1節
山城が電気街をふらついている頃。
瑞穂は、天神川と一緒に山城の家にいた。
「瑞穂ちゃん、何見てるのー?」
「パワードウィッチ」
パワードウィッチ・・・機攻魔法少女と書いてパワードウィッチと読む。
いわゆる魔法少女モノであるが、ロボットが出てきたりと、大きいお友達にも大人気のアニメらしい。
「がんばれー」
と、瑞穂がテレビの前で応援(?)しているのを見ると、天神川も、自然と顔が綻んでいた。
そして。
「ただいまー」
「あっ!あらただ!」
瑞穂はそう叫ぶと、
「おかえりー!」
と言って、山城に抱きついた。
それを見た天神川は、
「あんたたちって何か親子みたいよね」
と言った。
「あらたはね、わたしのだんなさんになるんだよ!」
本当に白く粉々になってしまいそうだった天神川だったが、山城が、
「あっ・・・あー・・・小さい時によくある『お兄ちゃん大好きー』的なやつだよ・・・ほら」
と言ったためか、天神川は回復した。
山城は、単純なやつ、と呟いてから
「まぁ、ゆっくりしていけよ・・・何も無いけど」
そういったとき、天神川の目が輝いた気がするが気にしないことにした。




