謝罪する怪物、そして怪物の能力
『すみませんでした。』俺は土下座した。その視線の先には、ほとんど裸に近い格好で女性が怒りを露わにして睨んでいた。さすがに出会っていきなりすることではなかったと頭の片隅に常識としてあったが、ざっと百億年ぶりに外に出たのでつい、暴走してしまった。『えっと・・・お名前は』恐る恐る名前を聞く。「藤原妹紅」彼女はぶっきらぼうにそう答えた。
『えっと、それでは改めて……俺と結婚して下さい!!』
「だから順序吹っ飛ばしすぎだ!」当然また怒られた。
『じゃあ、恋人!』「無理」『じゃあ、友達!』「無理」
『お願いだから恋人か友達になって!じゃなきゃ貴方を一生
犯し続けてやる!!』「怖い怖い怖い!!」
~12時間後~
「分かった分かった、もう友達ならいいから襲おうとするの辞めて!」『本当!?やった!!』こうして妹紅との交渉(と言う名の若干脅し)によって友達にしてくれた。
『そういえば、ここどこ?』「ここは幻想郷よ、忘れ去られた者たちの最期の楽園とも呼ばれているわ」『・・・え?』
俺はそれに関して疑問を持った。
「どうした?変な顔して。」
『いや、ここが本当に忘れ去られた者の最期の楽園なら、俺がここに居るのはおかしい。』「どういうことだ?」妹紅は不思議そうな顔をする。『俺の能力の関係上、俺が忘れ去られる事は無いはずなんだ。』「お前の能力は何なんだ?
私は【老いる事も死ぬ事もない程度の能力】なんだが。」
『俺の能力は【記憶と存在を司る能力】と呼ばれている』
「どういった能力なんだ?」『この能力は全ての世界の記憶と存在を記録し、維持する能力なんだ。全ての世界を弄る能力と思えばいい。そして能力の関係上俺が忘れ去られた場合世界その物が消失する。』「なっ!?おいそれなら今はどう説明する。」
『考えられる可能性は2つ、1つ目は俺が結界を寝ぼけて割り、幻想郷に落ちてきた。2つ目は幻想郷の住民以外の誰かが、
呼び込んだか。どちらにしろ異常事態に変わりはない。』
「なるほど、それは大変だな。私に手伝える事は無いか?」
『・・・』俺は無言で妹紅に近づき抱きしめる。「!?」妹紅は暴れるが俺は手を離さず妹紅に言った。『俺はとても長い間、孤独で寂しかった。せめて、今はこのままでいさせて』妹紅は暴れるのを辞めると、優しく頭を撫でてくれた。