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ユラは夢をみない

「えぇ~、断ったの? 貴族になれるチャンスだったのに」


「いやいや、私がなれる訳無いじゃん」


「ユラは美人だと思うしドレスとか似合うと思うけどなぁ〜」


「あんなキラキラしたのなんて似合わないよ」


 バイト先の同僚であるリアーナと話している。


「お母さんもどっか浮かれてる、と思っていたけどまさか貴族と浮気していたなんて……、訴えられたら確実にアウトじゃん」


 はぁ~と溜息を出す。


「浮気は極刑て聞いたけど、具体的にはどんな罰を受けるんだろ?」


「まず慰謝料が発生するでしょ、それに浮気の程度によるけど奥さんがいたら離婚で貴族籍からも外される、子供が出来ていたら良くて降爵、最悪取り潰しの可能性があるらしいよ」


「えっ、ユラは大丈夫なの?」


「私は拒否してるからね、もしお母さんに付いていったら多分アウトだったかも。 でも、公爵家が大丈夫かは疑問だけど」


 無傷ではないだろうし、多分親戚辺りからとやかく言われるだろうなぁ。


「現実は甘くはないんだねぇ」


「そうだよ、身分差の恋が実るのは小説の中だけ。 現実を見ないと足をすくわれるよ」


 なんで私がここまで現実主義なのか、というと人には言えない理由がある。


 まだ幼い頃に『ある夢』を見たのだ。


 それこそ王道小説の様な私が貴族になって王子様と恋に落ちる夢を。


 そこで終わりなら良い夢だろうけど、私は王太子と画策して王太子の婚約者を貶めようとしていた。


 でも返り討ちにあって私は破滅してしまう、というオチだ。


 これが夢で良かった、と思う。


 ただ私にはこれがただの夢ではない様な気がしたのだ。


 もしかしたら正夢になるんじゃないか、て。


 だから、貴族と出来る限りは距離を置こう、と決意した。


 これが私が現実主義になった理由だ。





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