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第5話 一人目のヒロイン

数日後、俺は基礎魔法を覚えたので、とある場所に来ていた。

 

 そこは王城から離れた場所にある施設、冒険者ギルドだ。

 

 この世界には冒険者ギルドというものが存在しており、冒険者という戦闘の専門家がいる。


 冒険者の主な仕事は薬草の採取から、モンスター討伐まで幅広い仕事をしているらしい。

 

「ここが冒険者ギルドか」

 

 俺は仮面を付けた状態で冒険者ギルドの扉を開ける。


 中は酒場のようになっており、昼間だというのに酒を飲んでいる冒険者たちが多くいる。


 そしてカウンターには綺麗な受付嬢が2人ほどいた。

 

「あの、依頼を受けたいのですが……」

 

「分かりました、ライセンスカードの提示をお願い致します」

 

 俺は懐からライセンスカードを取り出し、受付嬢に渡す。

 

 受付嬢はそれを確認すると、少し驚いた表情をする。

 

「ま、魔法を使えるのですか? 本来魔法は貴族しか覚えることが出来ないと聞きましたが……」

 

 ああ、そういえばこの世界の平民の人たちは魔法を使えないのか。


 魔法は貴族しか覚えてはいけないもの、魔法の教育なんて平民にとっては贅沢だと言われているからな。

 

「魔法といっても初歩の物ですよ、独学で学んだんです」

 

 俺は受付嬢にそう言う。


 すると受付嬢は納得してくれたような表情になり、依頼書の貼ってあるボードをカウンターまで持ってくれた。

 

「これにします」

 

「オークの討伐ですね、分かりました」

 

 俺が選んだ依頼書はオークの討伐依頼だった。


 この近くの草原でオークが出没するらしく、その討伐をお願いしたいとのことだ。


 魔法を実践で使って見たかったし、丁度良いな。

 

 俺は依頼書にサインをして、受付嬢に渡す。

 

 そして軽い準備をしてから、俺は依頼場所へと向かった。

 

 ★


 俺は依頼場所である草原へとやってきた。


 しかし、見渡してもオークの姿はない。

 

(あれ? おかしいな……)

 

 俺は疑問に思いながらも、しばらく待つことに。

 

 そして30分程が経った頃、俺はようやくオークの姿を確認した。

 

「ガァァァァァ!」


「待ちくたびれたぞ」

 

 数は3匹、俺は早速《火槍》をオークに向かって撃ち込む。

 

 するとオークの腹に《火槍》が突き刺さり、そのまま貫通して、後ろにいるもう一匹の腹も貫いた。

 

「グ、グァ」

 

「すげぇ威力だな」

 

 俺は自分の魔法の威力に驚いた。

 

 そして最後の1匹が俺に向けて突進してきたので、俺はそれを躱して、オークの頭に《ファイアボール》を撃つ。

 

 するとオークの頭は吹き飛び、残った体はその場に倒れる。

 

「少しずつ魔法のコントロールも出来るようになってきたな」

 

 俺はオークの死体の一部をバッグの中に入れて、ギルドへと戻ろうとする。


 しかし、その時だった。

 

 後ろから気配を感じ、俺は後ろを振り向く。


 するとそこには赤髪のショートヘアな少女が立っていた。


 俺と同じくらいの年齢だろうか、そう思っていると少女は俺に話しかけてくる。

 

「もしかして魔法が使えるんですか?」

 

「あ、ああ。一応な」

 

 俺は少女の質問にそう答えると、少女は目を輝かせた。

 

 そして俺の手を握って、嬉しそうにこう言ったのだ。

 

「お願いします、私に魔法を教えて下さい!」

 

「え、ええ? どうして?」

 

「私は半年後に魔法学校へ通うんです、でも私は魔法が全然使えなくて……」

 

 魔法学校、それは貴族が通う学校のことで、全ての貴族が入学する。


 魔法学校の学費は相当な額であり、平民では普通は入ることは出来ない所だ。

 

「あの、名前は?」

 

 「申し遅れました。私はクレハと言います」

 

(クレハ? そういえばゲームの物語で魔法学校にクレハって子いなかったっけ? 確か主人公のヒロインの一人だったはず……)

 

 ゲームでヒロインは3人いた、その一人がこのクレハという少女だ。


 彼女は特別な推薦により主人公と同じ魔法学園に通っていたんだが、平民の彼女は貴族からは嫌がらせを受けて酷い扱いを受けていた。


 そんな彼女を主人公は守ってあげるっていうストーリーだ。


 そして最終的にクレハは主人公アデルの専属メイドになるという、そんな物語だった。


 クレハのスキルは《剣聖》という物で、将来王国を支える最強の剣士になる。

 

「だ、駄目でしょうか?」

 

「いや、俺は別にいいよ」

 

「本当ですか! ありがとうございます!」

 

「おう、あと俺の名前は諸事情で教えられないんだ、どうしてかは言えないがな」

 

 流石に言えないよな、俺がこの国の第一王子だって。


 もし知られたらどうなるか分からないし、この方が身のためだ。

 

「仮面を付けていますし、魔法が使える時点で何となく分かります。ではこれから師匠と呼ばせていただきますね!」

 

 師匠か、まあ悪い気分はしないな。


 こうして俺は彼女、クレハに魔法を教えることになった。

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