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【百鬼の忍】昭和東京人別帖②《第二章キャラ解説》

【第二章】憂国精鬼のラプソディ の主要登場人物紹介です。


こちらは、本編のキャラクターのバックボーンや裏話を知りたい方向けのものとなっています。

本編のネタバレもありますので、閲覧は本編読了後にどうぞ。

https://ncode.syosetu.com/n6964kv/

百月(ももつき) 綾夏(あやか)


 二十一歳女性。純喫茶ピオニィに勤める女性。

 落ち着いたお姉さん店員で、ピオニィに勤める期間も長い看板娘。

 正体は「鬼」の一種「精鬼(しょうき)」で、食人衝動や残虐性は全くない。

 生家の百月家は、戦火の中で焼け落ち、長らく天涯孤独だった。

 紆余曲折あり朱弘と打ち解けるが、本人は恋愛感情はないと断じている。

 実は彼女目当ての男性客も多く、ピオニィの売り上げに貢献している。

 朱弘が来るのは人の少ない時間だが、時々親しげな姿を見られピリつく。


 剋因沌法「(しるべ)

  :「魂の劣化と再生」で、強制的に巫力を「刻む」ことが出来る。

  :「再生」では、浄忍のポテンシャルを最大限まで引き出すことができる。

  :「劣化」では、敵の繰り出すあらゆる遁法&沌法を無効化できる。

  :小規模なら壊れたものを補修したり、記憶喪失させたりもできる。

  :何でもありだが、鍛錬は積んでおらず、本人はそこまで強くない。


――――――――


鉾田(ほこた) 賢作(けんさく)

 

 四十歳男性。純喫茶ピオニィの店長。

 穏やかだが、身長190㎝の熊のような体格をした屈強な男性。

 美女給仕の多いピオニィで、狼藉を働く男が現れない最大の理由。

 その正体は綾夏と同じ「精鬼」だが、言うタイミングを逃していた。


 百月家の庇護下で暮らし、カフェーの小間使い・用心棒として働く。

 給仕の「シズちゃん」と想い合うが、出征中に空襲で死別。

 満州に派遣されていたが、戦中の話はあまりしたがらない。


 復員後は帰る場所もなく、長らく日雇労働者として暮らしていた。

 その後、旧カフェーのオーナーと再会し、仕事を手伝い信頼を得る。

 調理技術や経理能力から、純喫茶の雇われ店長を任される。


 戦前はザ・硬派といったタフガイで、結構モテたが全て断っていた。

 戦後は、シズちゃんを失った寂しさから、女好きな一面も出るように。

 (精鬼の性質上、性欲はあまり強くなく、おしゃべり好き程度のもの)

 綾夏をスカウトした後、百月の息女と知った時は大分気まずかった。

 そろそろ「お嬢様」呼びに直したいが、タイミングを逃したまま。

 なんとも間の悪い男である。


 剋因沌法「(つらぬき)

  :打撃衝撃について、物体を貫通した後ろに伝えることが出来る。

  :防御無効技で、その打撃面積は自由に調整でき、刃物も止められる。

  :「空気」も貫通対象で、遠隔打撃はその応用。

  :あくまで貫通可能な物は肉体による衝撃で、武器の貫通は不可。

  :やろうと思えば、面積を絞り「打撃で貫通斬撃」の凶悪コンボも可。

  :ただ、本人としては怨魔以外に沌法を使いたくないと思っている。

  :戦中も沌法は固く封印し、人間性を守る最後の砦になっていた。


――――――――


鹿嶋(かしま) 礼児(れいじ)


 四十歳男性。南方で両足を失い、傷痍軍人として物乞いをしている。

 髪は長らく切っておらず、真っ白な髪を腰まで伸ばしている。

 ヤミ物資のヒロポンの常習者で、近隣住人からも避けられがちな存在。


 かつては鉾田と同じ190㎝の巨漢で、地元では巨漢コンビの扱いだった。

 硬派で理知的な鉾田に対し、鹿嶋はモテたがりの、愛国少年。

 給仕の子の前でいいカッコしたくて、たびたびカフェーに来店していた。

 当時やれやれ系だった鉾田との漫才的なやり取りは、名物になっていた。

 シズちゃんがちょっと気になってたけど、鉾田が真剣なので道を譲る。

 戦後、鉾田が軟派な一面も出てきたのは、鹿嶋を失った影響も大きい。


 剋因沌法「(おおすず)

  :物体を振動させる能力。対象は体に触れた物体。

  :刃物に能力を使用すると極めて鋭い切れ味を発揮する。

  :空気の共振を使った、不可視のバリアの展開も可能。

  :ただし、バリアは範囲が極めて狭く、見切りが前提。

  :鹿島は鉾田と違い、戦場でも沌法を使うことが多かった。

  :ただ沌法では戦略的な影響を及ぼせるでもなく、些末な差だった。


――――――――


鳴嶋(なるしま) 功三(こうぞう)


 五十三歳男性。軍国主義者の老人で「将校さん」のあだ名を持つ。

 1931年に実戦を経験、最終的な階級は曹長。大陸での戦闘に参加していた。

 彼の経歴を話すとどうしても生々しくなってしまうので、詳細は割愛。

 ただ「当時の一般的な帝国軍人」であった、とだけ。


 戦前は数度、上官に連れられカフェーを訪れていたが、そこで鉾田と面識があり。

 鹿嶋は常連と言えども客の側で、タイミングも合わず顔を合わせたことはない。

 戦後は、焼け残りつつも閉店していたカフェーに落胆するも、鉾田と再会。

 互いの生存を知ったこと、鉾田が純喫茶を開くことを知り、喜び合う。


 反面で、農家の三男坊として実家にも帰れず、配偶者もない現状に鬱屈。

 喫茶店店長として、戦後に順応し周囲に慕われる鉾田に、徐々に嫉妬心も募る。

 加えて、自衛隊再編時に声もかからなかったことで、自意識がこじれてしまう。

 以降は、金鵄勲章を誇示し、怒声をふりまく迷惑老人の道を進んでいく。


――――――――


来馬(くるま) 千代(ちよ)(=弾丸婆)(=ターボババァ)


 駄菓子屋のおばあちゃんだが、実年齢はそこまで歳は行っていない。

 怨鬼は人間への擬態に優れ、資産を持つ老人を殺し、なり替わったとみられる。

 駄菓子屋のおばちゃんは、実際その地域の地主が道楽でやってる店が多い。

 (筆者も、実家近くのおばちゃんが地主一族で愕然とした経験がある)


 車を追いかけては、屋根を引っぺがしたり窓を壊し、人を襲っていた。

 効率悪すぎるが、最速の矜持と狩猟本能が抑えきれなかったのだろう。

 怨災対策室も、車両事故起こされて隠蔽に苦労していてヘイトを買っていた。

 在野の朱弘にも見つかったあたり、ちょっと調子に乗って遊び過ぎていた。

 各所に睨まれていたこの怨鬼は、まあどうせすぐ狩られていただろう……。


 剋因沌法「(ひらめき)

  :自身の肉体を高速移動させる沌法。シンプルだが強い。

  :だが、シンプル過ぎて、来ることがわかってると対策されやすい。

  :突発奇襲が最適な使い方だが、ターボババァは走るのが好きすぎた。

  :ちなみに、彼女は駄菓子屋で集会を開き怨鬼同士で沌法の共有をしていた。

  :怨鬼同士で速さ自慢をしており、珍しく体系化した沌法で継承者も多い。

  :マッハババァとか、ジェットババァとか、光速ババァとか……。

  :きっと現代でも、高速老婆の怨鬼は存在することだろう……。


――――――――


https://ncode.syosetu.com/n6964kv/

本編はこちらからご覧ください。

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