事情聴取 ぱーと3
はぁー・・
とうとうか
アサミは休んでる女性をみながら笑っている赤ん坊をみていた。
「とりあえず休んでください。」
「だいぶ疲れてる様ですわね」
「アサミ お茶か何かを頼む。」
ほい そんな気分じゃないなぁ。
「まず これからどうするか教えてくれないか?」
「そーですわね 馬車ならともかく歩きでザフトまでなど自殺行為ですわ。」
「いいえ もう用件は済みました」
そりゃそーだろうね!
「私でしょう?」
「ええ その通りです。勇者様」
「勇者って どうしてそのことを!」
「あなた何者ですの!?」
「どうして私のこと知ってるかしらないし あなたがだれかも鑑定してないから知らない
ただ その子 異世界人だよね。」
「ええ その通りです。」
「とりあえず 事情を教えてもらっていいかな?」
「あれは1か月くらい前でしょうか?
世界各国にこう神託が降りました
魔王が5年後に誕生する。ですが勇者も誕生するでしょう。」
「あー そこらへんは承知してますよ。」
「聞いた通りだな」
「ですわね。」
「その日以降 国中が混乱し神殿の禁書庫や王城の図書館で勇者情報を集め始めました。」
「まぁ 予想はついてたね。」
「だろうな。」
「この王国の初代は勇者です なのでそういう文献は絶対あるって思い必死に探したのでしょう。」
「しかし 見つかりませんでした。」
「だろうね。初代勇者は呼ばれたんじゃないからね」
「確かに 初代勇者は異世界の記憶があるだけの努力の一般人って話だったな。」
「連れてこられたわけじゃないのに 連れてくる知識なんてあるわけないですわ。」
「詳しいのですね。」
「まぁ 聞きましたからね。」
「初代勇者が建国して以降は 平和な時代が続いていたのですが
子孫は強き者は一切生まれてこなかったそうです。
そこで神託で 勇者が現れる。というお告げを聞き 王家はこのままじゃ初代に顔向けできないと
焦っていたのでしょうね。
本来なら 王家から勇者が生まれれば喜んだのですが、ただ勇者が現れる。
のみなのですから 情報がありません。」
「まぁ そうだろうね。」
「そこに旅の占い師が現れました
占いで勇者が欲しければ勇者召喚できるという儀式をすればいいと国に伝えました。」
「その占い師 怪しくない?」
「まぁ十中八九 胡散臭いな」
「よくある話ですわね。」
「その儀式を聞いた国上層部は 占い師から勇者召喚の儀式内容を聞き
実行しようとしました。
上級魔法使い50人 みんな死んだそうです。しかし この子は呼ばれてきました。
事情を聞こうとした占い師はもうすでに姿が一切見えなかったそうです。
なぜ こんな儀式を国に勧めたのかその真意すら聞く前に。」
「くっそ!!!!!!!!!」
「アサミ おちつけ!」
「落ち着いていられないよ!!なんだよ!!子供だぞ!まだしゃべれないみたいじゃないか!
なんなんだよ!バカじゃないの!」
「アサミ 気持ちはわかりますが・・」
「この子を必死で産んだお母さんはなんていうと思う!?いきなり誘拐されたんだぞ!
自殺してもおかしくないでしょ! それも私と同じ異世界人だ!」
「国上層部は その子供は 何の価値もないといい神殿に連れてこられたのです。
異世界人なら何かスキルを覚えるかもしれない。神殿で育てるように。」
「どこまで馬鹿にしてるんだよ!!!」
「事情を聞き どうしようもない怒りとこの国に失望しました。」
「私はこの子の悲しみを背負って生きていくことしかできませんでした。
この子の世話をしながらどこかで隠居でもしてゆっくりでもいい家族になろうと」
「その日 夢をみました。部分的ですが 豚みたいというんでしょうか。大きいモンスター
を倒している 3人と1匹の冒険者を見守りながら見ているお婆ちゃん」
「その戦いは凄まじいものでした。」
「あの時のことか?」「オークキングでしょうか?」
「場面は切り替わります。少しこの子が大きくなってまま ままと笑いかけてくれます
しかし そこは神殿ではありませんでした。
隣にはあなた達がいたんです。いろんな場所を一緒に旅をしていました。
みんなこの子を笑顔であやしてくれて私もやっと幸せな生活ができると思いました。」
「未来を夢で?まぁその未来が確かな物かは未確認だが」
「音が聞こえないので何を言っているのかわからなかったですけど」
「確かにまま ままって言ってるようだったんです。」
「嘘をついてるとは思っていませんわ。あなた そんな事するように見えないんですもの。」
「何回も戦いになりました。しかし あなた達は苦戦すらしません。
いっぱいのモンスターを相手にしながらまるで笑っているかのようにいつも勇ましく戦っていました。ああ この方が勇者なんだと」
「そこで最近ザフトの方でいきなり現れた新人冒険者がオークキングを討伐してBランクになったという情報が国に流れました。 ああ あの方たちだ と確信したんです。よかった。ただの夢じゃなかったと・・」
「そこで私専属の騎士様たちに協力を得てこの子を連れてザフトに向かいました。」
「それでザフトに向かってたんだね。でもなんであなたがそこまでするの?」
「私には責任がありましたから 神託を受けた張本人として」
「聖女様か」
「その様子ではそうみたいですわね。」
「でも なんで聖女様が襲われてたのさ?」
「勇者召喚に失敗した事を国中に知られるわけにはいかないでしょう?」
「しかも 召喚した子供を外に出されて聖女まで逃亡したなんて いい恥さらしですよ」
「まぁ 正体はわかりませんでしたが多分国だったんだと思います。」
「国の口封じか どこまで下劣な」
「なんなんだよ!勝手に呼んで 都合が悪くなったらいらないってばかりに殺そうとして!
こんな国守る必要あるの!?滅べばいいよ!!」
「アサミ そんなこと言わないでくれ もしそんなことしようとしたならお前が魔王になってしまう!落ち着いてくれ!」
「でも・・・ 」
「まず 整理しますわよ。聖女様は夢で私たちと行動していた。その時私たちは戦っていた。
なら しばらくは死なないのでしょう。」
「そうなるな。」
「で ザフトに行く途中で私たちに助けられ事情を聞く しかし 聖女様は身を隠さなければならない フリーダムには行けませんわね。」
「こんな国やだよ!!」
「アサミ 分かってる 言うな」
「Aランク試験を隣国で受けれるようにギルマスに相談するか?」
「それがいいですわね。聖女様 あなたはどうしますの?」
「出来ることなら この子を守りたい。」
「助けるよ 見捨てれるわけないじゃん!私と同じ異世界人なんだから!」
「あなたには感謝してる。この子を保護してくれて でもあなたはいいの?」
「ええ 罪悪感だけでなく この子にも私にも家族は必要なんです。もう一人にはしたくない。
この子は私の子として大切に育てます。」
「わかった。ようこそ ジョーカーへ」
「歓迎しますわ」
「よろしくな」
「よろしくねぇ」
「ええ お願いします みなさんそれにお婆ちゃんも」
『やっぱり見えてたのかい』
「ええ 一応これでも聖女でしたからね」
にこやかな笑顔でそう言うと疲れたのかゆっくりと眠りに入った。
第4回アース・スターノベル大賞様に応募している作品です 初めての作品ですが最後まで書ききりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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