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貴族生活? 拒否します

「お母さん、馬鹿ですか?」


 いきなり罵倒で始まってごめんなさい、でも言いたくもなりますよ。


 私はユラ、生まれも育ちも平民だと思っていました。


 しかし、さっきお母さんから大事な話がある、と言われ聞かされたのが、実は私、貴族の血を引いている、との事。


 要はお母さんは公爵の愛人だったのだ。


 で、公爵の奥様が亡くなったのでお母さんと再婚する、私も公爵令嬢になる、との事。


 その公爵家には既に令嬢がいるんだけど私達の方が愛されているから、我が物顔で振る舞っても良い、と言うんだけど……。


 不快感しか無い。


「大体、それって浮気だよね? 浮気は犯罪だし極刑になるの知ってる?」


「浮気じゃないわよ! 私と公爵は真実の愛を誓いあって……」


「いい歳して何が真実の愛なの? 人の家庭をぶち壊しておいて何様のつもりなの? 同じ女性として軽蔑するわ」


「なっ!? 母親に対してなんて事をっ……!?」


「確かに産んでくれた事は感謝してるよ? でもほとんど家にいなかったよね?」


「そ、それは……」


「娘を放置しておいて公爵様とイチャイチャしてたの? 私、近所のおばさんおじさんにお世話になったけどお母さんとの思い出なんて1つも無いんだけど?」


「だ、だからこれから一緒に……」


「そもそも平民で貴族のマナーとか何もわからない状態で貴族の世界でやっていける訳無いじゃん、それこそ公爵家の恥になる訳だし」


 私はお母さんに対してこんこんと現実を突きつけてあげた。


 お母さん、最初はゴニョゴニョ言っていたけど私の反論に対して何も言う事は無かった。


「私は別に貴族令嬢に憧れとかないし人の家庭をぶち壊すつもりも無いの、もし再婚するんだったらお好きにどうぞ。 私は私で生きていくから」


「そんな……、公爵様は貴女に会う事を楽しみにしてるのよっ!」


「今まで一度も顔を見せた事無いのに? そんな人をお父さんなんて言えないよ、私」


 思いっきり拒否してやったらお母さんはガックリとしてしまった。


 私が喜ぶと思っていたのだろうか?


 そりゃあ幼い頃だったら多少は夢を見ていたかもしれない。


 しかし、私は15歳、夢見る頃はとうに過ぎている。


 そんな私が貴族社会でやっていけるか?


 答えはNOだ。


 真っ白になっているお母さんを放置して私はバイトの時間なので家を出る。


 近所の食堂で働いているのだ。


 この話はこれで終わりだと思っていたんだけど……。


 後日、家の前に豪華な馬車がやって来て自称お父さんが来た。


 はい、第2ラウンドの始まりです。


 まぁお母さんと同じ様に徹底抗戦してやりましたよ。


 結果としてはお父さんもガックリと項垂れて帰っていきました。


(小娘にここまで言われて凹むなんてメンタル弱いなぁ……)


 その後も色々あったけど結局お母さんはお父さんと再婚、但し私は独立して一人暮らしをする事になった。


 ただ、資金的な援助はさせて欲しい、と言われたのでそこは承諾した。


 全部が全部、拒否する事もないから妥協した。


 とりあえず私の平穏な暮らしを維持する事は出来た。


 私は今のままで十分だしこの生活を壊す様な輩は貴族だろうが王族だろうが容赦はしないつもりだ。


 


  


 

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