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爆縮と体温の機知(13)

薄紫の魚

空に薄紫の魚が飛ぶ

同時にまばたきをして

音が空間を押した

近くに打ち上げられると

振動が

吊られたカレンダーを揺らした


広げた茣蓙に寝転ぶ音

灰色に鉛筆で強く塗りつけた黒が

斑点模様で

落ち葉のように流れていく

向こうの空は見えなくなり

あっちの空は透明なフィルムに

閉じ込められている


電話のベルが鳴るような

隙間からの太陽光が

一瞬だけ肌に当たる

上の上の青は

変化せずに存在するが

無かったことのように

渦巻く靄に消えていった


最後に手を出して

抵抗するかのような光が

ゆっくりと沈んでいく

トプリと消えた

薄紫の魚の群れが泳ぎ始め

粒状になった雫を飛ばしながら

地上の猫達を解散させ

茣蓙を広げて場所を奪った


空に向けた空気砲が

近くで放たれる

赤色がラジオを受信し

右に回されながら離れていく

見える国道沿いには

彩り豊かな列がある

もう一度

薄紫の魚が跳ねた






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