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摩耗核惨事  作者: pip-erekiban
第二章 衆議院予算委員会
42/77

和泉和子君の質疑-五

(和泉委員)

 質問してるのは私ですから、質問で返さないでくださいね。

 大臣は先ほどからICRPが認めたとお題目のようにおっしゃってますけれども、それでは大臣はICRPという機関についてどのようにお考えなのでしょうか。


(志村復興担当大臣)

 科学的、公益的観点に立って、電離放射線の被曝によるがんやその他疾病を低減すること、及び放射線照射による環境影響を低減することを目的とする民間の国際学術組織であると理解しております。


(和泉委員)

 大臣が、と申しましょうか、政府が依拠している国際放射線防護委員会につきましては、これは端的に申し上げて、原子力政策を推進する立場にある組織ですから、もともと公平な観点からものを言ってるわけじゃないんですよ。なにか国際機関と聞くと、放射線防護について全く公正で科学的な観点からものを言ってるみたいに皆さんありがたがってるけれども、そうじゃないんです。この組織は明らかに原子力村寄りなんですよ。そんなところが二〇ミリシーベルト以下は許容数値だなんて言って、誰が信じるんでしょうか。まあ中には信じてる、というか信じたい人もいるみたいですけれども。もしICRPが科学的に公平だって言うなら、元来地球上に存在しない物質だったはずの人工核種が人体に与える影響を評価する上で、被曝量がゼロでない限り影響がないとはいえない、とする見解を示すはずじゃありませんか。けれども原子力政策を推進する観点でものを言ってるから、影響があることが証明できない、延いては晩発性障害との因果関係もまた証明できないと彼等は強弁してるんです。

 その上で、大臣がなお原子力推進の政策的意図を持つICRPの示す数字に依拠して帰還するというんでしたら、私はそれこそご自身の責任でどうぞ、と申し上げてるんです。どうです大臣。あなた方が信じるICRPの示した数字だから安心でしょう。ご家族を連れて二〇ミリシーベルト以下の地域にどうぞお住まいください。


(志村復興担当大臣)

 私個人が家族を連れて居住するとかしないとかの話ではなく、年二〇ミリシーベルト以下の被曝については国際機関が事故収束時に許容される一般公衆の被曝限度と認定した、という事実について申し上げたまでです。


(和泉委員)

 ですからその国際機関の成り立ちの根拠が原子力政策の推進なんだから、そもそも立ち位置が公平じゃない、原発寄りだって申し上げてるんです。そんな、そもそも中立性を疑われる組織が掲げる数字を根拠にして住民の帰還を進めようとしても、誰も従わないでしょうね。大臣は従うんですか。


(志村復興担当大臣)

 家族の意見もありましょうが、当然検討致します。


(和泉委員)

 ICRPは飽くまで公平中立な立場で年間被曝線量の基準を示しているとのお考えですか。


(志村復興担当大臣)

 先ほど私申し上げたとおり、ICRPというものはこれは放射線防護の専門家集団で、民間組織であります。委員が何を以てICRPを原子力政策を推進する団体であると定義づけられているかは分かりませんが、ICRPにつきましては科学的根拠に立脚した公平中立な立場から放射線防護に関して勧告を行っているものと理解しております。


(和泉委員)

 それではICRPがどのようにして許容被曝線量の基準を策定したか、大臣はご存知ですか。


(志村復興担当大臣)

 意思決定の過程については存じ上げませんが、民間の研究者によって科学的根拠に基づき決定されたものと理解しております。

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