ソフィーの家族
その日 ダリアとソフィーが暮らすダリアの屋敷には 40代ほどの女性と20代手前ほどの男の青年が訪れていた。
「お母様 お久しぶりですわね リゲルも大きくなって私も安心ですわ!」
「おばさん リゲルお久しぶりだな 今日は何か用があったのだろうか?」
ダリアとソフィーは今では公爵 伯爵としての地位を持っているが 9年前までは田舎で農作業をする農家の娘だった。ダリアの冒険者になるというきっかけでソフィーも付いていくと言い二人でフリーダム王国ザフト領にある冒険者ギルドで冒険者になった。二人は仕送りで農家を手助けしていた。
そこで8年前に異世界転移したアサミとパーティーを組み アマテラスを作り そしてルシフェル王国を建国 公爵 伯爵として爵位を得たわけである。
ソフィーには母オリーブ 父アトラス 弟のリゲル 他にも2人ほど妹がいる。
今日は母とリゲルだけでの訪問のようだ。
ソフィーの実家はダリアの父母が病気で亡くなってしまってからはダリアを不憫に思い 第二の家族としてソフィーと共に我が子のように育てて来たのでダリアにとっても本当の親子のようなものだ。
アサミと出会い 農家を辞めソフィーの支援で異世界買い物の商品をいち早く扱う事が出来たので今では立派な商会の仲間入りをしている。ルシフェルにも支店を作れるほどだ。
「ダリアもソフィーも元気そうでなによりだね。」
「姉さんまた強くなってるみたいだな・・・!すげーよ!」
「ふふ リゲルも修行すればすぐにでも冒険者になれますわよ!」
「いや 俺は商会の勉強で忙しいからね!一応跡取りだからさ!」
「お母様をしっかり助けていくのですわよ?リゲル 資金が足りなくなったら言うのですわ。いくらでも支援をしても構いませんわ」
「ほんとに姉さんはいくら稼いでいるのやら・・・!」
「これ リゲル 今日はそんな事を聞きに来たのではないだろう?」
「おっと そうだった。姉さん 戦争するのか?」
「はっ?どういう事だ?リゲル」
「戦争?このミューノアで戦争をするなど不可能に近いですわよ?リゲルどこから聞いてきたんですの?」
「いや 商業ギルドで噂が流れて来たんだよ ガンダーラがルシフェルに宣戦布告をするってさ」
「あー アサミに絡んだガンダーラ貴族の息子がいるって聞いたな それじゃないか?」
「アサミ様にいちゃもんつけたっていうのかい?そんなバカ者がいるんだねぇ」
「命知らずな貴族家がバカやってるってことか?」
「昨日議題に出ていましたわね。たしかハッサム家」
「ああ ルシフェルへの商売を止めると告知してきているらしいな」
「別にムリして取引したいわけではないのですわ 取引中止も別に構わないという事でしたわね」
「そうだねぇ 確かにガンダーラから売ってくれなくても地球からの商品を仕入れることが出来るルシフェルだったら何も困らないだろうに。何がしたいんだい?」
「俺が聞いたのはさ ハッサム家の話もそうなんだけどユラーリア家ってとこの話だな。なんでも相当な数の傭兵を集めてるって話だぜ?」
「ユラーリア家ですの?」
「ああ ハッサム家の息子の腰巾着みたいなやつがいたって言っていたが そこの息子じゃないか?アサミを格下の貴族令嬢と間違えてバカにしていたらしいが」
「マジかよ・・・死にてぇのかな?」
ソフィーの実家は初期からアサミが取寄せる商品のおかげで商会を立ち上げる事が出来ているためにアサミには足を向けて寝れないほどの恩義を感じている。アサミをバカにする者を許す事などできな
いのだ。ましてや勇者である伯爵の家族だ。伯爵と言うと貴族位としては中堅ではあるがルシフェルの中での伯爵は 他国の公爵程度の家格だと認識されている。ルシフェルの公爵と言えばもう単独で国を作っても構わないという公国を任せてもいいほどの立場だ。
ルシフェル伯爵家の家族の商会はそれだけで商業ギルドでも大事にされている。
「それで そのユラーリア家というのは 一族全てが敵対するという事か?」
「多分今更後に引けないのではないかい?」
「そのハッサム家の下についている派閥だったらハッサムの息子に従っているだけではないですの?」
「バカ息子に従うバカ息子って事かよ めんどくさそうだな」
「それで どの程度の規模なんだ?一応アタシは警備部門の長だからな 対処しなければならないだろうな いい迷惑なんだが」
「そこまでって話じゃないんだけど 正規兵が使われるって事はないって話だよ あっちこっちの傭兵ギルドから人を集めてるっては聞いたぜ」
「その傭兵もかわいそうに・・・相手がルシフェルってわかってないんじゃないのかい?」
「その可能性がありそうだ。まぁ何万人と挙兵したとしてもアサミなら見るだけで無力化出来るのだけれども・・・ アタシの仕事はそいつらの収監くらいだぞ?」
「確かにそうですわね ガンダーラ王家のお話からすると ハッサム家の商売は自分の首を絞めるだけだからほっといていいと言う話でしたわね」
「ああ そうだな 別にガンダーラ王家から指示をしていると言うわけではないらしい。王家はハッサム家を切り捨てても構わないくらいの認識だということだ。」
「端的に言うとどーでもいいようですわね」
「こわっ 王族こえーよ!!」
「そのハッサム家とユーラリア家は暴走しているってことなのかい?」
「まぁそうだろうな。ハッサム家と第4王女殿下ユーナ姫は婚約をしていたが 学園祭でアサミに絡んだことで取り潰しになる可能性が出て来た。そこで婚約解消をしたらしい。」
「うわ・・・ ご愁傷様だな」
「アサミとしては メイド喫茶のお手伝いに行った時にユーナ姫が絡まれてると仲裁に行っただけみたいですわね。そこでユーラリア家の息子がアサミを格下の貴族家の令嬢と思いこんで雑に扱ったという事らしいですわ。」
「他の客に迷惑だから交流は後にしてくれと言っただけのようだな。そこでユーナ姫がアサミの正体をその息子に告げたら びびってすぐに立ち去っただけという話だ。婚約解消はユーナ姫の意思だというから アサミはエライ迷惑しただろうな」
「なんだよ!ただの逆恨みじゃねぇか!」
「婚約解消はかわいそうだけれど ルシフェルには何も落ち度がないじゃないかい」
「まぁ そうだな アタシ達としても大事にする価値もない事なんだが 傭兵を集めてルシフェルで暴れるなどあってはすぐ片付くが面倒だ」
「そうですわね たかだかレベル10000行けばいい方ではありませんの?」
「だろうな。そして傭兵など 相手がわかればすぐに辞退するようなやつばかりだ」
「今の時点でルシフェルを相手に集めているかはわかんねーけど 十中八九ルシフェルへの嫌がらせをなんか企んでいそうだと俺は思うんだ」
「まぁそうだろうねぇ あんた達が強いのはあたしだってわかっているが 大切な娘だからねぇ」
「お母様 安心するといいのですわ 私達はレベルの下の相手には絶対攻撃無効のバフがあるんですのよ?何千万人と一人で戦ったとしてもレベルが下なら無傷ですのよ!」
「あんたほんとにおかしいくらいに強くなってしまったようだね・・・!」
「姉さん それもう誰にも姉さんを殺せないってことじゃねぇか!今レベル何千億とかあるんだろ!?」
「そうですわねー 私を殺せるのはアサミ達くらいですわね!」
「ああそうだな アサミ達がアタシらを殺すというのはありえないからな 実質ミューノア人にはアタシ達ルシフェルを相手に戦争などを起こしても勝ち目などないんだ」
「姉さんもダリアさんも気を付けてくれよ?いくら姉さんが強くても金目当ての傭兵が暴走して国民に傷つけたとしたらガンダーラも自分の句の貴族家放っておいたからって色々言われそうだしな」
「仕方ない そのバカ息子を確保しておいた方がよさそうだな」
「そうですわねー その二人を捕まえておけばこの下らない問題は解決しそうですわね」
「他国への侵略?はまだしていないか まぁ姉さん達ならすぐにでも捕まえられそうだけどな」
「アサミのペンドラゴン家は全世界の逮捕権があるからな 実行前の計画段階でもそれは適用される。情報だけ渡して後は任せるよ。」
「相変わらず怖いお人だねぇ」
「その傭兵達もついでに集めて相手はルシフェルだって言えばビビって解散するだろうな」
「ルシフェルに逮捕されたらどうなるかはもうこの世界の人は誰でも知ってるからな!」
「それとだソフィー」
「なんですの?」
「シリカなんだが 来年のルシフェル女学園に入学したがっているんだよ。」
「シリカですの?受験の締め切りはもうすぐですわよ?」
「ああ うちの家は姉さんのおかげで教育やなんかはしっかり受けさせてもらった。フリーダムの学校も卒業できたけど シリカはルシ女に進学したいと思ってるんだよ」
「別にいいんじゃないか?受験で合格できるならすればいいじゃないか」
「あの子は頭は悪くはないんだがマナーが少し足りてないんだよ」
「なるほど・・・シリカはアタシが知っているのはちっこいソフィーみたいなもんだったが」
「もぅ 失礼ですわね!」
「うちの家は結構有名な商会にはなったけれどね ただの商会だ。アサミ様やあんたの支援があったとはいえ別に貴族ではないからねぇ。ルシフェル女学園でやっていけるか微妙だろう?」
「しかし おばさん うちの国の学園は平民のクラスもあるからだいじょうぶじゃないか?」
「ダリアさん そこで頼みがあるんだ」
「なんだリゲル お前の頼みならある程度聞こうと思うが」
「受験までシリカをこの家で令嬢の教育で置いてほしい。あいつ他の貴族のお嬢様に失礼な事がしたらうちの商会が結構やばそうだし!」
「まぁ ソフィーの妹なら貴族令嬢として扱われてもおかしくないか」
「あたしらは元はただの農民だからねぇ そういう貴族様のお嬢さんのマナー何かは教えてやれないんだよ。」
「ダリア 確かセイカの妹も今令嬢教育を受けているはずですわよね」
「ああ ケイカだったか」
「その子も平民とかなのかい?」
「ん- 男爵家の当主の妹だな 地球人でミューノアの文化の事は何も知らないで あちらの世界から引っ越してくることになった。推薦で入学する事にはなってるはずだ」
「その男爵家は出来てまだ3か月ですの まぁマナーや礼儀作法は平民とほとんど変わりませんわね。今から合流すればシリカもまともになると思いますわ」
「地球からの移住者か それだけで頭良さそうだけど!」
「先月から令嬢の教育を始めたようだ。指導はエマだから完璧な作法を身に付けるだろうな」
「え エマ様なのかい・・・?」
「エマ様の教育が受けれるなら相当なマナーを叩きこまれるんじゃないか?」
「まぁそうですわね その代わり受験まであと何か月ですわ 相当厳しい授業になると思いますわよ」
「シリカは・・・なんか 姉さんの妹だから自分も貴族の仲間入りしたと思ってるんだよなー」
「まぁ伯爵の妹ならそう思っても不思議ではないが」
「別に構いませんわよ 妹なのだから名乗ればいいですわ 貴族家でもなんでも」
「元は農民だからねぇ 生まれが貴族でない成り上がりだとお叱りを受けるんじゃないかい?」
「そこら辺の礼儀もしっかりしておいた方がいいんじゃないかと思ってるんだよ。シリカが偉いんじゃない 姉さんが偉いんだとね」
「わかった この屋敷にはソフィーも住んでるからな そういう話もしておこう」
「助かるよ すまないねダリア」
「いいんだよおばさん アタシらも成り上がりだ マナー何かも得意じゃないからな」
「じゃぁ あとでシリカを連れてくるといいですわ こちらもアホな計画を処理しないといけませんわね」
「まぁ 1日で終わるだろう ガンダーラ王家もその2家が勝手に潰れるなら構わないだろうがルシフェルに迷惑かけるような計画は無視出来ないだろうしな」
「相変わらずルシフェルはすげーよ!」
「あたしらは普通に商売しとけばよさそうだね すまないね」
「いいんですわよ シリカの事も任せておくといいですわ」
「姉さんありがとう!」
「ふふ 大事な家族のためなのだからもっと頼ればいいのですわよ」
そして ソフィーの妹のシリカはダリアの屋敷に住む事になり ケイカとレイナと共に淑女教育を受けることになるのだった。




