表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
644/909

売買停止

「こんにちわ レディアサミ 今日も美しい」

「はいはい そのうち不敬罪で捕まえるよ?」

「おっと 失礼いたしました 公爵閣下」

「アサミちゃん こいつ嫌い!殺していい?!」

「あらあら レディルナもお美しいですよ?」

「うざっ なんなのこいつ!!」

「はいはい んで フレディさん 今日は何の用で私達と話し合いをするのかな?アサミちゃんまで呼ぶとかよっぽどのことなの?」

「レディミズキ あなたも可憐な一輪の花なのですよ?」

「くっ こいつ公爵相手に命知らずだね?!ある意味すごいよ!」



商業ギルドのルシフェル支部のギルドマスター フレディは仕事は出来一代で世界有数の資産家にまで上り詰めたやり手のエルフである。

誰もを魅了する美貌も持ち 彼に求愛する女性はとんでもないほどいるのだが彼はフェミニストである。

女性たちは妻の座を争う恋愛合戦になっているのだ。そして彼は誰にでも優しく接するので ルシフェルの貴族であるアサミ達にもこのような軽口をたたく。

始めはアサミも嫌悪感を抱いたのだが 悪気がなく女性を褒めるだけで本気で口説かず交際のお誘い等もしてこないなのでまぁいいかと放っておいているわけだ。

ちなみに本気の恋をした事がないが遊びでも女を抱かない。ヤリチンではないので童貞という事なのだ。いつか本当の愛を見つけてほしい。



「実はですね 少しきな臭いのです」

「ん?どういう事かな?」

「ルシフェルの経済は今や世界1位となっていますが 他国 まぁガンダーラですね ガンダーラから仕入れる品がルシフェルとの貿易を辞めたいと言ってきました」

「ガンダーラ・・・」

「私共といたしましても何故いきなりルシフェルとだけ貿易を中止したいのかわからないのです。ルシフェルを敵に回すだけで商人としての未来は閉ざされるでしょうに」

「ガンダーラかー・・・ あの件だったら面倒な事になりそうだね」

「アサミちゃん 何か知っているのかな?」

「ハッサム家とかいうのに絡まれたくらいだね」

「おお まさにそのハッサム家の系列の商店ばかりが取引中止を申し出ていますね」

「えー・・・ まだ賢い貴族家だと思ってたんだけどなぁ」

「アサミちゃん その家何したの?」

「学園祭でユーナ姫とサーナ姫に絡んでたからやめさせただけだよ 私の事は知らなかったみたいで格下の貴族家だと思ってたみたいだけどね」

「あらら・・」

「でも今回は学園祭に来たお客さんとしての対処だからね 圧力もかけてないし許してあげたよ?大事にもしてないけど 実家に泣きついたって事?」

マーリン:アリババ・ハッサムとユーナ・ガンダーラ王女との婚約は解消されました。

「マージか」

「ルシフェルに恨みを抱いての取引中止という事なのですね」

「それ 自分達の儲けを考えてないけど大丈夫?」

「そうだね。別にガンダーラの商品をこちら側は絶対ほしいという事ではないのだしね。」



「フレディさん ガンダーラでの主力ってどんなのがあったっけ?」

「ガンダーラは香辛料 シルク 油 宝石くらいですね ガンダーラは砂漠が多い国でしたが 世界樹の影響で年々緑化が進んでおり 他の国と変わらないほどの食料が取れるようになりました。ダンジョンでも栽培をしているのでガンダーラ特有の野菜などもそれほど差はありませんね。あとはサソリや蛇などの珍味くらいでしょうか?蛇酒なども人気ですね。レディ方には失礼な下世話な話になりますが 興奮するような精力剤のような効果があるのです」

「ああ エッチする時に飲む媚薬とかそういう効果があるお酒なのかな?」

「ふーん 別に取引中止してもこっちは困らない品目しかないけど・・・」

「そうだね。ルシフェルでもそれは用意できるし・・・別に困らないね?」

「商業ギルドとしても別に困らないのですが ルシフェル側からの輸出はどうしたらいいのか悩んでいるのです。あちらからの貿易停止はまぁいいとして こちらの商品が売るのに規制されてしまうとガンダーラは生きていけないのではないかと」

「ハッサム家の別の組織が買って帰ってるんじゃないのかな?さすがにルシフェルと全面的に経済戦争みたいな事をする覚悟はないだろうしねー」

「アサミちゃん 巻き込まれるガンダーラ人がかわいそうだよ。」

「こちらの商品を買わないとかは別に好きにしていいよ だけど本当に必要な商会には適正価格で売ってもらえるかな?」

「ええ ハッサム家の計画はどうであれ通常通りこちらからの輸出は変わらず行います。

ですが今までハッサム家とルシフェルとの取引は少なくない量をしています。今回で取引停止をしていますが 新商会の様なものがとんでもない数を貿易開始したのです」

「ハッサム家で売って下さいっていうのが恥ずかしいから 別の商会を作って買ってそうだね!初めからケンカ売らなきゃいいのに!」

「ようはルシフェル側から完全に貿易停止される前に買い集めてる段階なんじゃないかな?ルシフェルからの輸出が止まれば値段も高騰するだろうし。」

「別に私達 お金に困ってないんだよね マーリン 今のルシフェルの総資産は?」

マーリン:数えるのもバカらしいほどです。金貨10京枚は確保してありますのでこれから何万年は経済的には何があっても大丈夫ですね

「ふぇ!!そんなにあるの!?金貨の価値下がらないかな?!」

「レディ それはなんとも・・・・ 国で溜め込まないで吐き出していただきたい・・・」

「そうだねー フレディさん 国庫を減らしたいからなんかイベントやってくれない?その開催費や必要な物を全額ルシフェルで支援してあげるよ。国が盛り上がるなら何をしてもいいね」

「私達主導でやるのも忙しすぎるし そういう商売関係は本職に任せた方がいいと思うしね。」

「おお 何んとも楽しそうな企画ですね 早速商業ギルドで話し合いをしたいと思います」



「んで ハッサム家は結局何がしたいわけ?別にハッサム家が売る商品がなくても誰も困らないしその商品をルシフェルから売れば別に今まで通りだよね?」

「そうなんです だからこの取引中止に意味はないのでこちらも困惑していると言うわけですね」

マーリン:ハッサム家は特に何も考えていません。ようは嫌がらせですね。こちらの資産も理解していませんし 地球産の上位互換をいくらでも市場に出せるなど思っていません。

「えーっと ただの自爆なんだね!」

「ガンダーラの特産を売らないとなったら売ってくれって泣きついてくると思ってるのかも!」

「その程度でこんなくだらない事してるの?!」

「商業ギルドとしてもガンダーラより品質のいい商品がルシフェルから補充されるようなら別に何も困りませんね。レディアサミでしたらいくらでも用意できるのでしょう?」

「そうだねー ルシフェル自体 他国からの輸入って得にしてないんだよね 別に欲しいのないしワリーノの肉と島国からの魚介類くらいだよね?」

「そうだね。野菜や果物はダンジョンで栽培してるし モンスター素材や鉱物もダンジョンから採取してるから別に他国からの輸入がなくても生きていけるよ。大体が地球産しか売ってないからね」

「それが普通はありえないのですよ・・・!」

「ガンダーラ王家と直で取引した方がいいんじゃないかな?」

「ハッサム家の市場を通さないで王家に売ってもらうってこと?」

「ハッサム家潰れそうですね・・・」

「いくら数年前が貧乏国家って言っても 今だったら年間のこちらの商品を買うだけのお金はあるよね?」

「余裕で国中の家庭に行きわたるほどは賄えると思います」

「聞いてみるか リモート会議 ガンダーラ王」

「さすがレディアサミ 直通でお話できるのですね!素晴らしい!」


『おお アサミ殿 何か用かね?』

「こんにちわ ガンダーラ王 ハッサム家の事を教えてほしいんだけど」

『それか・・・ 学園祭でアリババと揉めたと言う アサミ殿は処罰をお望みか?』

「いや まったく興味ないんだけど ハッサム家の系列の商会がルシフェルとの取引を全面停止したいみたいなんだよね」

『き 聞いておらんのだが!!!』

「だと思った 学園祭終わってまだ1週間なのに話が早い事だよ。ルシフェルにハッサム家が管理している商品は売りたくないみたいだよ?」

『なんたる・・・ルシフェルとしては別に困らないのを理解していないのか?』

「そうだね ガンダーラの商品はこちらでも異世界買い物で買える事が出来るから品薄にもならないし 逆にあっちが在庫抱えるだけになると思うんだけど」

『愚かな・・・』

「ガンダーラにルシフェルの商品は輸出停止するつもりはないよ?ただ ハッサム家の系列には売らないかもしれない」

『そ それは・・・』

「そちらの国でハッサム家がどれくらいの規模の商売をしているかはわからないんだけど 王家で大規模な商会を作れないかな?」

『可能だが・・・ その王家の商会になら輸出をしてもいいと?』

「ハッサム家は売買停止をしたくせに 別の商会を使っていっぱい買って帰ってるみたいなんだよね。あっちはルシフェルがガンダーラとの輸出を止めると勝手に勘違いしているらしいから直でルシフェルで買えばいいと思ってる。そして品薄になったら売ろうとかじゃないかな」

『それは 勝手に自分の首を絞めているだけではないか』

「そうなんだよね 何がしたいのかがわからないんだよ ハッサム家が買わないって言っても私達が王家に売ればあっちの不買運動はまったく意味がないしね」

『アサミ殿としては今まで通りにガンダーラに輸出してくれるという事でよいのだね?』

「そうだねー 別に高く売りたいとかじゃないから原価でいいよ。いくらでも売るよ。ハッサム家が今までルシフェルとの取引で確保していた商品だけでいいのかな?」

『それは要相談とさせてほしい 市場調査をしないとまだ何とも言えない。先に買っておくのは少し不味いのでね』

「まぁそうか すぐにハッサム家がごめんなさいしてくるかもだし大規模に買うのは様子見という事だね」



『それにしても・・・ハッサム家はそこまで愚かだっただろうか』

「ユーナ姫との婚約解消は私がしろって言ったわけじゃないんだけどなぁ・・・」

『ユーナから言い出したのだよ。今現在王国は援助なしでも充分すぎるほど豊かになった。ハッサム家の支援などもう完済してしまったほどなのだよ。それに我々は不老不死だ。ハッサム家があと何百年かで没落しようと王家の経済状況は揺るがないのだから婚約する理由もない。ましてやアサミ殿の心象もよろしくないだろうからとね。』

「なんか勝手に自滅して行ってるんだけど 私なんもしてないんだけどなぁ」

『別にハッサム家が自滅する分には王家は構わないよ 放っておきたまえ』

「足りない商品があったらこっちに連絡してくれればいいからね。ガンダーラとしてハッサムがどうなろうが私別にどーでもいいし興味ないから こっちとしては何も害がないからね」

『今回の件は特にルシフェルとしても問題ないのかね?』

「私達 別に売らなくてもいいからね 注文があったから売ってるだけだし」

『いくらでも市場に出せる資産がある 異世界買い物ですぐに何でも用意が出来る それも無制限にだ 敵に回すのも怖い存在にそんな無意味な嫌がらせという行為をするなど・・・頭がおかしいのではないか?』

「売ってくれってこっちが縋り付いてくると思ってるんじゃないかな?ありえないことだけど」

『王家としては別に仲裁もするつもりはない 勝手にハッサム家が自滅するだけであろう』

「そうだね いくらでも売買停止してくれていい あっちが困るだけだろうから 国で不足している物品だけ把握しておいてくださいね すぐに輸出するから」

『相場をしっかり見ておこう すまないね こんなバカらしい事に付き合わせてしまう事になるとは』



「いいよ 元はと言えばアリババだか言うののプライドを傷つけたの私みたいだし・・・」

『いや こちらとしても感謝をしているのだよ ユーナとサーナの不老不死があるし婚約解消できたのはありがたいことなのだ。婚姻はまだ早い』

「そうだね 今各国で婚約解消問題が多いみたいだから・・・」

『ルシフェルの正職員の若返り確約がよほど魅力らしい』

「ただ たかが息子がこれだけの権限あるかが謎だよね 親に内緒でルシフェルとの売買停止とかしてるかもしれないよ」

『そうだね ルシフェルとの売買は普通の商人だったら喉から手が出るほどに求めているものだ。それを一方的に破棄するなど商人としてあり得ない。公爵に話を聞いてみる事にするよ。まだ把握できていないだけかもしれないからな』

「そうだね アホが追放されておしまいなだけかも 後お願いします~ 私としては別に処罰とか求めていないからね」

『ああ わざわざ報告ありがとう』



「ただの暴走だね。フレディさん ルシフェルの他国との貿易はほぼ全部商業ギルドに任せているといっていい。好きにして」

「丸投げしてるだけだけどね。」

「ふふ ルシフェルからの流通は他国全てから求められている物ですからね。他国同士の仕事よりよっぽどやりがいがあり それを任せていただける商業ギルドとしては楽しいのですよ。」

「マジか ブラックにならないようにね あなたにはルシフェルから伯爵位を与えるほど有能な人なんだから過労死とか勘弁してよ?」

「レディ ありがとうございます」

「まぁルシフェルとしては 売ろうが売るまいが別にどーでもいい。その新商会には売ってもいいけど数減らして後は放置でいいよ あっちの方がすぐ謝ってくるだろうからね」

「了解しました。それで 商業ギルド主催のイベントの話をしましょうか」



勝手に自滅していくハッサム家はもう過去の話として 来年に向けてのイベントの相談をするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ