米粒に魔法の文字を書いて無双する。
火球。
これはファイアーボールの魔法を文字として表記したものだ。
そして魔法を発動させるためには、さらに詠唱文を文字として記さねばならない。
だからこそ、この世界では魔法のスクロールというものが発達した。丸めた紙に詠唱文がびっしりと書かれているわけだ。
そこで俺は思った。
文字を小さく書けば、あんなにでかいスクロールは不要なんじゃないかと。
そして生まれたのが魔法の米粒だ。
俺の技術なら、小さな米粒ひとつにファイアーボールの魔法の詠唱文すべてを書き記すことができるのだ!
「くらえ! ファイアーボール100発分!」
俺は小さな袋に入れた米粒100粒を巨大なブルードラゴンに向けてぶん投げた。もちろん米粒にはひとつひとつ、ファイアーボールの魔法と詠唱文が書かれている。
たちまち大爆発したそれは、ブルードラゴンを一瞬で焼き尽くした。なにしろファイアーボール100発分だからな。
まさか米粒アーティストだった俺が転移先でこんなに活躍できるとは。本当に異世界さまさまだぜ!
近ごろ、モンスターたちは俺を見ると恐れをなして逃げ出し、この世界の人間たちは俺を尊敬のまなざしで見つめるようになった。
俺は最強の米粒アーティスト……いや、最強の米粒魔法使いとして歴史に名を残すことになるだろう。
輝かしい未来が俺を待っている!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
現在、魔法のスクロールを題材にした作品を書いていますが、その最中にこんなネタを思いついてしまいました……。もちろんそっちの作品とはまったく関係ない世界の出来事です。
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