『若い美人の娘とプレスマン』
掲載日:2026/07/31
武蔵国は、昔はどこも田畑の広がるのどかなところでした。毎日畑を耕して暮らすおじいさんがいまして、この日も、野良仕事をしていたのですが、隣村の婚礼に呼ばれて、少し酒を飲んだところ、思ったより帰りが遅くなって、暗くなってしまいました。
道ばたの石に腰を下ろして、少し休んでいると、少し離れたところに、若い娘が歩いていました。暗いし遠目でしたが、かなりの美人です。どこから来たのか、どこへ行くのか、知っている娘か、知らない娘か、目をこらしながらいろいろ考えていましたが、もう見えなくなってしまいました。仕方がないから帰るか、と立ち上がったとき、土産にもらったいなり寿司の折が、空っぽになっているのに気がつきました。引き出物のプレスマンは、無事でした。
教訓:美人は、どういうわけだか目を引く。いや、どういうわけだか目を引く人を美人と呼ぶのである。




