイ事になっている首の写真。


見るに耐えないかもだけど★








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