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2節

 あのあとは、直ぐに天神川が赤面し倒れたため、彼女の家まで運んで行きソファに座らせた。

「あいつ、風邪でもひいてたのか?」

 自覚のない奴は本当に困ったものだ。


 家へ帰ると、テレビにはまだパワードウィッチが映し出されていた。

「まだやってたのか?」

「うん!『いっきょほうそう』なんだって!」

 幅広い年代に人気ということもあってか、よく夏休みにこんな感じで一挙放送されるのだろう。

 チャンネルを変えようとリモコン代わりの携帯電話を手に取ったが、瑞穂が食い入るように見ていたので、変える気になれかった。

『必殺☆エクストラ・マジック・ストリーム!!』

「まほうしょうじょ・・・」

「ん?」

「わたし、まほうしょうじょになりたい!」

「へあぁ!?そんなの全部買ったらどれだけ金が掛かるとお思いなのですか?」

 これではまるで、おもちゃを強請る子どもと、それに反対する親のようじゃないか・・・と山城は一瞬思ったが、全く違った。

「ちがうよ。ふくとかおもちゃがほしいんじゃなくて、まほうしょうじょになりたいの。まほうをつかいたいの」

「・・・?」

 意味が分からない。

「だからね、こう『まじかる・さんしゃいんぱわー』とか、『まじっく・じゃっじめんと』とかつかって、てきをやっつけたいの」

「???」

 まったく意味が分からなかった。

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