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ユラ、面談をする

「……という訳で上からのお達しだ、所属冒険者には改めてギルドのルールを徹底させる様に」


 朝礼にてアッシュさんからの言葉に私達は返事して自分の席に戻った。


「あぁ~、そういえば今日は面談の予定があるんだった」


「面談?」


「そう、簡単に言っちゃえばギルドからの呼び出し、良いパターンと悪いパターンがあるんだよ」


「良いパターンというのは?」


「お仕事頑張ってますね、偉いですよ、だから昇格させます、ていう褒めのパターンね」


「じゃあ悪いパターンというのはお叱りとか降格とかそういう事?」


 流石はアンジェ様、察しが良い。


「1番最悪なのは冒険者資格取り消しの上、憲兵に引き渡しね」


「憲兵が出てくる、て何かしらの犯罪を起こした、という事ですよね」


「そう、昔の話だけどとある冒険者パーティーが仲間の1人をダンジョンで置いてけぼりにした事があったんだけどそれって殺人未遂と変わらない訳。 その置いてけぼりになった冒険者は別のパーティーが保護して無事だったんだけど、その冒険者パーティーは殺人未遂でギルドから訴えられて逮捕されて犯罪奴隷に堕ちちゃったていう話」


「当然の結果ですよね、それで今回の面談は?」


「良いか悪いかどっちに転ぶかわからないパターン、じゃあ時間だから行ってくるね」


 私は席を立ち面談が行われる会議室へと向かった。


 私が会議室に入ると既に面談相手は来ていた。


 今回の面談相手は幼馴染で組んだパーティー4人である。


 男性2人、女性2人という組み合わせだ。


「おまたせしました、本日の担当をするユラです。 今回、皆さんをお呼びしたのはですね、最近の皆さんの業績が芳しくないんですよ」


 私は持ってきた資料を4人に見せた。


「ある日を境に失敗が多くなってますね、何かあったんですか? 例えば喧嘩したとか」


「それはその……」


「私達冒険者ギルドは皆さんの安全と命を預かっております。プライベートな問題だったとしてもそれが仕事に支障を挟むのでしたら口を出さずにはいれないんです。 それが皆さんの命を守る事になるんです」


 まずギルドとしての立場を明確にしておかないといけない。


 そこからはパーティーの面々は口々に話し始めた。


 結論から言えば実力格差が出てきた、という事だった。


 最初はみんな実力が均等だったんだけど、段々と差が生まれ嫌な感情が生まれてきたのだ、という。


 ただ、幼馴染という事もあり複雑な感情を抱えている、という。


「そうでしたか、まだ最悪なパターンにはなってないですね」


「あの、最悪なパターンというのは?」


「一方的な追放です、これでパーティーが崩壊してしまう事があるんですよ、でもこうして意見をお互い出せるという事は話し合いで解決出来る余地がある、という事です」


 うん、まだ間に合う事が出来る。


「私としては一度距離を置いた方が良いんじゃないか、と思います。 実力に差が出てくる事は仕方が無いですし合う合わないの問題もあります。 それに幼馴染だからと言ってずっと昔の関係でいられるのは難しいと思います、人は変化しますし性格も変わりますし」


 一応、私の意見を言わせて貰い面談は終わった。


 その後、彼等はパーティーを解散してそれぞれ別のパーティーを組んだ。


 解散届を出した彼等は蟠りが無いスッキリとした表情だった。

 


 


 

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