スーパーロボットの足担当
「ふざけんなコラッ!!」
我慢の限界だった私はリーダーの西川に直訴することにした。
私の名前は橘 凛子。地球侵略を企む悪の組織『アックマー』の繰り出す巨大ロボット軍団に対して、5機のメカが合体して誕生するバスタージャスティスに乗り込み正義の為に戦う戦士なの。
・・・なんだけど、ちょっと職場環境が悪いので、基地に隣接してる喫茶店にてリーダーに直訴してるってわけ。
「どうしたんだ凛子?」
「どうしたもこうしたも無い!!バスタージャスティスの右足に対する負荷を減らしてよ!!」
そうなのだ。私の乗っているバスタービークルは合体の際に二つに分離し、右足と左足になるのだけど、その際に私のコックピットはまさかの右足の先。言うまでもなく非常に危険なの。まぁ、その件はロボットに初めて乗る際に散々文句言ったけど、結局は渋々乗ることになってしまった。
だけど、今回は言わないと私の命に関わる。
「あのね。百歩譲ってコックピットの件は許したけどね。着地の時に右足から着地したり、敵ロボを右足で蹴ったりするのは遠慮しなさいよ!!何回フロントガラス割れたと思ってんのよ!!」
着地や蹴る時に揺れる揺れる。もう乗物酔いで気持ち悪くなることしょっちゅうよ。
「仕方ないだろ?俺の利き足は右なんだから。俺の動きにフィードバックするようになってんの。だから右足をよく使うんだよ。」
「開き直んなよ!!こっちは生死が掛かってんだよ!!せめて『着地するよ』『蹴るよ』の一言ぐらいくれよ!!こっちも心の準備がいるんだよ!!」
「分かった、分かった。今度からは言うようにするよ。その代わり今度から右足アクションを3割増しにするから。」
「何でだよ!?意味分かんねぇだろ!!」
3割増しとか本当に死ぬかもしれん。正当な理由でもあるのだろうか?
「・・・あのさ。俺らの戦ってる時のコックピットの様子が動画サイトでライブ配信されてるのは知ってるよな?」
「あー、意外と視聴者が居て、儲かってるやつね。」
最初は戦いに集中できないからやめて欲しかったが、そこで生まれる金がロボットの兵器開発の資金になると聞いて渋々承諾。それに慣れると段々気にならなくなってきた。
「それがどうかしたの?私の生死と関係あるの?」
「それがあるんだな。お前巨乳じゃん。」
「唐突に何よ?まぁ、Gぐらいあるけど。」
「G?お前Gもあるの??」
「そ、そこは引っかかるな!!わ、私が巨乳なのと動画配信が何の関係があるのよ!?」
「ほら、激しくコックピットが揺れるとさ・・・一緒にお前の胸がさブルンブルン揺れるじゃん。」
「そ、そりゃ揺れるだろうよ。」
「その時にさ、視聴者数がぐんっと伸びるんだよ。」
「へっ?」
「お前の胸が一秒間に万単位の金を生んでいる。お前の胸がバスタージャスティスの資金源であり、世界平和に貢献してるんだ。」
「えぇええええええええ!!」
知らんかった。私の胸が世界平和に貢献してるなんて・・・なんてこった。
「凛子、だからこれからも宜しく頼む。文字通り体を張って世界平和のために頑張ってくれ。」
なんか体の張り方が違う気がするが、この身は世界平和のために捧げた身、今更後戻りは出来ない。
「わ、分かったわよ!!やーってやるわよ!!」
「おぉ、そうか。そいつは良かった。」
これからもバスタージャスティスの足担当として色々支えて見せるわ。
「でさ、オッパイポロリも大丈夫か?」
「それは無理に決まってんだろ?殺すぞ?あとそんなの配信したら動画消されて垢バン喰らうからな。」