レックスの体験談
騎士団副団長レックスはあの人気の高いSランクPTジョーカーと仕事をすることに
光栄と思っていた。
憧れのギデオン団長とあそこまで互角に戦ったアサミの試合を見てなにか参考になることがあれば
と 目を輝かせていた。
今回挑むのは平均レベル200~のモンスターのいるダンジョンだ。
国でも挑めるのはそうそういないだろう。
苦戦することになるだろうな。と覚悟を決めていた。
「うぅ 緊張しますねぇ!」
「大丈夫 姫様には指一本触れることはできないだろうから。騎士様もいるしね!」
「みてるだけでもぉいいからぁ 怖くなくなったら言ってねぇ」
「わはは これは頼もしいですなっ!」
「ケガしたらすぐ言ってくださいね。回復しますので。」
「姫様は少し離れて見ていてくださいませ。私が護衛しますので。」
「ありがとぅございますっ!」
「さ レックス 我々も負けていられないなっ!」
「ええっ!もちろんです!」
ここのモンスターは一見は他のモンスターと同じように見えるがそのレベル 集団行動はとてつもなく錬度が高い。
騎士団での駆除作業もいつも骨が折れる難易度だ。
「姫様 まずはウルフみたいですね。怖くないですか?」
「わんちゃんですね 強そうです。」
「まず姫様には血とか倒されるのは刺激が強いと思うので」
「カオリ頼むよ」
何をするのだろうか あの凶暴なウルフを足止めでもするのかな?
「じゃぁ 幻惑魔法~ トランスフォーム」
するとカオリさんが使った魔法の効果だろうか。
あの怖い顔したウルフがおもちゃみたいに変化した。
なるほど あの魔法で恐怖心を無くすという事か。
「わぁ かわいいですねぇ!」
「おっと危ない 強さはそのままですっ」
「じゃぁ まず私が倒しますね。」
っとアサミさんが短剣を2本手に召喚した。
その前に 「iam the bone of my sword」とか言ってた気がする。
あ その詠唱かっこいいな。
カオリさんが 「それまずいですぅ~」と言っていた。
何か問題があったのだろうか?
いくらレベルが高いSランクPTでも相手は200超えのモンスターだ
油断はできない。
いつでも対処できるように構える。
「ほいっと・・」
アサミさんが短剣を振るった瞬間 ウルフ(おもちゃ)
の体は真っ二つに分かれていた。
ご丁寧におもちゃのウルフは綿が詰まってまるで本物のようだ。
血の代わりに綿が詰まってるようにみせたのだろうか。
再現度たけぇなおい と一人でつっこんでしまった。
「わぁ レベルがあがりましたぁ」
「おめでとうございます!でもそれだけじゃ喜んでいてはいけませんよ!」
「はぃ!がんばるのですっ!」
「あとで冒険者ギルドに死体は買い取ってもらいますね~」
カオリさんがインベントリに入れる瞬間魔法がとけたみたいで キレイにスパッと切れたウルフが収納されていた。
姫様の目を覆うのは抜かりない。
「自分も倒してみていいでしょうか?」
「ええ 大きさ硬さはそのままです 気を付けて」
さて ジョーカーの皆さんのように倒せないかもしれないが
一応俺も副団長任せられているんだ!それにマリアさん 素敵だ!いいところを見せたい!
無様なマネはしない!
俺のレベルは230 ウルフとも同等くらいにはできるはずだ!
「でやっ!!!」
うん 硬い! でも そこまで硬くないな!
これなら!!
「レックスすごいのですぅ!」
「そこだ!」
相手してるのはおもちゃみたいでなんとも気が抜けるが・・
「ふっ!」
なんとか 首を叩ききったようだ。
「レックス 腕を咬まれていたみたいだがだいじょうぶか?」
「回復魔法かけてもらいますかっ!?」
うん 確かに咬まれてはいたが まったく傷がないな。
はっ これが聖結界の力か 凄まじいな。
「ええ 聖結界の力でしょうか 咬まれた感触はあったのですがまったく傷も痛みもありませんでした。」
「なんと・・・」
「それにいつもより強くなった気がします。」
そこでアサミさんがこの状況を説明してくれるようだ。
「レックスさん 今レベルおいくつでしょうか?」
「230ですね。」
「ではステータスブーストで460になったと思ってください。それと聖結界ですが600を超える魔物以外ならほとんどダメージもうけることはないですね」
「なんと・・・ ではこのダンジョンの上層ではほぼ無傷でいられると?」
「ああ でも 攻撃された感触とかはあると思います。ただダメージ 傷がないというだけです。」
「突っ込んで攻撃無視というわけにはいかないってことですね。」
「ええ 回避行動の訓練にちょうどいいと皆いってますね」
「あたらなければどうということはないですぅ」
「くっ カオリ 名セリフっ!」
なるほど たしかにさっきの状態で咬まれて痛みがあっては致命傷だろう。
油断は禁物だな。
代わる代わる団長と俺で倒して戦闘の感触をつかんでいく。
そこでアサミさんが止まった。
「では 本番いきましょうか!」
「モンスターハウスですぅ!」
モンスターハウスと言えば部屋中にモンスターが詰まってる凶悪な部屋だ。
俺たちだけでだいじょうぶだろうか。
「あまり無理はしないようにお願いしますぞ!」
「ええ 任せてください。」
中に入ると いるわいるわ ウルフ こうもり ベア ゴブリン 全て普通のモンスターの上位種だ
200匹以上はいるんじゃないだろうか?
「トランスフォーム!」
カオリさんが変身魔法を姫様に考慮して次々と形を変えていった。
「わぁ もふもふだらけですっ!」
と のん気な姫様もまた愛らしいが・・・
「コキュートス!」
ちょ それ上級氷魔法じゃないか!
アサミさんが使った魔法でほぼ動けないようだ。
「じゃぁ 今のうちに各個撃破よろしくおねがいします~。」
動かないのはいいが数が多い。
団長も中々早い処理だが アサミさん カオリさん マリアさんも早い。
マリアさん めっちゃ杖で粉砕してるっ!
あら うふふって感じで笑いながら ちょっと引く。あんなにお淑やかそうなのに!
「がんばってくださぁいっ!」
と 姫様の応援が心が癒される。
5分後 モンスターハウスの中は空っぽになっていた。
俺のレベルも5上がっていた!
「わぁ レベル80まであがりましたぁ。」
「このあたりは200~って感じですので 経験値5倍ついていれば上がる時もありますね。」
エマさんが落ち着いて姫様に説明する。
この人も動きがしっかりしててただ者じゃない感すごいんだよなぁ。メイドは今は強いのか?
「こんな感じで今一層で姫様の目標は達成したんですが 帰ります?」
「いあ 我々もここまであっさり行くとは思わなかった。」
「まだまだつよくなるんですっ!私 ジョーカーに入るのが夢ですもん!」
どうやら姫様はジョーカーに入る気だったらしい・・・
「あははwでは 姫様が納得するまでダンジョン攻略しましょうか」
その日は8層まで 同じ感じで進んだ 毎回モンスターハウスを攻略するのは忘れない。
あそこがボス以外では一番うまいらしい。
普通はあそこに入るだけで何人か死ぬんだが・・
これがSランクジョーカーか とんでもないな。
「では 今日はここまでにして一旦戻ります」
っと 安全地帯で
「セーブセーブっと」
とアサミさんがいい一瞬のうちにジョーカーズcafeまで転移をした。
「お帰りなさいませお嬢様 旦那様」
ああ ここはいつ来ても素晴らしい接客だ。俺なんかを敬ってくれる気がする。
「では 今日はお疲れ様でした。夕食を用意してますのでどうぞこちらに。」
「はぁい お腹空きましたねっ!」
この店では料理もうまい デザートもうまいといいとこ尽くしなのだが
今回のはお店でみたことがない料理ばかりだな。
「これは異世界料理の人気メニューで この店ではまだ出してないのでよかったら感想お願いしますね。」
「わぁ 新作もあるんですねっ!お母さまが喜びになるわっ!」
そこに並ぶ料理は見たこともない数々の絶品料理だった。
寮の空き部屋を貸してもらいベッドで一息
「ふぅ うまかったですね・・・」
「凄まじいな ジョーカーは・・」
「俺レベル75も上がりましたよ」
「うむ 私でも32だ 久しく上がってなかったんだがな」
「明日も楽しみだな!」
ああ このベッドも寝心地がいい。
とゆっくり休むのだった。
ちなみに姫様は148まで上がっていた。




