「死亡して異世界に行く」のは、かなり奇跡的なことかもしれない~各種調査から分かった実態
ども、undecaneです。
最近、"なろう"系の分析が趣味になってきています。
今回はプロローグの主人公の死亡が、「いかにファンタジーか?」について見ていきます。
異世界に行く。
このワードを聞くとどことなく気分が高鳴る私。
ハイファンタジー作品の異世界への行き方が自動車に跳ねられた、雷に打たれた…という傾向が多い感じです。
「そんなに死亡できるもんなのか?」
そう感じたので、各種統計データを参照して、異世界に行ける確率を概算してみました。
夢を壊すような話だが、如何にファンタジー作品が"ファンタジー"を描いているか。
わかると思う。
まず始め。
交通事故。トラックとか~に轢かれるやつです。
警察庁の調べではH21~H29において歩行者の死者は10万人当たり1~1.5人/年。
(交通事故全体で4人/10万人・年)
確率 1×10^-5ということになる。
パーセント表記でも0.001 %となる。
この数字。
プロ野球の本塁打よりも確率が低い。
年末ジャンボプチ1等とミニロト1等とだいたい同じ確率だ。
さらに、このうちの高齢者 (65歳以上) が占める割合が75 %。
若年層の歩行者が交通事故で死亡するのは更に一桁下がることになる。(つまり0.00025 %)
驚異的な低さだ。
これでは交通事故で異世界には行けない。
因みに、昔のデータは確認してないが、第二次交通戦争時代 (1993年前後) は、近年の2.5倍ほど死亡事故があったので…それでも少ないね。
次に、殺人。人に殺されるやつ。
痴情のもつれで…という展開も良くある。
(少なくとも"なろう"だと恋愛ものでよくある。)
これも警察庁のH19~H28のデータだが、10万人辺り0.6~1人/年だ。
確率 1×10^-5ということになる。
パーセント表記でも0.001 %となる。
凄い。殺されて異世界へ行きました。
奇跡でもないと、起こり得ない話だ。
更に子、親、配偶者によるものが50 %、知人によるものを足すと75 %になる。
職場、同居でない親族、無差別犯は多数派ではない。(ストーカーもね)
上の二つよりも、不慮の事故とされるものの方が多いくらいだ。
厚生労働省のH29人口動態調査を見ると、
転落等で7.8人/10万人年
溺死等で6.5人
窒息等で7.8人
火災等で0.8人
有害物質等で0.5人
(詳しい数値はわからないが、水難に次いで遭難も多いらしい。)
凄い凄すぎる。
不謹慎かもしれないが。
人間、如何に死ねないかがわかってきた。
但し、自殺になると急増する。
16.4人になる。
疾病を除くとトップクラスだ。
疾病以外の死因を全年齢で足して、
55人/10万人・年。
5.5×10-4
0.055 %
(除自殺、0.0386 %)
疾病以外での全年齢の死亡は1人/1818人。
(除自殺、1人/2590人)
但し、ここには高齢者も含めている。
突然、死ぬ、可能性はある。
ただ、少なくとも交通事故も、殺人も。
宝くじと同じぐらい当たらないものだと言って良さそうだ。
川で溺れた、作業場から転落した。
こっちの方がまだありそうだ。
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そうすると筆者のMotivationが更にUpします。
2019/6/27 日間エッセイ8位。応援ありがとうございます。
下記<オンラインノベルを科学するシリーズ>作品もよろしければどうぞ。
「オンラインノベルに於ける傾向分析を科学的にしていく」
https://ncode.syosetu.com/n4436fo/
「オンラインノベルの次に来るもの~「破壊的イノベーション理論」から見た"なろう"系オンラインノベルの躍進と衰退」
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「オンラインノベルの執筆に於ける作者のリソースの配分~「ワインバーガー・ドクトリン」で考える」
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