3節
なんだかんだで電気街に着いた山城であったが、特に目的が有るわけでもなく、ただブラブラしていただけであった。
フラッと鉄道模型屋に立ち寄ったかと思えば10分程で出たり、アニメ系の店に寄っても、欲しい本の発売日を一週間違えていた事に気付きすぐに出たりと落ち着かない感じであった。
もう帰ろう、と駅の方へ歩いていたとき、山城は、電機屋にcomloidが有るのに気付いた。
「新型・・・?」
そこに有ったのは、歌を歌わせる機能が付いた新型の物で有った。
少し見入っていると、電機屋のおじさんに声を掛けられた。
「最初はここに置くつもり無かったんじゃがね。昔からお世話になってる電機メーカーじゃし、何せ人気じゃから置かない訳にもいかんな、と・・・」
「はぁ・・・」
「なんじゃ?欲しいのか?」
山城は、そりゃこんな見入っているとそう思われるよな、と感じつつ、こう話した。
「いえ・・・実は少し前にcomloidを拾いまして・・・」
電機屋のおじさんは相槌を打ちながら、こう言った。
「捨てcomloid・・・最近の、まぁ社会問題じゃな」
「捨て・・・ですか」
「そうじゃ。大型ごみに出したり、挙句の果てには川に捨てて、河口で人が死んでいる、なんて事になったこともあったのう」
そのあとおじさんは表情を丸っきりかえ、こう言った。
「まぁ、そんなことよりスペア部品はどうじゃ。ちょっとエッch
「ふざけんな!」




