第1話
初めて小説を書いてみました。未熟な者の作品なのですが、ドシドシ感想や意見を書いて下さい。今後の参考にもしたいと思います。よろしくお願いします。
「なにか面白いことはないか?」
ショウが僕にそう尋ねた。
「ない」
おでこを机にくっつけたまま僕は答えた。
実のところなにもないのだ。…なにもない。 目の前では数字やアルファベットがまるで土砂降りの日のワイパーと雨とのように何度も黒板を埋め尽くしてゆく。
「朝から曽根さんの数学ってのはかなり鬱だよな。どうやったらこんなにつまらなく出来るんだろ?」
今度はショウとは反対側の、僕の隣の席に座っているナオキが聞いてきた。
「さあな、自己満足だろ」
なおもおでこを付けたまま僕は無気力に言う。
ショウもナオキも、なずんできたのかペンを走らせるのを止めた。3人ともただひたすら時間が過ぎていくのを待った。虚無の時間だ。
僕らはほとんどを、僕、ショウ、ナオキ、そして僕の後ろの席でノートを取ることに精を出してるマナブ、この4人で過ごしている。
世間では最難関校と言われる大学付属の男子高校に入学し、1年と1ヶ月の年月が過ぎた。すでに新しい環境での新鮮さは失ってしまっていた。さらに、僕らは4人とも、このまま過ごしていけば2年後にはエスカレーター制で大学に入学できる。そんなこんなで今年度に入ってからの1ヶ月はあまりにも長く感じていた。
こうして今に至るわけだ。
「…最近なんか物足りないんだよなあ」
僕はうなだれながら回りに話しかけた。
「物足りないって何が?」
ショウが視線は黒板に向けたまま聞いた。
「なんだかねぇ…」
「なんだよいきなり気持ち悪いやつだな、女の子かなんかか?」
ショウが冗談半分で尋ねる。
「違うよ、なんて言うのかな…」
僕は少し考えてからだが続きの言葉を口に出した
「…青春、みたいな?」
「青春?…あぁそうだねー青春か」
反応を見たところ僕だけでなく、ショウもナオキもマナブも、足りない何かがある。ということは感じていたみたいだ。
しかし結局のところ僕らはこうして退屈な授業をひたすら受動的に受けて何も起きないまま1日1日を過ごしている。心の中では
「なにか運命的なすごい面白いことでも起きないかなぁ」などと、ただ漠然と満たされない気持ちをつのらせていた。さっきも述べたがここでの生活はもう2年目であり、なにより、何もしなくても将来は約束されている。つまり能動的になにか行動を起こす必要はないわけだ。
だけれども僕らは[なにか]を求めていた。
それが4人の青春についての模索の始まりだった。